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第3節 国民一人一人の多様な学習活動の機会の拡大に向けて

 文部科学省においては,社会構造の変化や技術の進歩の中で,専門的な知識と同時に多様な知識を備えるような個人としての資質・能力の向上や,個人の特性に応じた的確な学習機会の充実のため,ITを活用した学習を振興しています。また,高等教育機関などにおけるeラーニングをはじめとするITを活用した教育の普及・促進などにより,社会人を含めた学生への継続的な教育機会の提供を図っています。

1.豊かな生涯学習社会の構築

 文部科学省では,国民一人一人がいつでもどこでも学習に取り組む機会を得て,その成果が適切に評価されるような環境づくりを目指しています。その実現に向けては,ITの活用に大きな期待が寄せられており,「IT新改革戦略」などを踏まえ,ITを活用した学習機会の提供を推進しています。

(1)ITの活用による多様な教育・学習機会の提供

 文部科学省では,これまで衛星通信を利用した「エル・ネット(教育情報衛星通信ネットワーク)」により,教育,科学技術・学術,文化,スポーツに関する情報を,全国の社会教育施設や教育センターなど約2,000か所(平成19年7月末現在)の受信局に発信してきました。
 このシステムにより,文部科学省の教育施策について説明を行う所管事項説明会や各種会議,教員や社会教育主事などの指導者を対象とした研修・講習会,さらに,一流のスポーツ選手や科学者たちと全国の子どもたちが画面を通じて直接話したり,ものづくり教室などを全国の受信局で一緒に体験できる番組「子ども放送局」,家庭教育や科学技術などに関する講演会のほか,地域における特色のある取組の紹介や研究発表会などが放映されることにより,各年代の多様な層に衛星通信というITを活用した学習機会を提供してきました。平成20年度からは近年の情報通信技術の進展を踏まえ,インターネットを利用したシステムへの移行を行うこととしており,引き続きITを活用した多様な教育・学習機会の提供に努めていきます。

(2)放送大学の充実・整備

 昨今の地上放送のデジタル化の流れを踏まえ,放送大学においても平成18年12月から地上デジタルテレビ放送を開始し,ハイビジョン放送や多チャンネル放送(マルチ編成),データ放送などの機能を生かした授業番組の制作などに取り組んでいます(参照:第2部第1章第5節2(1))。

(3)メディアを活用した学習機会の提供

 文部科学省では,平成16年度から,教育上の社会的問題に対応し,新たな教育的価値を創造するために,地域とのかかわりや職業意識など,現代的課題に対応した生涯学習テレビ番組「いきいき! 夢キラリ」を制作・放送しています(民放33局のネットワーク,参照:http://www.minkyo.or.jp/(※民間放送教育協会ホームページへリンク))。また,教育上価値が高く,学校教育又は社会教育に広く利用されることが適当と認められる映画その他の映像作品及び紙芝居を文部科学省選定とし,そのうち,特にすぐれたものは文部科学省特別選定として普及・促進に努めています(参照:https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/movie/main9_a1.htm(※教育映像等審査制度へリンク))(図表2−11−6)。

図表2−11−6 平成19年度文部科学省特別選定作品一覧(平成20年2月6日現在)

一般劇映画
作品名 種別 対象 選定日
しゃべれども しゃべれども 映画 少年・青年・成人・家庭向き 5月10日
河童のクゥと夏休み 映画 家庭向き 5月22日
夕凪の街 桜の国 映画 青年・成人・家庭向き 6月7日
この道は母へとつづく ITALIANETZ 映画 青年・成人向き 8月27日
サラエボの花(Grbavica) 映画 青年・成人向き 10月1日
明日への遺言 映画 青年・成人向き 11月6日
潜水服は蝶の夢を見る(Le scaphandre et le papillon) 映画 青年・成人向き 2月6日
学校教育教材・社会教育教材
作品名 種別 対象 選定日
くねくね ゆらゆら 紙芝居 幼稚園
幼児向き
6月7日
海の恵みと日本人シリーズ エビ ビデオテープ 高等学校 6月7日
新・あつい壁 映画 青年・成人向き 6月19日
藤城清治 影絵劇「銀河鉄道の夜」 DVD 小学校(中・高学年)
中学校
高等学校
少年・青年・成人向き
7月23日
柊の向こう側 −ハンセン病患者・回復者の歩み DVD 高等学校
青年・成人向き
2月4日

(4)eラーニングによる人材育成支援(草の根eラーニング・システム)

 平成17年度から18年度にかけて,関係省が連携・協力して「eラーニングによる人材育成支援モデル事業」を実施,フリーターや若年人材などが,いつでも,どこでも,だれでも手軽に学び直しや,職業能力の向上ができる学習支援システムを構築し,職業能力向上コンテンツなど26のeラーニングコースをインターネット上に提供することにより人材育成の支援を行っています(参照:http://kusanone.nime.ac.jp(※草の根eラーニングホームページへリンク))。

2.高等教育におけるITの導入活用と環境の整備

 近年のITの発展により,インターネットなどの新しい技術を活用することで,大学等の授業内容の多様化・高度化や授業時間外の学習支援の更なる充実が期待されており,教育内容・方法の改善・充実をはじめとする様々な改革が進められています。

(1)高等教育機関における取組

 情報通信技術の進展に伴い,インターネットなどの高度なメディアを活用した教育の取組を行う大学などが増えてきています。例えば,複数の大学や分散されたキャンパスの間での合同授業や各種シンポジウムの実施や,時間的・地理的な制約を受けずに授業が受けられるeラーニングなども行われつつあります。さらに,インターネットを通じて学習情報を提供したり,電子メールや携帯電話での質疑応答を行ったりする大学なども増えてきています。
 また,平成16年度から,「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」を実施し,その公募テーマの一つに「ICT活用教育(16年度〜18年度まではeラーニング)」に関するテーマを設定し,大学,短期大学,高等専門学校の取組を支援しています。このプログラムでは,各種審議会からの提言などを踏まえ,社会的要請の強い政策課題に対応したテーマを設定し,各大学などから申請された取組の中から優れたものを選定し,支援するとともに,広く社会に情報提供を行っています。本プログラムを活用することなどにより,大学等において高等教育の充実に役立つ優れた取組が進められています。

(2)ITの活用を促進するための取組

 メディア教育開発センターでは,大学,短期大学及び高等専門学校における多様なメディアを高度に利用して行う教育の内容・方法等の研究及び開発やその成果の普及などを行い,高等教育の発展に資するITなどを活用した教育の普及・促進に努めています。
 特に,大学等で導入や普及が進んでいるeラーニングなどのITを活用する教育に関するシステム基盤技術の研究開発,教育用コンテンツの流通・促進のための基盤の整備,コンテンツ開発と提供,ITを活用する教育に関する調査研究,研修やセミナーなどに積極的に取り組んでいます。
 具体的には,大学等のeラーニングコースやオープン・コース・ウエア(OCW:Open CourseWare)(注1)等の教育用コンテンツを横断的に検索できる能力開発学習ゲートウェイ(NIME-glad)(参照:http://nime-glad.nime.ac.jp/index.php(※NIME-glad 能力開発 学習ゲートウェイ(学習ポータル)ホームページへリンク))の機能の拡充や国際連携の強化を図るとともに,学習支援のためのラーニング・マネジメント・システム(LMS)の開発を行い,大学等のIT活用教育の支援を行っています。また,大学生の能力開発の向上に資するため,リメディアル教育(注2)用コンテンツや電子回路設計技術など大学卒業生に求められる能力を自己点検できるコンテンツの開発と提供を行っています。さらに,国内外の大学などにおけるIT活用教育の実態調査・分析やIT活用教育に関する著作権の研究開発を行うとともに,IT活用教育のための人材育成に資する研修,セミナー及びフォーラムを開催しています。
 このほかにも,私学助成によって,インターネットを活用したサイバーキャンパス整備事業を推進するとともに,マルチメディア装置や学内LAN(学内ネットワーク)の整備など,私立大学等における高度情報化への各種の取組に関する支援を行っています。

  • (注1)OCW(オープンコースウェア)
     大学等の授業の講議ノート,テスト問題等をインターネットで提供する仕組み。マサチューセッツ工科大学(MIT)が最初に開発して注目を集め,世界中の多くの大学から提供され始めている。
  • (注2)リメディアル教育
     大学入学前に習得しているはずの科目やその学習内容について大学入学後に補習すること。

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