第5章 高等教育の充実

総論

 グローバル化や少子高齢化など社会の急激な変化に直面する中で,我が国は持続可能で活力ある社会を目指した変革を成し遂げなければなりません。そのために,大学をはじめとする高等教育機関は,我が国及び国民が直面する課題にしっかり応えていく重大な責務を有しているということを認識し,国民や社会からの期待に応える改革を主体的に実行することが求められています。
 文部科学省は,教育再生実行会議や中央教育審議会等における議論を踏まえ,今や待ったなしの状況にある高等教育改革の着実な実現に取り組んでいます。あわせて医療人や法曹などの専門人材の養成や,地域医療の中核としての大学附属病院の機能強化,質の高い実践的な職業教育を行い,専門職業人を養成する高等教育機関として専門職大学等の創設,高等専門学校や専門学校の充実など高等教育の多様な発展のための様々な取組を推進しています。
 さらに,意欲と能力のある学生が経済的理由によって学業を断念することがないよう,奨学金事業の一層の拡充や各大学等が行う授業料減免措置への支援等に取り組むとともに,学生の就職活動への支援やキャリア教育の充実に向けた支援も行っています。

第1節 高等教育施策の動向

1 大学改革の基本的方向性

 我が国社会のあらゆる側面において,かつて経験したことのないスピードで大きな変化が進行しています。例えば,IoT(Internet of Things),ビッグデータ,人工知能等を活用する「第4次産業革命」は,既存の産業構造,就業構造,さらには人々の生活を一変させる可能性があることが指摘されています。このような経済社会の変化やグローバル化の急速な進展,本格的な人口減少社会の到来の中で,一人一人の実りある生涯と我が国社会の持続的な成長・発展を実現し,人類社会の調和ある発展に貢献していくためには,人材育成と知的創造活動の中核である高等教育機関が一層重要な役割を果たすことが求められます。とりわけ,今後の人材育成においては,新たな知識・技能を習得するだけでなく,学んだ知識・技能を実践・応用する力,さらには自ら問題の発見・解決に取り組む力を育成することが特に重要となっています。このことを通じて,自主的・自律的に考え,多様な他者と協働しながら,新たなモノやサービスを生み出し,社会に新たな価値を創造し,より豊かな社会を形成することのできる人を育てていかなければなりません。
 我が国の高等教育機関への主たる進学者である18歳人口の推移を見ると,平成4年の約205万人をピークに減少しており,国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば,現在約118万人の18歳人口が,令和12年には105万人,22年には88万人に減少すると試算されています(図表2‐5‐1)。また,経済開発協力機構(OECD)の調査によると,28年の我が国の大学学士課程への進学率は50%であり,OECD平均の58%と比べると低いという評価もできる一方,専門学校等も含めた高等教育機関全体への進学率は80%であり,OECD平均の66%を上回っています(図表2‐5‐2)。
 このような状況を踏まえ,学ぶ意欲と能力を持つ全ての若者に高等教育の機会を開くとともに,社会人の学び直しなど生涯学習の場としての機能の充実や,留学生の受入れの推進,大学院教育の充実なども含めて,一層多様で質の高い大学教育の機会の充実に努めていくことが重要です。
 特に,大学教育の質については,社会で求められる人材が高度化・多様化する中で,教養・知識等に加え,課題発見・探求のための批判的思考力や判断力,チームワークやリーダーシップを発揮して社会的責任を担い得る倫理的・社会的能力などを育成することが求められています。このため,学生の主体的な学びを重視した大学教育への転換などを図るとともに,大学の設置認可,設置後の認証評価など大学教育の質保証の仕組みの更なる充実に取り組んでいく必要があります。
 知識基盤社会が一層進展するこれからの時代において,「大学力は国力そのもの」であり,社会の期待に応える大学改革を推進するとともに,改革に積極的に取り組む大学を強力に支援することによって,大学教育の充実を図っていく必要があります。
 このような問題意識の下,平成29年3月には「我が国の高等教育に関する将来構想について」中央教育審議会に諮問を行い,おおむね2040年頃の社会を見据えた,これからの時代の高等教育の将来構想について,総合的な検討を要請しました。本諮問を受け,中央教育審議会大学分科会将来構想部会を中心に審議が進められ,平成30年11月には,「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」が取りまとめられました。その答申においてSociety 5.0の到来や18歳人口の減少等の社会の変化を踏まえ,1.専門に関する知識のみではなく,文理横断型の教育への転換とともに,教育の質の保証を進め,「何を学び,身に付けることができたのか」という学修の成果の可視化の促進,2.地域における質の高い高等教育機会の確保のための各大学間の「強み」を活(い)かした連携・統合の在り方や,18歳人口の減少を踏まえた高等教育機関全体の規模,などについて提言がなされました。

 図表2‐5‐1 18歳人口と高等教育機関への進学率等の推移

 図表2‐5‐2 高等教育段階への進学率(2016)

第2節 学生に対する経済的支援の充実と社会的・職業的自立に対する支援

1 高等教育機関へのアクセスの確保

(1)学生の経済状況

 家計における教育費負担をみると,子供二人が私立大学に通っている場合は,勤労世帯の平均可処分所得の2分の1近くを教育費が占めており,大学段階の教育費負担が大きいことが分かります(図表2‐5‐3)。家庭の経済状況にかかわらず,誰もが安心して教育を受けることができる環境を整えることが重要です。

 図表2‐5‐3 教育費負担割合

(2)高等教育の修学支援新制度

 高等教育の負担軽減については,これまでも授業料等減免や奨学金制度の充実に取り組んできましたが,なお,低所得世帯の子供たちは全世帯平均に比べて高等教育機関への進学率が低い状況にあります。子供たちが,経済的事情により進学を断念することのないよう,進学の機会を確保することが重要です。
 このため,真に支援が必要な低所得世帯の子供たちに対し,質の高い高等教育機関への修学に係る経済的負担を軽減し,我が国における急速な少子化の進展への対処に寄与するという目的のもと,「新しい経済政策パッケージ」(平成29年12月8日閣議決定)及び「経済財政運営と改革の基本方針2018」(平成30年6月15日閣議決定)において,令和2年度から授業料等減免と給付型奨学金を拡充し,低所得世帯の高等教育無償化を実現することとされました。
 閣議決定を踏まえ,「幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針」(平成30年12月28日関係閣僚合意)が決定され,これらに基づく低所得世帯の高等教育無償化を実施するための「大学等における修学の支援に関する法律」案を国会に提出し,令和元年5月10日に成立しました。
 令和2年度からの新制度は,住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生を対象とします。住民税非課税世帯の学生に対して,授業料等を減免するとともに,学生生活の費用をカバーするために十分な給付型奨学金を支給します。住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生については,住民税非課税世帯への支援措置に準じた支援を段階的に行います。
 支援対象となる学生については,高校在学時の成績だけで否定的な判断をせず,高校等が,レポートの提出や面談等により本人の学修意欲や進学目的等を確認します。他方,大学等への進学後は,学修状況について厳しい要件を課し,これに満たない場合には支援を打ち切ることとしています。
 また,社会で自立し活躍できる,豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成できる大学等を支援措置の対象とするため,大学等にも一定の要件を求めることとしています。(図表2‐5‐4)

 図表2‐5‐4 高等教育の修学支援新制度について

(3)日本学生支援機構の奨学金事業

1.給付型奨学金をはじめとした奨学金事業の充実

 文部科学省では,「ニッポン一億総活躍プラン」や「未来への投資を実現する経済対策」の閣議決定の内容等を踏まえ,平成29年度予算において,意欲と能力があるにもかかわらず経済的理由によって進学を断念せざるを得ない方の進学を後押しするため,住民税非課税世帯の方を対象として,返還不要の給付型奨学金制度を創設し,30年度においては,本格実施となり,新規に18,649人を採用しています。
 無利子奨学金については,平成29年度において,基準を満たしているにもかかわらず予算上の制約により無利子奨学金の貸与を受けられない残存適格者を解消するとともに,低所得者世帯の方に関する成績基準を実質的に撤廃し,必要とする全ての学生が無利子の奨学金を受けられるようにしました。平成30年度においても引き続き,着実に実施することにより,有利子から無利子への流れを更に加速させています(貸与人員:53万5,000人(この他被災学生等分3,000人),事業費総額:3,584億円(この他被災学生等分17億円))。
 奨学金貸与事業全体の貸与人員は約130万人,事業費総額は約1兆372億円となっています(図表2‐5‐5)。有利子奨学金は在学中には利子が課されず,卒業後にそれまでの貸与額に対して利子(平成31年3月貸与終了者においては利率固定方式で年0.14%,利率見直し方式で今後5年間は年0.01%)が課されます。このほか,家計支持者の失業や被災などによって緊急に奨学金を必要とする学生等に対応するため,「緊急採用奨学金(無利子)」,「応急採用奨学金(有利子)」の申込みを随時受け付けています。29年度の緊急採用奨学金(無利子)は1,283人,応急採用奨学金(有利子)は335人を採用しています。

 図表2‐5‐5 平成30年度奨学金事業費

2.返還困難者への対応

 日本学生支援機構の奨学金の返還は,貸与が終了した翌月から数えて7か月目から始まります。日本学生支援機構の奨学金事業は,卒業した学生等からの返還金を次の世代の学生等に貸与しており,返還金を確実に回収することが重要です。日本学生支援機構は,各学校の協力を得て,学生等の返還意識を高めるとともに,返還相談体制を更に充実するなど回収業務を適切に行うための業務の見直しに取り組んでいます。
 一方,災害,病気,経済困難などによって返還が困難な方には,返還期限を猶予する制度や毎月の返還の負担を軽減する減額返還制度などによってきめ細かく対応しています。奨学金の返還に際しては,長期にわたって延滞に陥らないことが重要です。日本学生支援機構は,延滞初期段階での返還促進や返還困難時の救済措置の案内をするとともに,奨学金を受ける前の高校段階において資金計画について助言を行うスカラシップ・アドバイザーの派遣を実施するなど,これらを活用した延滞の防止・解消に努めています。

(4)大学等における授業料減免事業の支援

 文部科学省は,経済的理由などによって授業料等の納付が困難な場合でも就学を継続することができるよう,国立大学法人運営費交付金,私立大学等経常費補助金の特別補助などを通じて,国私立大学等の授業料減免措置等を支援しています。また,公立大学については地方財政措置が講じられています。
 現在,全ての国立大学に授業料減免制度があり,平成30年度の授業料免除予算額は350億円,免除対象人数は約6万5,000人になっています。全ての公立大学にも同様の制度があり,29年度実績で約1.1万人に対して約36億円の減免措置が行われています。また,私立大学等が実施する授業料減免等事業に対して,30年度に130億円,約7万1,000人分を補助しています。

(5)大学院学生の経済的支援の拡充

 「第5期科学技術基本計画」において掲げられた「博士課程(後期)在籍者の2割程度が生活費相当額程度を受給できることを目指す」という目標の達成に向け,多様な財源による博士課程(後期)学生への経済的支援の充実を図ることとしています。「特別研究員事業(DC)」及びフェローシップ,TA(ティーチング・アシスタント)(※1)やRA(リサーチ・アシスタント)(※2)等としても活用可能な競争的な経費の充実を図ることによって,大学院生に対する経済的支援の拡充に取り組んでいます。
 また,日本学生支援機構は,大学院で無利子奨学金の貸与を受けた者のうち在学中に特に優れた業績を上げた学生について奨学金の返還免除を行っています。平成30年度入学者から博士課程(後期)の大学院業績優秀者免除制度の拡充を行い,経済的負担を軽減することで博士課程(後期)への進学を促進することとしています。


  • ※1 TA(ティーチング・アシスタント):優秀な大学院学生に対し,教育的配慮の下に,学部学生等に対するチュータリング(助言)や講義・実験・実習・演習等の教育補助業務を行わせ,大学院学生への教育訓練の機会を提供するとともに,これに対する手当の支給により,大学院学生の処遇の改善の一助とすることを目的としたもの。
  • ※2 RA(リサーチ・アシスタント):大学等が行う研究プロジェクト等に,教育的配慮の下に,大学院学生等を研究補助者として参画させ,研究遂行能力の育成,研究体制の充実を図るとともに,これに対する手当の支給により,大学院学生の処遇の改善の一助とすることを目的としたもの。

(6)奨学団体等の奨学金事業

 奨学金事業は,日本学生支援機構のほかに特例民法法人や地方公共団体,大学や企業などによって,多様な形態で幅広く実施されています。平成28年度の日本学生支援機構の調査によると,約3,300の奨学団体等が,約18万4,000人の奨学生に対して,総額で約742億円を支給しています。なお,一定の奨学団体に対する寄附金には,税制上の支援措置が講じられています。

2 学生の就職活動支援及び大学におけるキャリア教育職業教育の充実

(1)学生の就職活動

 文部科学省と厚生労働省は,毎年共同して大学等卒業者の就職状況を調査しています。平成29年度の就職率は,大学の学部卒業者は前年度同期比0.4ポイント増の98.0%,大学,短期大学,高等専門学校全体では0.5ポイント増の98.2%となり,いずれも平成8年度の調査開始以来最高となりました。(図表2‐5‐6,図表2‐5‐7)

 図表2‐5‐6 平成29年度大学等卒業者の就職状況

 図表2‐5‐7 就職率の推移

 大学等卒業者の就職環境は改善していると考えられますが,文部科学省は,厚生労働省と連携して,就職を希望する学生等が卒業までに一人でも多く就職することができるよう,大学等と新卒応援ハローワーク等との連携を促すことで,就職支援の一層の充実は図っています。

(2)学生の就職・採用活動開始時期

 大学生等の就職・採用活動の開始時期については,1.一般社団法人日本経済団体連合会(以下,「経団連」という。)による「採用選考に関する指針」の策定,2.就職問題懇談会(大学等卒業予定者の就職活動の在り方について検討,協議を行う,国公私立の大学,短期大学及び高等専門学校関係団体で構成される組織)による「申合せ」,3.関係省庁(内閣官房,文部科学省,厚生労働省,経済産業省)による経済団体・業界団体等に対する遵守等の要請,というプロセスによって,毎年度決定されてきました。令和元年度の就職・採用活動については,広報活動開始:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降,採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降と決定されており,平成28年度以降,4年連続で同様の時期となっています。
 こうした中,平成30年10月,経団連から,中長期的な観点から我が国の採用活動の在り方を議論すべき,大学の教育と企業の姿勢がどうあるべきかを議論すべきといった問題提起と併せて,経団連としては,令和2年度以降に卒業・修了予定の学生の就職・採用活動からは「採用選考に関する指針」を策定しない方針が示されました。経団連の方針決定を受けて,就職問題懇談会座長が,学生・企業の双方に大きな混乱が生じることを大学側として強く危惧すること,2年度卒業・修了予定者については現行日程を維持するよう求めること,また事態の打開に向けて政府による対応を期待すること,こうした声明を公表しました。このため,政府は「就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議」を開催し,「2020年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」をとりまとめ,2年度については現行の時期等を維持することとし,経済団体・業界団体等を通じて各企業に対し要請しました。(図表2‐5‐8)

 図表2‐5‐8 新規大学等卒業予定者の就職・採用活動時期

 文部科学省としては,引き続き,関係省庁,大学等及び経済界と連携しながら,大学生等の就職・採用活動が円滑に実施されるよう,必要な取組を進めていくこととしています。

(3)大学におけるキャリア教育・職業教育の充実

 大学等のキャリア教育において,学生の産業や職業に関する理解を深める取組の実効性を高めるため,企業等による採用選考と直接結び付かない協力も不可欠です。
 平成26年9月16日,就職問題懇談会において,キャリア教育としての学内行事と採用を目的とした広報活動としての「企業説明会」を明確に区別するため,「企業等の協力を得て取り組むキャリア教育としての学内行事実施に関する申合せ」を策定し,一般社団法人日本経済団体連合会も申合せに賛同して「『採用選考に関する指針』の手引き」を改訂しました。

(4)大学等におけるインターンシップの推進

 大学等において教育の一環として行われるインターンシップは,学生の大学等における学修の深化や新たな学習意欲の喚起につながるとともに,主体的な職業選択や高い職業意識の育成が図られる有益な取組です。平成28年度から,「インターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議」を開催し,適正なインターンシップの普及に向けた方策や更なる推進に向けた具体的方策等について検討を行い,29年6月に「インターンシップの更なる充実に向けて議論の取りまとめ」を取りまとめました。
 上記の内容を踏まえ,優れたインターンシップを広く全国に普及させるための「届出・表彰制度」を創設し,平成30年12月に文部科学省として初めて表彰式を開催しました(最優秀賞:山形大学,選考委員会特別賞:恵泉女学園大学,優秀賞:長岡技術科学大学,大阪大学,亜細亜大学,東京工科大学,湘北短期大学,仙台高等専門学校)。加えて,日本学生支援機構と連携しながら,教育的効果の高いプログラムを構築・運営する専門人材の育成・配置等に取り組んでいます。
 なお,文部科学省では,参加した学生等が文部科学行政に対する理解を深めるとともに,職業への適性や将来設計を考え,主体的に将来の職業を選択することを目的に,文部科学省インターンシップを実施しています。平成30年度は226人(夏期147人,春期79人)の学生を受け入れました。

第3節 高等教育のさらなる発展に向けて

1 大学教育の質保証・向上,大学の経営力の強化

 科学技術の進歩やグローバル化の進展により今後も急速に変化してゆく社会においては,基礎的で普遍的な知識・理解と汎用的な技能を持ち,その知識や技能を活用でき,ジレンマを克服することも含めたコミュニケーション能力を持ち,自律的に責任ある行動をとれる人材が求められます。大学教育の質が,そのような人材を育成することができるものであることを保証し,また,社会の変化に対応して向上してゆくものとするため,文部科学省では,以下のような取組を進めています。

(1)教育の質保証と情報公表の促進

 大学・短期大学・高等専門学校(以下,「大学等」という。)の設置や組織改編は,大学教育の国際的な通用性の確保や学生保護のため,設置審査などの所定の手続を経て行われます。文部科学大臣は大学の設置などの認可申請を受けると,申請内容が「大学設置基準」などの法令に適合しているかどうかについて,学識経験者などから成る大学設置・学校法人審議会に諮問を行います。同審議会は教学面,財政面や管理運営面について専門的な審査を行った結果を答申し,それを踏まえ,文部科学大臣が認可の判断を行います。また,大学等が学問の進展や社会の変化に機動的に対応し,組織改編ができるよう,大学が授与している学位の種類と分野を変更しない学部・学科などについては,届出による設置を可能としています。
 大学や学部などが設置された後は,基本的に大学が自主性・自律性を持って教育研究活動を行っていくことになりますが,設置後の質保証の方策として,文部科学省は授業科目の開設状況や教員組織の整備状況など設置計画の履行状況について各大学から報告を求め,調査を実施しています(設置計画履行状況等調査)。調査の結果,特に課題が見られる大学に対しては指摘事項を付し,それを公表することで大学に対して主体的な改善を促しています。また,大きな課題がありながら改善が進まない大学に対しては,認可申請をしても新たな認可をしないことがあり得ることを警告して改善を促す仕組みを設けています。
 認証評価制度は,「学校教育法」に基づいて,国公私の全ての大学,短期大学,高等専門学校に対して,7年以内に1回(専門職大学院は5年以内に1回),文部科学大臣の認証を受けた評価機関(認証評価機関)による第三者評価(認証評価)を受けることを義務付けるものです。認証評価制度は,国による事前規制を弾力化しつつ,大学等の教育研究の質の担保を図るため,設置後の大学等の組織運営や教育研究活動等の状況を定期的に事後確認する体制を整備する観点から導入されたものです。平成31年3月現在で,14の認証評価機関(図表2‐5‐9)が認証評価を実施しています。
 認証評価の基準・方法は各認証評価機関によって異なりますが,認証評価結果に応じて再評価の受審や要改善事項に対する改善報告書の提出を求めるなど,各認証評価機関において各大学等の改善を促す仕組みが設けられています。
 また,平成28年3月には中央教育審議会大学分科会において「認証評価の充実に向けて(審議まとめ)」がまとめられました。この報告書を踏まえ,認証評価機関が評価すべき事項などを定める関係省令を28年3月に改正し,30年度から始まる第3サイクル評価に反映させ,内部質保証(各大学における自主的・自律的な質保証の取組)の確立や大学等の教育の質的転換を促進するような認証評価への発展を図ることを目指しています。
 平成30年度は,大学47校,短期大学3校,高等専門学校6校,法科大学院23専攻,経営系専門職大学院13専攻,会計系専門職大学院6専攻,助産専門職大学院1専攻,臨床心理専門職大学院1専攻,公共政策系専門職大学院2専攻,教職大学院9専攻,情報系専門職大学院1専攻,公衆衛生系専門職大学院大学2専攻,知的財産専門職大学院1専攻,環境・造園系専門職大学院1専攻の認証評価が行われました。この結果はそれぞれの認証評価機関のウェブサイトで公表されています。
 平成29年度より,大学や短期大学においては,「卒業認定・学位授与の方針」(ディプロマ・ポリシー),「教育課程編成・実施の方針」(カリキュラム・ポリシー)及び「入学者受入れの方針」(アドミッション・ポリシー)から成る「三つの方針」を策定・公表することが義務付けられました。
 大学教育の質保証・向上のためには,各大学が,三つの方針に基づいて学生一人一人の能力を伸ばすための教育を組織的に行うと共に,実際に学生が成長しているかを適切に把握・可視化することで,教育の質を点検・評価し,常に見直してゆくという一連の取組,すなわち教学マネジメント(大学がその教育目的を達成するために行う管理運営)を確立することが重要となります。
 大学におけるこのような取組を支援・促進するため,中央教育審議会大学分科会教学マネジメント特別委員会において,「教学マネジメントに係る指針」及び「学修成果の可視化と情報公表の促進」について議論を進めています。
 また,大学は,公共的な教育機関として,社会に対する説明責任を果たすとともに,教育の質を一層向上させることが求められています。平成23年4月から全ての大学は「学校教育法施行規則」に基づき教育研究活動等の状況についての情報を公表することになっています。また,データベースを用いた国公私立の大学の教育情報を公表し活用する共通の仕組みとして,27年3月から「大学ポートレート」を活用した大学情報の社会への公表が進められています。

 図表2‐5‐9 認証評価機関

(2)多様で柔軟な教育体制の構築

 文部科学省では,各大学等が,時代の変化に応じ多様な教育プログラムを迅速かつ柔軟に編成できるよう,本年中を目途に,学部・研究科等の組織の枠を超えた学位プログラムを制度上位置づける予定です。これにより,例えば既存の学部等の組織の枠を超えて,幅広い分野から文理横断的なプログラムを編成し,学位を授与することなどが可能になります。また,大学等が従来以上に社会のニーズを踏まえた質の高い教育を展開できるよう,実務経験を有する者の大学教育への参画を促すため,今後,必要な制度改正等を進めてまいります。
 大学等については,教育内容の充実に資するため,学生が他の大学等において授業科目を履修し,単位を修得した場合等に,一定の範囲内で自大学の単位としてみなし得る旨のいわゆる「単位互換」制度が設けられています。国内大学との単位互換を実施している大学は全体の83.0%(平成27年度)に達していますが,文部科学省としても,単位互換制度が大学間連携の促進や教育改革のためのツールとしてより一層活用されるよう,単位互換に関する基本的な考え方を改めて明示するなど,各大学における適切かつ積極的な運用が行われるよう促してまいります。

(3)大学院教育改革

 文部科学省は,高度な専門的知識と倫理観を基礎に自ら考え行動し,新たな知及びそれに基づく価値を創造し,グローバルに活躍し未来を牽引(けんいん)する「知のプロフェッショナル」を育成するための大学院教育改革を推進しています。平成30年度は,引き続き「第3次大学院教育振興施策要綱」(平成28年3月31日文部科学大臣決定)を踏まえた大学院教育の充実・強化を図るとともに,31年1月には中央教育審議会大学分科会において「2040年を見据えた大学院教育の体質改善~社会や学修者の需要に応える大学院教育の実現~(審議まとめ)」(※3)が取りまとめられました。
 特に,博士課程教育については,広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーを養成するため,産・学・官の参画を得つつ,専門分野の枠を超えて博士課程前期・後期一貫した学位プログラムを構築・展開する大学院教育の抜本的改革を支援する「博士課程教育リーディングプログラム」(※4)を平成23年度から実施し,30年度までに33大学62プログラムを支援しています。
 さらに,平成30年度より,卓越した博士人材を育成するとともに,人材育成・交流及び新たな共同研究が持続的に展開される卓越した拠点を形成するため,各大学が自身の強みを核に,これまでの大学院改革の成果を生かし国内外の大学・研究機関・民間企業等と組織的な連携を行いつつ世界最高水準の教育力・研究力を結集した5年一貫の博士課程教育プログラムを構築することを支援する「卓越大学院プログラム」(※5)を実施し,30年度に15プログラムを採択しました。


  • ※3 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/1412988.htm
  • ※4 https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/hakushikatei/1306945.htm
  • ※5 https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/takuetudaigakuin/index.htm

(4)国立大学改革

 国立大学は,高度な学術研究の推進,計画的な人材育成,地域活性化への貢献や高等教育の機会均等の確保といった重要な役割を果たしています。
 平成16年の国立大学の法人化以降,国立大学においては,それぞれの特色や長所を活(い)かした自主的・自律的な機能強化に向けた取組が進められてきました。昨今の急激な社会経済状況の変化の中で,国立大学に対しては,産業競争力強化・イノベーション創出の拠点としての役割や,地方創生の中核的拠点としての機能の発揮など,我が国の成長と発展への積極的な貢献をしてほしいという社会の大きな期待が寄せられています。
 文部科学省では,平成27年6月に,第3期中期目標期間において,国立大学が期待される役割を果たし,その「知の創出機能」を最大化させていくための改革の方向性を取りまとめた「国立大学経営力戦略」を策定し,改革に取り組む大学に対し,国立大学法人運営費交付金による重点支援を行うとともに,経営力と財務基盤の強化を通じた自己改革を促しているところです。
 これを踏まえ,第3期中期目標期間より,国立大学法人運営費交付金の基盤的経費において「三つの重点支援の枠組み」を創設し,各大学の機能強化の方向性に応じた取組について,評価に基づき,きめ細かく重点支援することとしています。
 令和元年度予算においては,国立大学法人運営費交付金の基盤的経費について,対前年度同額の1兆971億円を計上しており,文部科学省としては,国立大学法人等が我が国の人材養成・学術研究の中核として,継続的・安定的に教育研究活動を実施できるよう,基盤的経費の確保に努めてまいります。
 また,2040年を見据え,人材育成・イノベーション創出を担う国立大学の役割を果たすため,人事給与マネジメント改革,評価・資源配分改革,連携・統合を含めたガバナンス改革の主に3つの改革を進めてまいります。
 人事給与マネジメント改革については,若手教員の活躍機会を創出し,教員の挑戦意欲を向上できるよう,年俸制の完全導入をはじめ,厳格な業績評価やクロスアポイントメント制度等,様々な取組を総合的に促進してまいります。
 評価・資源配分改革については,令和元年度から新しい評価・資源配分の仕組みを導入し,評価のわかりやすさや透明性の向上,各大学の主体的な取組の推進,教育研究の安定性・継続性への配慮のもとで改革インセンティブの向上を図ってまいります。
 ガバナンス改革としては,一法人複数大学制や経営と教学の分離等の選択の可能化,学外理事の複数登用の義務化の措置を行う旨を内容とする法改正案を第198回国会に提出しました。また,経営改革の指針となるガバナンスコードの策定等に協力して取り組んでまいります。
 文部科学省としては,高等教育へのアクセス機会の確保や教育改革・研究力強化と一体的に推進しながら,真に「挑戦」する国立大学の教育研究基盤を強化してまいります。

2 大学入学者選抜の改善

(1)各大学の入学者選抜

 各大学はこれまで,それぞれの教育理念を踏まえ策定した「入学者受入れの方針」(アドミッション・ポリシー)に基づいて,大学教育を受けるにふさわしい能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価するため,面接・小論文などの活用による評価尺度の多元化や,アドミッション・オフィス(AO)入試や推薦入試の導入・拡大といった入試方法の多様化を進めてきました。一方,一部のAO入試や推薦入試においては,学力の把握が十分に行われていないのではないか,早期合格によって高校生の学習意欲の低下を招いているのではないかといった指摘もあります。このため,文部科学省は,毎年,どのような入試方法であっても,学力検査や調査書の利用によって学力を把握したり,大学自らが作成した試験だけではなく資格・検定試験等を積極的に活用したりすることなどを通知し,入試方法の改善を促しています(平成30年6月4日付け高等教育局長通知「平成31年度大学入学者選抜実施要項」)。

(2)大学入試センター試験

 大学入試センター試験は,大学入学志願者の高等学校段階における基礎的な学習の達成度を判定するため,各大学が大学入試センターと共同して平成2年度入試から実施している試験です。31年度入試において大学入試センター試験に参加している大学は703大学,149短期大学で,約58万人の入学志願者(全入学志願者の約8割)が受験しており,非常に大規模な試験として発展しています。

(3)大学入学共通テスト

 令和2年度から開始する「大学入学共通テスト」では,「国語」と「数学I」「数学I・A」での記述式問題を導入します。平成30年度は,「大学入学共通テスト」の実施に向けて,大学入試センターが30年11月10日(土曜日)及び11日(日曜日)に,主に全国の大学を会場として試行調査(プレテスト)を実施しました。29年度の高校を会場とした試行調査での記述式問題及びマークシート式問題の検証に加え,試験の実施運営等も含めた総合的な検証を行うことを目的としたものです。今後,試行調査の分析・検証を行い,試験を円滑に行うための取組を進めてまいります。
 また,大学入学者選抜において英語の「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を適切に評価するため,大学入学共通テストの枠組みにおいて,現に民間事業者等により広く実施され,一定の評価が定着している資格・検定試験を活用することとしており,平成30年3月には,必要な要件を満たした7団体・23試験を大学入試センターが確認・公表しました。30年度は,実施時期・回数について高校3年の4月から12月の2回までの活用を原則としつつ,負担を軽減すべき特別な理由がある受験生については一定の条件のもと例外措置を設けること等を定めた,「大学入学共通テスト実施方針(追加分)」を30年8月に策定・公表しました。さらに,制度の適切な運用がなされるよう,同年12月に大学入学者選抜における英語の4技能評価に関係する団体及び試験実施団体等によるワーキンググループを設置し,準備の進捗状況の共有と必要な事項についての意見交換を行っているところです。なお,経済的な負担への配慮については,政府方針における低所得者層の進学を支援する給付型奨学金の中に「大学等の受験料」が含まれているほか,30年5月~9月に「『大学入試英語成績提供システム』参加試験ニーズ調査」の回答を全国の高校に依頼し,その具体的な受験ニーズの調査結果も踏まえ,会場の追加や検定料の低減について試験実施団体に求めているところです。

(4)医学部医学科における不適切入試を受けた対応等について

 一部の大学の医学部医学科の入学者選抜において,不適切な取扱いが明らかになったことを受けて,文部科学省では医学部医学科を置く全ての国公私立大学の入学者選抜について緊急調査を行った結果,複数の大学において不適切な事案が判明し,平成30年12月14日には,「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査最終まとめ」を公表しました。
 また,不適切な事案を認めた各大学において,過年度の受験生に対する救済措置の影響で平成31年度入試において募集人員が減員され,受験生に影響が生じたことから,教育環境が確保されることを条件に追加合格による募集人員の減員を緩和することを臨時的に認めることとしました。その結果,対象となる全ての大学で本臨時的な措置を活用する意向である旨公表されました。また医学部医学科のみならず,他の学部学科を含めた公正な大学入学者の選抜の在り方について検討するため,大学関係者や法曹関係者等からなる「大学入学者選抜の公正確保等に関する有識者会議」を設置し,検討を開始しました。

3 地域・社会に開かれた高等教育

(1)地域社会の核となる高等教育機関の推進等

 文部科学省では,第2期教育振興基本計画を踏まえ,地域の高等教育機関が地域との相互交流を促進し,地域から信頼される地域コミュニティの中核的存在(COC:Center of Community)になるよう,地方公共団体と連携して地域課題の解決に取り組む大学・短期大学・高等専門学校(以下,「大学等」という。)を支援する「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」を平成25年度から実施してきました。それを発展的に見直し,27年度から,複数の大学等が,地域活性化を担う地方公共団体のみならず,人材を受け入れる地域の企業,地域活性化を目的に活動するNPO法人や民間団体等と事業協働機関を形成し,それぞれが強みを活(い)かして雇用創出や学卒者の地元定着率向上に取り組む事業を支援する「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」を実施しています(30年度支援件数:42件〔参画する大学等数:278〕)。
 また,今後18歳人口が全国的に大幅に減少すると見込まれる中,東京23区の大学等の学生の収容定員増が進むと,東京一極集中の加速化や,地方大学の経営悪化による撤退等に伴う地域間での高等教育の就学機会の格差拡大が懸念されるため,平成30(2018)年5月に,「地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律」が成立しました。本法律においては,地域における大学振興・若者雇用創出のための交付金制度や地域における若者の雇用機会の創出等の措置と併せて,特定地域(東京23区)内の大学等の学生の収容定員の抑制について規定されています。

(2)高等教育機関におけるリカレント教育の充実

 我が国の産業構造の急速な変化やグローバル化の進展に対応するためには,社会に出た後も知識・技能を不断に刷新していくことが重要です。さらに,女性が子育てから職場に復帰する場合など,ライフステージに対応した活躍促進のためにも,大学等におけるリカレント教育への期待はますます高まっています。
 一方で,こうした期待に応えるためには,社会人や企業・産業界にとってより魅力的なリカレントプログラムの提供や受講料の負担軽減も含め受講しやすい環境の整備等の課題もあります。
 こうした背景の中で,平成30年11月に取りまとめられた中央教育審議会答申「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」では,これまでの社会人向けプログラムの活用の状況を産業界や地方公共団体とともに検証しつつ,より短期の実践的・専門的なプログラムの認定制度の創設に向けて「履修証明制度」(主に社会人を対象とする正規の課程以外の教育プログラムのうち,一定の要件を満たすもの(履修証明プログラム)について,修了者に対して,学校教育法に基づく「履修証明書」を交付できる制度)の見直しを行うとともに,社会人の多様な学修形態に対応するための単位累積加算制度(複数の高等教育機関で随時取得した単位を累積して加算し,一定の要件を満たした場合,大学卒業の資格を認定し,学位を授与する制度)や,場所や時間を問わずプログラムを受講できるよう放送大学や通信教育,MOOC等の活用について検討を進めること等が盛り込まれています。
 あわせて,高等教育機関でのリカレント教育の更なる充実・拡大に向けて,産業界や地方公共団体等と緊密に連携した実践的・専門的なプログラムの開発や,リカレント教育に携わる関係者による高等教育機関での学びへの積極的な支援,企業において採用時や処遇に際してリカレントプログラムの学修成果の適正な評価の必要性が指摘されています。こうしたことを踏まえ,文部科学省は,履修証明制度について,平成31年1月に,学校教育法施行規則の改正を行い,最低時間数を「120時間以上」から「60時間」以上とし,より短期のプログラムについても「職業実践力育成プログラム」(※6)(BP)の認定対象となりました。
 更に,今後は,Society 5.0時代に対応するため,産学が連携し,社会人学び直しプログラムを含む実践的な教育とそれらを支える実務家教員を育成・活用するシステムを構築することで,人材不足が深刻化しているサイバーセキュリティ人材やデータサイエンティスト等の情報技術人材など我が国の成長を牽引する人材の育成を促進していきます。


  • ※6 照:第2部第3章第1節

第4節 グローバル人材育成と大学の国際化

1 双方向の留学生交流の推進

 社会や経済のグローバル化が進展する我が国においては,優秀な外国人留学生を獲得し我が国の成長に生かすことや,個々の能力を高めグローバル化した社会で活躍する人材を育成することが喫緊の課題となっています。
 外国人留学生の数は,日本学生支援機構の調べでは,平成30年5月1日時点で前年の26万7,042人から3万1,938人増の29万8,980人になっています。また,海外に留学した日本人の数は,文部科学省の集計では,前年比1,293人増の5万5,969人となりましたが,留学期間がおおむね1年以内の短期留学についても把握している日本学生支援機構の調査では,日本人の留学生数は増加しており,29年度は前年比8,448人増の10万5,301人でした(大学等が把握している日本人学生の海外留学状況を,日本学生支援機構が調査)。政府は,「日本再興戦略―JAPAN is BACK―」(平成25年6月14日閣議決定)及び「第3期教育振興基本計画」(平成30年6月15日閣議決定)において,2020(令和2)年までに日本人留学生を2010(平成22)年の6万人から12万人に倍増し,外国人留学生についても「留学生30万人計画」の実現を目指して2012(平成24)年の14万人から2020(令和2)年までに30万人に倍増することを目指しています。
 これらの目標の実現に向け,文部科学省は,留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」を推進して若者の海外留学への機運の醸成を図るとともに,企業等の協力を得た「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の展開や国費による海外留学支援制度の充実によって,学生等の経済的な負担の軽減等に取り組んでいます。
 一方,優秀な外国人留学生を確保し,内なる国際化を図る「留学生30万人計画」の実現に向け,海外での日本留学の魅力発信を強化するための日本留学サポート体制の構築,産学官の協力の下,日本国内での就職を促進するための教育プログラムの構築等の受入れ環境充実のための支援を推進しています。

2 大学の国際化

 国際的に活躍することができるグローバル人材の育成を担う中核として,我が国の大学には,教育・研究環境の国際化や学生の双方向交流など国際化の推進が強く求められています。
 文部科学省は,平成26年度から我が国の高等教育の国際通用性と国際競争力の向上を図るため,「スーパーグローバル大学創成支援事業」を実施しており,海外の卓越した大学との連携や大学改革によって徹底した国際化を進める37大学を採択し支援しています。また,本事業における優れた取組を広く発信する基幹ウェブサイトを立ち上げるなどして,採択校のみならず日本全国の大学へ,本事業の実施で得た成果の共有を図っています(※7)。
 一方,国外に目を向けると,世界的に学生の流動性が高まり人材の獲得競争が激しさを増す中,質の保証に関する国際的な高等教育の連携枠組みの形成が活発化しています。我が国がより多くの優秀な学生を確保するためには,このような取組において主導的な役割を発揮していくことが重要です。
 平成23年度に開始した「大学の世界展開力強化事業」においては,我が国にとって戦略的に重要な国・地域を対象とし,単位の相互認定等,質保証を伴う国際教育連携の取組を支援しています。30年度には,米国の大学とのオンライン国際協働学習(COIL)方式に基づく大学間交流を行うプログラム10件を新たに採択しました。また,今後のアジアにおける高等教育圏の形成を見据え,日中韓三国間で質の高い大学間交流を行う「キャンパス・アジア」等を推進しています。
 ASEAN+3の政府間の枠組みでも,質保証を伴う学生交流の促進に取り組んでいます。具体的には,平成24年にインドネシアで開催された第1回ASEAN+3教育大臣会合にて,我が国は「ASEAN+3高等教育の流動性・質保証に関するワーキング・グループ」を設置することを提案しました。以降毎年,各国政府の高等教育行政官によるワーキング・グループ会合を開催しており,これまでの成果として,28年5月の第3回ASEAN+3教育大臣会合では,「学生交流と流動性に関するガイドライン」(※8)が,30年11月の第4回ASEAN+3教育大臣会合では,「留学生の学修履歴のための成績証明書及び補足資料に関するガイドライン」が承認されています。今後は,学生流動性のモニタリングを行うと同時に,流動性向上のための情報発信について,議論を行っていく予定です。
 さらに,平成29年12月,我が国は,ユネスコの枠組みの下で採択された「高等教育の資格の承認に関するアジア太平洋地域規約」を締結しました。同規約は30年2月に発効し,我が国における外国人留学生や我が国からの海外留学の増加等,国境を越えた学生交流の推進,さらには,アジア太平洋地域における高等教育の質の更なる改善が期待されます。本規約の円滑な実施の一助とするため,文部科学省は30年5月に,国内の高等教育機関向けに「高等教育の資格の承認に関するガイドライン~高等教育の資格の承認に関するアジア太平洋地域規約~」(※9)を策定しました。


  • ※7 https://tgu.mext.go.jp
  • ※8 https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shitu/1379612
  • ※9 https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shitu/1404607

第5節 専門人材の育成

1 医療系人材の養成

 高齢化に伴う医療ニーズ(需要)の高まりなどを受け,81の医学部,29の歯学部,75の薬学部,276の看護学部学科等のほか,多くの大学において医療系人材の養成が進められています。文部科学省では,各大学と協力しながら,質の高い医療系人材を養成するための様々な取組を進めています。

(1)医師確保への対応

 地域の医師確保等の観点から,厚生労働省と連携して,医学部の入学定員について平成20年度から増員を行っています。令和元年度は,地域枠(医師が不足すると見込まれる地域の病院等に将来勤務しようとする学生に対する修学資金の貸与等を条件として設定する定員)による増加を含め,全国の医学部の入学定員は計9,420人となりました。

(2)医学教育の改善・充実

 各大学では,医学生が卒業までに身に付けておくべき必須の実践的能力の学修目標を提示した「医学教育
 モデル・コア・カリキュラム」を踏まえつつ,特色ある教育が実施されています。

 モデル・コア・カリキュラムは,多様なニーズに対応できる医師の養成を図る観点から,平成29年3月に改訂を行い,30年度から改訂後のモデル・コア・カリキュラムに基づく教育が開始されています。また,大学関係者が中心となり,医学生の臨床能力の向上を図る観点から,診療参加型臨床実習の充実に向けた取組が進められているほか,国際的な動向を踏まえた医学教育の質保証のため,医学部を持つ全大学を対象とする分野別評価も進められています。

 医学部医学科の診療参加型臨床実習(身体診療)の様子(写真提供:京都大学)
 医学部医学科の診療参加型臨床実習(身体診療)の様子(写真提供:京都大学)

(3)歯学教育の改善・充実

 医学教育と同様に,各大学では,「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」を踏まえつつ,特色ある教育が実施されています。
 モデル・コア・カリキュラムは,平成29年3月,「医学教育モデル・コア・カリキュラム」と同時に改訂を行い,30年度から改訂後のモデル・コア・カリキュラムに基づく教育が開始されています。
 また,大学関係者が中心となり,歯科医学生の臨床能力の向上を図る観点から,診療参加型臨床実習の充実に向けた取組が進められているほか,国際的な動向を踏まえた歯学教育の質保証のため,歯学部を持つ全大学を対象とする分野別評価の本格実施に向けた取組も進められています。

(4)薬学教育の改善・充実

 医療人としての薬剤師を養成するため,「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に沿った教育の確実な定着に向け,学習成果基盤型教育の推進や実務実習の充実に取り組んでいます。また,6年制の薬学部薬学科に直結する大学院として平成24年4月からスタートした大学院4年制博士課程の自己点検・評価の促進や質の高い入学者の確保など,薬学教育の更なる充実を図るための,フォローアップを行っています。
 さらに,大学関係者が中心となり,全大学を対象とした分野別評価など薬学教育の質を保証する取組も進められています。

(5)看護師等医療技術者教育の改善・充実

 看護師など医療技術者の養成において質の高い医療技術者,教育者,研究者を養成することを目的とした大学・大学院が増えており,大学が養成する人材に期待が寄せられています。
 一方,看護系大学の急増に伴い,教育の質の確保が課題になっています。このため,大学の学士課程における看護学教育の水準の維持向上に資するよう,各大学のカリキュラム作成の参考として,学生が卒業時までに身に付けておくべき必須の看護実践能力修得のための具体的学修目標を提示した「看護学教育モデル・コア・カリキュラム」を平成29年10月に策定・公表しました。これを受けて,各大学において,モデル・コア・カリキュラムを活用した教育の実施に向けた取組が進められています。

(6)大学附属病院の機能強化

 医療の高度化や超高齢社会等による疾病構造の変化に対応していくためには,大学及び大学附属病院において,大学卒業前(卒前)・卒業後(卒後)を通じて高度医療を支える人材の養成及び新しい医療技術の開発等を担う人材の養成を推進するとともに,地域医療の最後の砦(とりで)である大学附属病院の機能を医療安全の確立に努めながら,強化することが必要です。
 このため,平成30年度は,我が国が抱える医療現場の諸課題等に対して科学的根拠に基づいた医療が提供できる優れた医療人材の養成を行う事業を支援する「課題解決型高度医療人材養成プログラム」を実施し,急速な医療ニーズ(需要)の変化に対応できる次世代医療人材の養成を推進しています。
 また,社会が求める優れた医療人養成のための教育や先進医療技術に関する研究開発等に積極的に取り組む国立大学附属病院に対して,教育研究環境の整備及び実施体制基盤の強化に関する支援を行っています。

(7)がん医療の取組

 文部科学省では,「がん対策基本法」に基づく「第3期がん対策推進基本計画」(平成30年3月9日閣議決定)を実現するため,「多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)養成プラン」を実施し,がん医療に携わる専門的な医療従事者の育成に取り組んでいます。

(8)死因究明等に係る人材養成の取組

 文部科学省では,「死因究明等推進計画」(平成26年6月13日閣議決定)を踏まえ,死因究明等に関する教育及び研究の拠点の整備等を通じた各大学における死因究明等に関する人材養成の取組を支援しています。

2 専門職大学院

 平成15年度に創設された専門職大学院(専門職学位課程)は,大学院のうち特に高度専門職業人を養成することを目的とし,理論と実務を架橋する実践的な教育を行う課程です。具体的には,教員組織としては一定割合以上を実務家教員とすること,教育内容としては事例研究や現地調査を中心に,双方向・多方向に行われる討論や質疑応答等を授業の基本とすること,教育の質保証のための方策としては教育研究活動の状況についての認証評価を5年以内ごとに受審することを義務付けること,といった内容を制度的に位置付けている課程です。平成30年5月現在で,法曹養成(法科大学院),教員養成(教職大学院),MBA(ビジネス)・MOT(技術経営),会計,公共政策,公衆衛生,臨床心理等といった多様な分野で計169専攻が設置されています。特に社会人学生の比率が約50%であり,社会人教育の推進に一定の成果を上げてきました。
 平成30年3月には,社会(「出口」)との連携強化のため,産業界等の意見を教育課程等に反映する教育課程連携協議会の設置に関する制度改正を行ったほか,専門職大学院と学部等との連携強化等のため,専門職学位課程の専任教員の一定数が学部の専任教員を兼ねることができる等の制度改正を行いました。
 また,経営系専門職大学院を始めとする経営系大学院と産業界等の相互の協力を促進し,我が国の経営系大学院の高度専門職業人養成の機能強化の在り方を議論するため,「経営系大学院機能強化検討協力者会議」を設置し,検討を行っており,今後,その結果をとりまとめる予定です。

(1)法科大学院

 法科大学院は,司法試験,司法修習と有機的に連携した専門職大学院として,平成16年度に創設されました。「プロセス」としての法曹養成制度の中核的な機関として,質・量共に豊かな法曹を養成することが期待され,これまで,法曹をはじめ企業や公務部門など社会の様々な分野に修了者を輩出しています。
 一方,法科大学院全体としての司法試験合格率や,法曹有資格者の活動の場の広がりなどが,制度創設当初に期待されていた状況と異なるものとなり,法曹志望者の減少を招来する事態となっています。これらの課題に法科大学院教育の面から対応するために,「法曹養成制度改革の更なる推進について」(平成27年6月30日法曹養成制度改革推進会議決定)において示された具体的方策に基づき,平成30年度までを集中改革期間と位置づけ,法科大学院改革の取組を進めてきました。
 「法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム」では,メリハリのある予算配分を行い,トップ・ロースクールの連携による法科大学院の魅力向上,法学未修者教育の充実,飛び入学や早期卒業制度の活用による時間的負担の軽減など,優れた先導的な取組を積極的に支援してきました。同プログラムについては,これらの成果を踏まえつつ,各法科大学院の教育理念や抱える課題,強み等の特徴に応じた中長期的な改革を促すため,各法科大学院の今後5年間の構想とその進捗状況を評価する仕組みへと見直しました。また,平成26年度から試行を進めてきた,法科大学院が共通して客観的かつ厳格に進級判定を行う仕組みである「共通到達度確認試験」について,令和元年度から本格実施へと移行します。中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会は,法曹志望者を増やし,法科大学院教育によって社会に有為な人材として輩出できるよう,法科大学院と法学部との連携強化や,法学未修者教育の質の改善等について,平成30年3月に「法科大学院等の抜本的な教育の改善・充実に向けた基本的な方向性」をとりまとめました。さらに,この基本的な方向性を踏まえ,中央教育審議会大学分科会において,同年10月に法科大学院改革の具体的な制度改革案がとりまとめられ,平成31年1月には中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会の「『法曹コース』に関する考え方」が示されました。
 これらを踏まえ,1.法科大学院教育の充実,2.法学部3年間(法曹コース)の学修により法科大学院2年コースへ接続する「3+2」の制度化と法科大学院在学中の司法試験受験資格導入による法曹志望者の時間的・経済的負担の軽減,3.法科大学院の定員管理による予測可能性の高い法曹養成制度の実現を図るため,「法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律」案を国会に提出し,令和元年6月19日に成立しました。また,法案の提出とともに,法科大学院制度創設時のプロセス養成の理念を堅持し,法科大学院を中心に次代を担う優れた法曹を養成するため,「法科大学院を中核とする法曹養成制度改革の全体像―改革プラン―」を策定し,法科大学院を中核とする法曹養成制度の再構築を推進することとしています。
 令和2年度からは,法律に基づき,法学部等において,早期卒業を前提として法科大学院教育と一貫した教育を行う「法曹コース」の開設が可能となり,令和5年の司法試験からは,法科大学院在学中の司法試験受験資格に基づく司法試験の受験が可能となります。

(2)教職大学院

 教職大学院は,新しい学校づくりの有力な一員となり得る新人教員の養成と,地域や学校における指導的役割を果たし得る教員等として不可欠な確かな指導理論と優れた実践力・応用力を備えたスクールリーダーとなるような現職教員の養成を目指して設立されました。平成30年4月現在,46都道府県に54大学が設置されています。
 教職大学院は,学校や教育委員会との連携・協働によって,教職経験のある実務家教員の配置や学校現場における長期の実習など,学校や教育委員会のニーズ(要請)に即した体系的な教育課程を特色としており,新たな学びを展開できる実践的な指導力を持った教員を養成しています。また,教育委員会による現職教員の教職大学院への派遣数が増加傾向にあることや,現職教員学生を除く平成30年3月修了者の教員就職率が約94%と高いことなど,着実な成果を上げています。
 文部科学省では,平成29年8月29日に取りまとめられた「教員需要の減少期における教員養成・研修機能の強化に向けて―国立教員養成大学・学部,大学院,附属学校の改革に関する有識者会議報告書―」などを踏まえ,ほぼ全都道府県に設置された教職大学院が学校教育全体の知の拠点となるよう,更なる教育内容の改善・充実及び多様化・特色化を目指した取組を推進しています。

3 専門職大学

 専門職大学は,質の高い実践的な職業教育を行い,専門職業人を養成する新たな類型の大学であり,教育課程が4年制の「専門職大学」,2年制または3年制の「専門職短期大学」,専門職大学制度の趣旨を活(い)かし,既存の大学・短期大学の一部の組織に設置する「専門職学科」があります。
 平成26年7月の教育再生実行会議において,我が国の職業教育を充実すると共に,質の高い実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化が提言されました。その後,中央教育審議会等における具体的な制度設計の検討を経て,平成29年5月に成立した「学校教育法の一部を改正する法律」により,大学制度に位置づけられる新たな高等教育機関として専門職大学及び専門職短期大学が創設されました。(平成31年4月1日施行)。また,30年1月に大学設置基準等を改正し,既存の大学・短期大学の一部において専門職大学制度の趣旨を活(い)かした組織を設置することを可能としています。
 専門職大学等では,産業界や地域社会と連携する他,卒業単位の概ね3分の1を実習とすることや長期の企業内実習等により,理論と実践の両方をバランスよく学修する教育課程を設ける制度としています。これらにより,我が国の産業構造の変化が今後見込まれる中,成長分野において活躍する人材や地域社会の担い手となる人材の養成を目指しています。平成31年4月には,専門職大学2校,専門職短期大学1校が開学しました。

4 高等専門学校

 高等専門学校は,5年一貫の専門的・実践的な技術者教育を特徴とする高等教育機関として,全国に57校が設置されています。就職志望者の就職率は毎年100%近く,産業界のニーズを捉えた人材を養成しています(図表2‐5‐10)。近年は,工業化による経済発展を進める国を中心に,高等専門学校教育における15歳という早期からの専門人材育成が高く評価されています。そのため,国立高等専門学校機構は,各国のニーズを踏まえた技術者教育の充実に向けて,教育カリキュラムの開発や教員研修などの支援を進めています。これまでに,現地教育機関等との連携拠点となる事務所をモンゴル,タイ,ベトナムに設置し,支援体制の強化を図っています。

 図表2‐5‐10 高等専門学校本科卒業者の進路状況の推移

5 専門学校の現状と最近の施策

(1)専門学校の現状

 専修学校は,社会の変化に即応した実践的な職業教育,専門的な技術教育等を行う教育機関として発展してきました。特に,高等学校卒業程度を入学対象とする専門課程(専門学校)の生徒数は,平成30年5月現在約59万人で,18歳人口の22.7%が進学しており,我が国の高等教育の多様化・個性化を図る上で重要な役割を果たしています。

(2)最近の施策

 企業等との連携により,実践的な職業教育の質の確保に組織的に取り組む専修学校の専門課程を文部科学大臣が「職業実践専門課程」として認定する仕組みを平成26年度から開始しています(30年3月現在:994校2,986学科)。また,30年度には社会人が受講しやすい工夫や企業等との連携がされた実践的・専門的なプログラムを文部科学大臣が「キャリア形成促進プログラム」として認定する制度が創設されました(31年1月現在:10校12学科)。さらに,専門学校等における地域の中核的人材養成に向けた産学官連携の取組等に対する支援に取り組んでいます。

お問合せ先

総合教育政策局政策課

-- 登録:令和元年11月 --