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第1章
教育の普及度
1 文盲率


 教育の普及度を端的に示す第1の要素は国民の文盲率である。文盲率はその国の基礎教育の普及度をはかる尺度ということができる。「文盲」の定義には,国により多少の相違があるが,各国の国勢調査の結果に基づきユネスコが調査した資料によると,各国の文盲率は 第1表 のとおりである。

 これによると,ヨーロッパ諸国の文盲率はおおむね低く,1%〜2%ないし3%〜4%である。フィリピン・インド・パキスタン・エジプトなどのように,義務教育制度の発達が遅れていたアジア・アフリカの各国では文盲率が高い。

 ユネスコの推定によれば,1950年現在において,世界の15歳以上の人口約16億のうち,文盲者は約7億,つまり約44%にのぼり,その大半,約6億はアジア・アフリカ諸国に集まっている。アジア・アフリカ諸国の文盲

率は平均60%〜65%と推定されている。

 わが国の文盲率は世界でも最も低い部類に属している。

第1図 は,国民1人あたりの国民所得の多い順に諸国を並べて,それらの国の文盲率を示したものである。第1位から第13位までの13か国はいずれも西ヨーロッパまたはアメリカの諸国である。これら諸国の富は,おおむね自然資源に加えるに,教育に対する長い間の努力の集積の結果もたらされたものと見ることができる。そうして,これら諸国の文盲率はおおむね1%ないし3%の低率で文盲のほとんどない国である。

 これに対して,1人あたり国民所得の少ない国はいずれもアジアまたはアフリカの諸国で,これらの国の文盲率ははなはだ高い。

 わが国の国民所得は,アジア・アフリカの諸国のなかでは最も高い水準を示している。これは,わが国が明治以降,近代科学・技術を導入し,限られた自然資源を開発し,工業化への努力を急速に推し進めた結果であるが,それは教育の画期的な普及によって,はじめて可能となったものというべきである。国民所得が低いのに対して文盲のはなはだ少ないのは,教育に対する明治以降の努力のたまものである。

第1表 各国の文盲率

第1図 各国の文盲率と国民所得


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