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第1章
教育の普及度
6 わが国の教育人口の将来
(2) 高等学校段階の教育人口


 中学校卒業者数は 第8図 のとおり,昭和38年から40年において著しい増加を示す。すなわち,昭和34年の199万人に対し,38年250万人,39年243万人,40年236万人といずれも相当大幅な増加が予測されている。

 このような中学校卒業者の急増に対し,もし仮に高等学校入学者数が現在と同じく112万人のまま固定するものとすれば,高等学校への進学率は34年度の56.3%に対し,58年度44.8%,39年度46.1%,40年度47.5%と著しく低下して,高等学校への進学は非常に困難となり,多数の進学できない者を生じることとなるであろう。

第8図 中学校卒業者の推計数

 また,昭和34年度現在の進学率56.3%が変わらないとすれば,高等学校入学者は,昭和34年度の112万人に対し38年度141万人,39年度137万人,40年度133万人と推定され,この大幅の増加によって,高等学校の教育人口(在学者総数)は昭和40年度において最高を示し,昭和34年度の高等学校教育人口320万人に対し,80万人の増加となる。

 さらに,もう一つの推計を試みよう。過去10年の実績によれば,高等学校進学率は年々増加する傾向を示すが,その増加の度合は中学校卒業者数の増加の度合と逆の相関関係をもって変動する傾向がある。そこで,将来もこの傾向が持続するものと仮定して推計すれば,高等学校入学者数,高等学校進学率はそれぞれ38年141万人56.3%,39年143万人58.7%,40年144万人61.0%となる。これに伴い高等学校の教育人口は,40年度において240万人となり,現在より100万人も増加することとなる。

 第2,第3の仮定では第1の仮定の場合と違って高等学校進学率が現在を下回ることはないが,これら二つの仮定が成りたつためには,高等学校の生徒収容力を80万人〜100万人増加させなければならない。これは平均規模の高等学校を1,100校〜1,400校も新設することに相当するものである。

 中学校卒業者急増に伴う問題としては,単に高等学校だけの問題にとどまらず,高等学校へ進学しない者に対する教育の問題がある。

 もし仮に高等学校入学者が現在と同数で固定するとすれば,各年の中学校卒業者のうち高等学校へ進学しない者は,34年の87万人に対し,38年138万人,39年131万人,40年124万人となる。

 また,現在の進学率が確保されるとしても,その場合においてさえ,高等学校に進学しない者は,38年109万人,39年106万人,40年103万人となり現在より大幅に増加する。

 現在高等学校に進学しない15歳〜17歳の青少年のうち各種学校,青年学級,通信教育,職業訓練施設等で教育を受けている者は20%前後と推定され,大部分の者はなんら教育を受けていない。このことは,個人的観点からも社会的観点からも大きな損失であるとして,現在でもすでに大きな問題となっているが,以上の推計の結果は,今後ますます重大な問題となることを物語るものであろう。

 高等学校進学者の問題と高等学校に進学しない者に対する教育の問題とは表裏不可分の関係にあるので,これらの問題は,およそこの青少年層に関する教育の機会均等,教育に対する社会的要請,雇用,国民経済の発展や国民の生活水準の向上による教育への欲求の増大等の問題に注目しつつ,これら青少年層全体の教育の問題として取り上げられるべきであろう。


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