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第3章
教育条件・機会均等施策等・教師の水準
3 教師の水準
(2) 教員養成制度



a 教員養成機関

わが国では,教師は初等・中等教育段階とも,すべて大学で養成されている。すなわち,小学校の教師は,学芸大学または一般大学の教員養成を主とする学部に,修業年限4年の小学校教員養成課程がおかれ,主としてここで養成される。中学校の教師は,小学校の場合と同じく,学芸大学または一般大学の教員養成を主とする学部の中学校教員養成課程(修業年限4年)で養成される場合と,一般大学のその他の学部の卒業者で一定の教職単位をとっていればよい場合とに分かれる。高等学校の教師は,ごく一部の大学に高等学校教員養成課程が設けられているが,ほとんど,一般大学の卒業者で一定の教職単位をとった者が教師になっている現状である。

(戦前,わが国では師範学校制度をとっており,小学校の教師は中等教育魁度の師範学校,中学校の教師は高等教育程度の高等師範学校において,専門的に養成されていた。このうち,師範学校は昭和18年に専門学校程度になった。)次に主要国の教員養成機関についてみる。

第50表 主要国の教員養成機関

第50表 によれば,フランスおよびソ連の初等学校の教師を除いて,いずれも高等教育機関で養成している。また,各国とも,初等学校の教師は専門機関で養成し,中等学校の教師は専門機関と一般大学の双方で養成している。

わが国の初等・中等学校の教師になるまでの学歴年数は,これらの諸国と比べて少ないとはいえないが,イギリスでは1年間の仮任用期間を設け,教師として不適格な場合は,任命を取り消し,西ドイツでは,第1次試験合格後各学校に仮任用し,1年ないし2年の実務訓練を受けた後,第2次試験に合格しなければ,正教員に任用せず,フランスの初等学校の教師は最低2年間の仮任用期間を終了して後,はじめて正教員に任命されるなど,試補制度をとっている。

また,イギリス・西ドイツ・フランス・ソ連においては,国や邦による教員検定試験や教員資格試験が,教員養成専門機関卒業者に対しても行なわれている。

わが国やアメリ力合衆国は,一定の学歴と教職単位の修得によって教師の資格を与えており,上記イギリスなどと異なっている。


b 教員養成機関における教育内容

わが国では,教育職員免許法により,小学校教諭1級普通免許状をとるめには,大学において最低,一般教育科目36単位,教科に関する専門科目16単位,教職に関する科目32単位(うち教育実習4単位)を修得しなければならない。しかし,実際はもっと多くの単位が修得されている。4年制大学についてわが国の平均の修得単位を時間になおして,アメリオ合衆国およびソ連と比較すると,次のとおりである。

第51表によれば,わが国は,アメリカ合衆国・ソ連に比べ,教育実習を含めての教職科目の時間数が少ない。

第51表 教育内容別時間数の3か国の比較

次に,中等学校の教師の場合は,わが国では,中学校教諭1級普通免許状または高等学校教諭2級普通免許状をとるのに,最低,一般教育科目36単位,教科に関する専門科目40単位かまたは32単位,教職科目14単位をとればよい。教職単位のうち,教育実習は,中学校・高等学校とも,それぞ′れ2単位(教育実習の1単位は45時間)でよいことになっている。アメリカ合衆国では,一例として,ノースイーストミズーリ州立師範大学の中等教員養成課程の学科課程をみると,教職科目は20単位ないし20.5単位で,そのうち教育実習は5単位(1単位は18時間)を占めている。教育実習は,西ドイツの大学では,在学中,最低8週間,フランスのパリ大学付属高等師範学校では約10週間,技術教育高等師範学校では最低2か月行なわれる。

わが国の教育実習の時間数は,一般に,これら諸国と比べて少なく,今後,教育実習によりいっそうの力が注がれるべきであろう。

イギリス・西ドイツ・フランス・ソ連においては,たてまえとして,学校段階・種別または教科ごとの教員養成専門機関を設け,教師の質・量の両面にわたって計画的養成が行なわれているのに対し,わが国およびアメリカ合衆国においては,専門的養成の程度が薄いということがいえるであろう。


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