第11節 より良い教科書のために

 教科書は,学校における教科の主たる教材として,児童生徒が学習を進める上で重要な役割を果たすものです。教育の機会均等を実質的に保障し,全国的な教育水準の維持向上を図るため,学校教育法により,小・中・高等学校,中等教育学校,盲・聾・養護学校においては,文部科学大臣の検定を経た教科書又は文部科学省が著作の名義を有する教科書を使用しなければならないことになっています。
 教科書は次のような過程を経て,児童生徒の手に渡り,使用されています(図表2-2-322-2-33)。

図表●2-2-32 教科書が使用されるまで

図表●2-2-33 小・中・高等学校の教科書の検定・採択の周期

1.教科書検定

 教科書検定制度は,民間が教科書の著作・編集を行うことにより,著作者の創意工夫に期待するとともに,検定を行うことにより,客観的かつ公正で,適切な教育的配慮がなされた教科書を確保することをねらいとしているものです。
 教科書検定は,学習指導要領や教科用図書検定基準に基づき,教科用図書検定調査審議会の専門的な審議を経て厳正に行われています。教科用図書検定基準などについては,平成14年8月に改正し,児童生徒の理解をより深めたり,興味・関心に応じて学習を広げたりする観点から,学習指導要領に示されていない「発展的な学習内容」についても,教科書に記述することを可能にしました。このような発展的な内容を盛り込んだ教科書は,小学校では17年度から,中学校では18年度から使用されています。
 また,国民の教科書に対する関心にこたえるため,文部科学省では,検定の結果を公開しており,平成18年度は,全国8か所の公開会場で,17年度に検定を行った教科書の関係資料の公開を行いました。さらに,文部科学省のホームページでも検定に関する各種の情報を提供しています(参照:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/main3_a2.htm(※教科書へリンク))。

前のページへ

次のページへ