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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第10章 高度情報通信ネットワーク社会における新たな展開
第2節  「教育の情報化」の推進
3  専門的で創造性豊かな人材の育成に向けて



(1) 情報社会を担う人材の育成

 高度情報通信ネットワーク社会の進展に伴い,高等教育機関における高度な情報技術者・研究者の育成が極めて重要となっています。このため,大学や高等専門学校などでは,情報関連学科などの整備が進められています。また,一般情報処理教育の充実を図るため,国公私立学校を通じた情報処理教育施設・設備などの整備を行うとともに,大学・高等専門学校で情報処理教育を担当する教員を対象とした講習会や研究集会を開催するなど,教員の資質向上に努めてきています。さらに,文部科学省では,国公私立大学を通じて世界的な研究教育拠点の形成を重点的に支援する「21世紀COE プログラム」において,平成14年度に情報,電気,電子分野で20件の拠点を採択しました。国際競争力のある個性輝く大学づくりを推進する中で,採択された各拠点においては,世界をリードする創造的な人材の育成が図られています。

 このほか,文部科学省では,IT関連分野に適応する高度な人材育成を図るため,次のような取組を行っています。

{1}IT人材育成プロジェクト

 IT関連分野における高度な人材育成について,高等学校段階から推進していくため,平成16年度から「IT人材育成プロジェクト」を実施しています。本事業の概要は次のとおりです。

(ア)研究指定校による研究開発

 ITに関する教育を重点的に行っている高等学校を指定し,当該指定校において,先進的な教育方法の研究開発を行い,その成果を普及させています(指定は3年間)。平成16年度においては,全国で10校の高等学校を指定し,大学や企業から研究者を外部講師として招いて指導を受けたり,ITに関する最先端分野の体験学習を取り入れたりするなど,先進的なカリキュラムによる指導を行っています( 図表2-10-4 )。

図表◆2-10-4 「IT人材育成プロジェクト」研究指定校

▲ITスクール

(イ)ITスクールの実施

 ITに関する知識・技能を有し,独創性のある高校生を募集し,夏休みに合宿形式で,IT関連分野の最先端で活躍する若手研究者などの指導・助言の下,コンテンツなどの創作活動を行います。平成16年8月には,全国から東京会場に30名,大阪会場に28名の高校生が集い,ネットワークを介したプログラムづくりやオリジナルのキャラクターの作成などを行う中で,ITに関する技術を学習しました。開催期間中,参加した高校生たちは互いに教え合ったりしながら,意欲や技術の向上を図りました。

{2}専修学校におけるIT関連分野の取組について

 専修学校においては,平成13年度から,産学連携により,先進的なカリキュラムや教材などの開発を実施するとともに,情報処理関係設備の整備を推進するなど,IT人材育成のための体制を積極的に推進しています。


*1 サーバー

 情報を蓄積・転送するためのシステム。


*2 COE

 Center of excellence(卓越した研究拠点)。


(2) 高等教育におけるITの導入・活用と環境の整備

 高等教育においては,教育内容・方法の改善・充実をはじめとする様々な改革を進めてい るところですが,その一環として,インターネットなど情報通信技術を積極的に活用する取 組が進められています。

{1}高等教育機関における取組

 情報通信技術の発展に伴い,衛星通信やインターネットを活用した取組を実施する大学などが増えてきています。例えば,複数の大学や分散されたキャンパスの間での合同授業や各種シンポジウムの実施のみならず,時間的・地理的な制約を受けずに授業が受けられるインターネット授業の配信なども行われています。さらに,インターネットを通じて学習情報を提供したり,電子メールや携帯電話での質疑応答を行ったりする大学なども増えてきています。政府の「e-Japan戦略」においては,「2005年度までに,ITを活用した遠隔教育を実施する大学学部・研究科を,2001年度の約3倍とすることを目指す」という目標を掲げており,インターネット授業を配信する大学学部・研究科の数は,平成12年度の102から13年度では151に増加しています。

 また,平成16年度から新たな補助事業として,高等教育機関における優れたeラーニングの取組を選定し支援する「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(ITを活用した実践的遠隔教育)」を実施しており,大学などにおいて高等教育の充実に資する先進的な取組が進められています。

{2}ITの活用を促進するための取組

 メディア教育開発センターでは,平成16年度の独立行政法人化に伴い,同年に掲げた中期目標の下,大学や短期大学,高等専門学校のニーズなどを踏まえ,多様なメディアを高度に活用して行う教育について,研究や開発を進め,高等教育の発展に資するITを活用した教育の普及・促進を図っています( 図表2-10-5 )。

図表◆2-10-5 メディア教育開発センターの業務の概要図

 特に,研究開発業務として,現在非常に重要になっているeラーニングの支援研究をはじめ,メディア活用の研究,IT利用調査・国際展開に関する研究,大学などの高等教育機関との共同研究,萌芽的研究などにも積極的に取り組んでいます。また普及促進業務として,高等教育における教育情報ポータルサイトの運用をはじめ,教育用コンテンツの開発・普及や国際シンポジウムの開催などを行っています。

 さらに,IT教育支援協議会を設置して,関係する協議会(コンソーシアム)との連携を密にしています。

 なお,平成8年10月から大学などを衛星通信で結ぶ「スペース・コラボレーション・システム(SCS)」を運用してきており,大学などの間で,双方向遠隔授業研究会,研修会などに利用されています。現在は,120機関に150局が整備されて稼働しています。

 このほかにも,私学助成によって,インターネットを活用したサイバーキャンパス整備事業を推進するとともに,マルチメディア装置や学内LAN(学内ネットワーク)の整備など,私立大学における高度情報化への各種の取組に関する支援を行っています。

▲SCSを活用した授業(お茶の水大学にて)


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