第2節 独立行政法人の評価

1.独立行政法人制度

(1)独立行政法人制度の概要

 独立行政法人は,国民生活や社会経済の安定など公共の見地から確実に実施されることが必要な事務・事業であって,国が自ら主体となって直接実施する必要がないもののうち,民間団体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるものや単独の団体に独占して行わせることが必要であるものを,効率的かつ効果的に行わせることを目的として,国とは別の法人格を有する団体として設置された機関です。
 文部科学省所管の独立行政法人は,教育,科学技術・学術,文化,スポーツといった幅広い分野において大きな役割を果たしており,文部科学省の政策目標を達成する上で極めて重要な役割を担っています。
 独立行政法人制度においては,主務大臣は法人に対して達成目標である中期目標を指示し,法人はこの中期目標を達成するため,自ら中期計画を作成し,主務大臣の認可を受けることとされています。法人は,この中期計画を基に,柔軟な予算執行や業務体制の構築が実現できるなど,法人運営に関する国の細部にわたる事前関与・統制は制限され,自主的・自律的な法人運営が確保されています。また,目標の達成状況を事後に厳格にチェックするために,第三者評価機関である独立行政法人評価委員会を設け,独立行政法人の毎年度の業務実績を評価するとともに,中期目標の期間の終了時には,組織・業務の全般的な見直しを行っています。
 これらの仕組みによって,国民のニーズに合った効率的な行政サービスの実施を図っています。

(2)独立行政法人評価委員会の役割

 独立行政法人評価委員会は,独立行政法人通則法(平成13年1月施行)などに基づき,各事業年度における業務の実績の評価や中期目標に関する業務の実績の評価を実施するとともに,その結果,必要があると認める場合は,当該独立行政法人に対する業務運営の改善その他の勧告を行うこととしています。
 また,主務大臣による中期目標の設定,中期計画の認可又は中期目標期間の終了時における独立行政法人の業務を継続させる必要性や組織の在り方その他組織・業務全般にわたる検討を行う場合などにおいては,あらかじめ,独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならないとされています。

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