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第3章
教育条件・機会均等施策等・教師の水準
1 教育条件の水準
(2) 学級の規模


 わが国の学級編制基準は,「1学級の児童数は50人以下を標準とする」と定められている。

 過去4年間のわが国の公立学校の学級規模別学級数の変遷をみると,標準を越える51人以上の学級の数は最近減少の一途をたどっている。31年度を100とした指数で示すと34年度には小学校は93,中学校はわずかに45である。特に56人以上の過大学級において減少が著しい。

第13図 で見られるように,この4年間に小学校では51人以上の学級数の比率は34%から29%へ,そのうちの56人以上の学級の比率は12%から7%へと下がっており,中学校においてはこの傾向はいっそう著しく,51人以上の学級の比率は40%から20%へ,特にそのうちの56人以上の比率は11%から1%へと下がっており,過大学級の解消が大いに進んでいることがうかがわれる。

第13図 規模別学級数の推移

第28表 3か国における初等学校の規模別学級数

 国・公・私立を含めた初等学校の学級規模を比較すると51人以上の学級数はわが国が29.2%に達しているのに対し,イギリスでは0.3%,西ドイツでは5.6%にすぎない。また41人以上の学級数は,わが国では68.2%と多数を示しているのに対して,イギリスでは23.0%,西ドイツでも33.0%にすぎない。また1学級あたり児童数もイギリス34人,西ドイツ36人,フランス29人に対しわが国では4人でこれらの諸国に比べて格段に高い。

 学級規模については,各国ともそれぞれ基準を設けて学級編制の適正化を図っており,その学級編制基準は 第29表 のとおりである。

 わが国の基準は各国を10人上回っている。また各国それぞれの基準を越える学級数の実際の比率も,わが国29%,イギリス23%,西ドイツ33%でわが国は大規模学級は最近減少の傾向にあるとはいえ,高い学級編制基準にもかかわらず基準を越える学級数が非常に多く,教育条件の整備のまだいたらないことを示している。

 最近に至りこの悪条件がいわゆる「すし詰め学級解消」の問題としで大きく取り上げられたのは当然である。昭和33年度から5か年計画によって1学級に収容する児童生徒数を適正な規模にしようとするための施策が着手されるに至った。わが国では1学級の児童生徒数は50人以下を標準とすると定めているが,この基準に適合しないおびただしい数の過剰収容学級が存在している。市町村立小・中学校の学級編制,すなわち何人の児童生徒で1学級を編制するかということは,都道府県の教育委員会の認可を必要とすることとなっているが,教室数の不足などのため各都道府県の認可基準は望ましくないものが多かった。すし詰め学級を解消するためには各都道府県のこのような認可基準を改善する必要があり,昭和33年に国は「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」を制定して,各都道府県の認可基準を,国の標準である1学級50人に統一することとしたのである。

第29表 主要国の学級編制基準

 しかし,今日の学級編制の現状から見て一挙にこれを実行することは無理であるから,昭和33年から5か年計画で行なうこととし,原則の50人を小学校では33年度は60人以下,34年度は58人以下,中学校では33年度は55人以下,34年度は54人以下というように逐次減少させることとし,昭和38年度までに目標の50人になるように計画している。

 この5か年計画の実施によって学級編制が適正化され,すし詰め学級は5年後に解消されることになるが,このためには当分の間相当数の教師の増加と多大の施設の拡充が必要であることはいうまでもない。


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