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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第10章 高度情報通信ネットワーク社会における新たな展開
第2節  「教育の情報化」の推進
1  豊かな生涯学習社会の構築に向けて


 生涯学習の振興に当たっては,国民一人一人がいつでもどこでも学習に取り組む機会を得,その成果が適切に評価されるような環境づくりを目指しているところですが,その実現に向けて,ITの活用に大きな期待が寄せられています。

 中央教育審議会生涯学習分科会「今後の生涯学習の振興方策について(審議経過の報告)」(平成16年3月29日)においては,{1}国民に等しく学習機会を提供するという,学習機会の地域格差を是正するという効果(生涯学習へのアクセス),{2}地域や個人が,自ら創り上げ,自ら探した特色ある「知識財」を発信することや,これらの学習資源を利用した学習者が更に自らの学習成果を付け加えていくこと(学習資源の創造・蓄積・共有・循環),{3}人と人との交流を通じて学習の深化が促され,新たな価値観が創出されること(ネット・コミュニティの形成)が期待される旨が提言されています。このような観点を踏まえ,具体的には次のような取組により,ITを活用した学習機会の提供や地域の学習資源の活用などを振興しています。


(1) 「エル・ネット」による多様な教育情報の提供

 文部科学省の「エル・ネット(教育情報衛星通信ネットワーク)」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/elnet/index.htm)は,衛星回線を利用して,教育,科学技術・学術,文化,スポーツに関する情報を,全国の社会教育施設や教育センターなど約2,200か所(平成16年11月末現在)の受信局に直接発信するシステムです( 図表2-10-2 )。

図表◆2-10-2 エル・ネットの概要

▲エル・ネット「社会教育主事講習」衛星通信会場での受講の様子

▲エル・ネット「チャンネルとやま」

 文部科学省からは,教育施策の最新情報について説明を行う「文部科学省ニュース」や,各種会議・説明会などを全国へ発信しています。また,学校教員や社会教育主事などの指導者を対象とした研修・講習会も,エル・ネットを活用して実施されています。

 また,一般の方々を対象として,全国の大学の特色ある公開講座を放映する「オープンカレッジ」や,一流のスポーツ選手や科学者と全国の子どもたちが画面を通じて直接話したり,ものづくり教室などを全国の受信局で一緒に体験できる番組「子ども放送局」のほか,家庭教育や科学技術などに関する講演会なども幅広く放映しています。さらに,都道府県(市)の教育センターなどに整備されている送受信機能を有するVSAT局(送受信局)からも,地域における特色のある取組の紹介や研究発表会が放映されています。平成16年9月には,地域での様々な取組を紹介する「エル・ネット活用事例集」を作成するなど,効果的な活用の普及・促進に努めています。


* 「窓口システム」

 利用者にとって便利で使いやすいシステムとするため,各府省の電子申請システムをできる限り統合するとともに申請方法などを統一して,各府省が共通に利用する機能を一元化したシステム。


(2) 放送大学の充実・整備

 平成15年12月から,地上デジタルテレビ放送が開始されたことを踏まえ,放送大学においても地上テレビ放送のデジタル化を進める必要があり,16年度から施設設備の整備に取り組んでいます(参照: 第2部第1章第7節2.1 )。


(3) 地域の情報拠点としての図書館のネットワーク化

 多様化・高度化する市民のニーズにこたえるため,図書館サービスの高度化を目指し,図書館間の連携・協力や,図書館からの情報提供による支援を通じて充実したサービスを実現することが重要な課題となっています。中央教育審議会生涯学習分科会「今後の生涯学習の振興方策について(審議経過の報告)」(平成16年3月29日)においても,図書館と行政機関や他の社会教育施設など関係機関との連携やネットワーク化の必要性などが指摘されています。

 文部科学省では,これらの状況に対応し,地域の課題解決などに役立つ情報を効率的・効果的に提供するため,図書館を地域の情報拠点として位置付け,行政機関・社会教育施設などと結んだ広域的な連携ネットワークの構築を目指しています。

 平成16年7月には,有識者や図書館関係者などによる「図書館をハブとしたネットワークの在り方に関する研究会」を開催し,具体的な情報サービスの在り方などについて検討を進めています。


(4) 若者の職業能力向上に向けたeラーニング の活用

 若者を取り巻く厳しい雇用情勢や企業の雇用慣行の変化などを踏まえ,若年人材の学び直しや職業能力の向上を図るための支援などを充実させていくことが求められています。その一環として,フリーターなどの若年人材が,いつでも,どこでも,だれでも手軽に学び直しや,職業能力の向上を図ることができるよう,時間的・空間的な制約を越えた学習機会の充実が期待されています。

 このため,文部科学省では,eラーニングを活用した学習支援システムについて,経済産業省,厚生労働省などと連携・協力し,「草の根eラーニング・システム」の整備を目指しています。具体的には,経済産業省主催の「草の根eラーニング研究会」(平成16年6月17日発足)に参加するとともに,基本的な仕組みづくりなどについて検討を進めています。


(5) メディアを活用した学習機会の提供

 文部科学省では,平成16年度から,教育上の社会的問題に対応し,新たな教育的価値を創造するために,地域とのかかわりや職業意識など,現代的課題に対応した生涯学習テレビ番組「いきいき!夢キラリ」の制作・放送を開始しました(テレビ朝日はじめ,民放34局の全国ネットワーク)。また,教育上価値が高く,学校教育又は社会教育に広く利用されることが適当と考えられる映画やビデオなどを審査・選定し,その普及・促進に努めています。


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