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第1節 生涯学習の意義と推進体制の整備

1.生涯学習の意義

 「生涯学習」とは,一般には,人々が生涯に行うあらゆる学習,すなわち,学校教育,家庭教育,社会教育,文化活動,スポーツ活動,レクリエーション活動,ボランティア活動,企業内教育,趣味など様々な場や機会において行う学習の意味で用いられます。また,生涯学習社会を目指そうという考え方・理念自体を表していることもあります。改正された教育基本法にも,新たに生涯学習の理念が明記され,生涯学習社会の実現を図ることが求められています(第3条)。
 こうした生涯学習社会の構築が必要な理由としては,これまで次のような点が指摘されてきました。
 第一は,社会・経済の変化に対応するため,人々は絶えず新しい知識や技術の習得を迫られていることです。これらの学習需要に的確に対応し,生涯学習の基盤を整備することは,学習者自身の技能・経歴の向上のほか,社会制度の基盤である人材育成にもつながり,社会・経済の発展に寄与することが期待されます。
 第二は,自由時間の増大などの社会の成熟化に伴い,心の豊かさや生きがいのための学習需要が増大していることです。これらの学習需要にこたえるための生涯学習の基盤を整備することは,学習者の自己実現のみならず,地域社会の活性化,高齢者の社会参加・青少年の健全育成など,社会全体にとっても有意義です。
 第三は,生涯学習の基盤を整備し,学歴だけでなく様々な「学習の成果」が適切に評価される社会を築いていくことは,これまで進められてきている教育改革の課題の一つである学歴社会の弊害の是正にもつながるということです。

2.生涯学習推進体制の整備

 生涯学習社会を実現するための取組は,文部科学省や教育委員会だけではなく,様々な主体によって多様な形態で行われています。そのため,生涯学習に関係する機関・団体間の連携・協力体制を構築することが重要です。

(1)文部科学省における取組

 文部科学省では,生涯学習政策局を設置しており,中央教育審議会には生涯学習の推進に関する重要事項の調査審議を行う生涯学習分科会が置かれています。また,民間における生涯学習推進のための取組を支援する窓口として,生涯学習政策局に「民間教育事業振興室」を設置しています。さらに,教育・文化及びスポーツの振興による市町村等の地域づくりを支援するため,生涯学習政策局に「地域づくり支援室」を設置しています。
 このほか,生涯学習推進のための情報提供として,生涯学習の総合情報誌「マナビィ」の刊行,生涯学習の推進のための市町村などの取組事例の収集・紹介,調査研究の実施・周知などを行っています。都道府県教育委員会や民間社会教育団体,NPO,経済団体などとの定期的な協議や意見交換の場を持つなどの取組も行っています。

(2)地方公共団体における取組

1行政組織などの整備状況

 すべての都道府県に生涯学習担当部課が設置されているとともに,平成19年6月現在,37の都道府県に,生涯学習の総合的な推進に関する重要事項を審議するための生涯学習審議会が設置されています。また,ほとんどの市町村に生涯学習担当部課が設置されています。

2生涯学習振興計画

 平成19年6月現在,44の都道府県が,生涯学習振興のための中長期的な基本計画や基本構想を策定しています。また,1,030市町村が基本計画や基本構想を策定しています。さらに,市町村の中には,「生涯学習のまち」などの都市宣言を行って生涯学習の振興に努めているところもあり,その数は19年6月現在,89市町村となっています。

3生涯学習推進センター

 都道府県等の生涯学習を推進するための中心機関として,学習情報の提供や学習相談,学習需要の把握,学習プログラムの開発を行うことなどを目的とする「生涯学習推進センター」が設置されています。平成19年6月現在,都道府県の施設は48施設となっています。

4全国生涯学習市町村協議会

 平成11年11月に,生涯学習によるまちづくりに取り組む全国の市町村間の連携を強化し,情報交換や人材交流などによるネットワークづくりを進めるため,「全国生涯学習市町村協議会」が発足しました。19年7月現在,134の市町村が加盟しています。

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