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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第9章 国際交流・強力の充実に向けて
第2節 国際社会に生きる人材の育成国際社会に生きる人材の育成
2 外国語教育の充実



(1) 「英語が使える日本人」の育成のための行動計画

 経済や社会などの様々な面で国際化が急速に進む中で,21世紀を生きる子どもたちが,広い視野を持つとともに,国際的な理解と協調を図る上で大切な英語のコミュニケーション能力を身に付けることが大切です。このため,文部科学省では,平成14年7月に打ち出した「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」に基づき,「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」を15年3月31日に策定しました。この「行動計画」は,19年度までに「英語が使える日本人」を育成する体制を確立することを目標に,英語教育の改善の目標や方向性を明らかにし,その実現のために国として取り組むべき施策を具体的にまとめたものです。

 また,この行動計画に基づいて,英語教育改善を実現するための施策を積極的に進めていくと同時に,様々な機会を通じて,本行動計画について広く国民の理解を促すこととしています。

 さらに,改善に向けた各種の取組状況などを評価し,毎年計画を見直すこととしています。行動計画の主な施策は以下のとおりです。

{1}スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール

 「確かな学力」の向上に向けた取組の一つとして,今後の英語教育の改善に資する実証的な資料を得るため,文部科学省では平成14年度から,英語教育に重点的に取り組む高等学校などを「スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(SELHi)」に指定し(期間は3年間),英語教育を重視したカリキュラムの開発,一部の教科を英語によって行う教育,大学や海外姉妹校との効果的な連携方策などについて実践的な研究を行っています。SELHiについては,行動計画中で「平成17年度までに計100校の指定を目標」としており,14年度は18校(公立15校,私立3校),15年度は35校(公立27校,私立8校),16年度は新たに35校(公立21校,私立14校)を指定しました。

{2}語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)の推進

 JETプログラム(The Japan Exchange and Teaching programme)は,外国語教育の充実を図るとともに,地域レベルでの国際交流の進展を図ることを通じて,諸外国との相互理解を増進し,もって我が国の国際化の促進に寄与することを目的としています。この事業は,文部科学省,総務省,外務省,さらに(財)自治体国際化協会の協力の下に,地方公共団体が実施しています。JETプログラム参加者の職種に,ALT(Assistant Language Teacher:外国語指導助手),CIR(Coordinator for International Relations:国際交流員),SEA(Sports Exchange Advisor:スポーツ国際交流員)の三つがあります。平成16年度の参加者は,41か国からALTが5,567人(うち小学校専属ALT73人),CIRが512人,SEAが24人となっています。

 文部科学省では,外国語教育の充実を図るため,生徒が直接ネイティブ・スピーカーから生きた言語を学ぶ機会を豊富に提供することを特に重視し,JETプログラムを推進しています。また,この事業により招致したALTの指導力の一層の向上を図るため,ALTに対する各種の研修,指導,カウンセリングを実施しています。ALTと日本人外国語担当教員によるティーム・ティーチング *1 は,生徒の外国語によるコミュニケーション能力の育成について大きな成果を上げています。

{3}英語担当教員の資質向上

 文部科学省では,「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」に基づき,平成15年から5年間にわたり,すべての英語担当教員を対象とした研修を支援するために,これらの研修に必要な経費の2分の1を補助しています。また,研修を効果的に実施するため,「英語教員研修ガイドブック」の作成や全国の講師となり得る方々の情報の集約を行い,その活用を呼び掛けています。さらに,引き続き米国や英国などの大学等で行う海外研修を実施し,必要な経費を補助しています(2か月:100人,6か月:62人,12か月:11人)。なお,これらの研修は,13年度から教員研修センターを通じて実施しています。

{4}小学校における外国語学習

 平成14年度から本格実施された新学習指導要領においては,「総合的な学習の時間」が新設され,小学校においても,国際理解に関する学習の一環として外国語会話などを取り入れることができるようになりました。このため,文部科学省では,外国語会話の中でも,特に国際的共通語として最も中心的な役割を果たしている英語によるコミュニケーション能力の育成を図るため,平成12年12月に小学校英語活動実践の手引を作成するとともに,13年度から小学校教員を対象にした英語活動に関する研修を,教員研修センターとの共催で実施しています。


* ティーム・ティーチング

 複数の教師による協力的な指導のこと。


(2) 外国語教育の多様化の推進

 国際化の推進に適切に対応するためには,近隣のアジア諸国の言語をはじめ,英語以外の多様な外国語教育についても重視する必要があります。このため,文部科学省では,高等学校教育の多様化・弾力化を図る趣旨から,英語以外の多様な外国語教育の振興を図っており,平成15年度には,全国の公・私立高等学校の653校において,24言語の授業が開設されています。

 文部科学省では,平成14年度から「高等学校における外国語教育多様化推進地域事業」を実施しています。本事業は,英語以外の外国語教育に取り組んでいる都道府県を推進地域に指定し,域内の高等学校を推進校として地域の関係機関と連携し,教育課程上の課題や地域人材の活用方法等について実践的な調査研究を行い,外国語教育の振興に資することを目的としています。指定期間は2年間で,文部科学省は調査研究に関する経費を支出します。16年度は新たに中国語推進地域として神奈川県,大阪府,和歌山県,長崎県の4府県,韓国・朝鮮語推進地域として大阪府,鹿児島県の2府県を指定して,施策の推進を図っています。


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