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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第9章 国際交流・強力の充実に向けて
第2節 国際社会に生きる人材の育成国際社会に生きる人材の育成
1  国際理解教育の推進



(1) 国際理解教育の現状と施策

 国際社会の中では,子どもたちが日本人としての自覚を持ち,主体的に生きていく上で必要な資質や能力を育成することが大切です。また,我が国の歴史や文化,伝統などに対する理解を深め,これらを愛する心を育成するとともに,広い視野を持って異文化を理解し,異なる習慣や文化を持った人々と共に生きていくための資質や能力の育成も重要となっています。こうした観点から,国際理解教育については,現在,各学校において,社会科などの各教科,道徳,特別活動の時間を通じて指導が行われるとともに,新学習指導要領(小・中学校は平成14年度から,高等学校については15年度から学年進行により実施)の実施に伴い新設された「総合的な学習の時間」においても,取り組まれています。例えば,地域に住む外国人から,その国の郷土料理や民族舞踊などを教わり体験し,料理の由来や踊りに込められた願いを学習することで異文化に対する理解を深めるなどの活動例があります。

 文部科学省では,毎年,全国の都道府県・指定都市教育委員会の指導主事を対象に「国際理解教育担当指導主事連絡協議会」を開催して,国際理解教育の推進に努めています。また,平成11年度には国際理解教育指導事例集(小学校編)を,12年度には国際理解教育に関するソフトウェアを作成し,全国の都道府県・指定都市教育委員会に配布しました。今後は,国際理解教育指導事例集(中・高等学校編)を作成することとしています。


(2) 高等学校等における国際交流等の状況(留学交流,海外修学旅行)

{1}高校生の留学

 平成16年5月に文部科学省では,「平成14年度高等学校等における国際交流等の状況」を公表しました。本調査によれば,14年度に外国の高等学校へ3か月以上留学した者は4,160人,海外学習旅行者(語学などの研修や国際交流などを目的として,外国の高等学校などに3か月未満の旅行に出た者)は3万3,240人となっています。

 主な留学先は,米国,カナダ,オーストラリアなど,また,主な海外学習旅行先は,オーストラリア,米国,ニュージーランドなどとなっています。いずれも,前回調査した平成12年度と比べ,社会情勢の影響から人数は減少しています。

 文部科学省では,高校生留学の教育上の意義を考慮し,関係機関に対し,安全で有意義な留学ができるよう指導・助言しています。また,平成15年度から,年間1万人の高校生が海外留学することを目指し,「全国高校生留学・交流団体連絡協議会」に所属する団体が実施する海外留学プログラムに参加する者に対して支援を行っています。そのほか,全国の都道府県・指定都市教育委員会の指導主事,高等学校等の教員を対象とした「高校生留学等関係団体関係者研究協議会」の開催や,関係団体が行う留学に関する情報提供活動事業に対する支援など,国として高校生の留学促進に向けた施策を積極的に進めています。

 さらに,ノーベル賞受賞者らによる講義や他国からの参加高校生との交流を深めることなどを目的とする「内閣総理大臣オーストラリア科学奨学生事業」(主催:オーストラリア・シドニー大学)に10人の高校生を派遣するための募集・選考なども行っています。

{2}高校生の海外への修学旅行

 平成14年度において海外修学旅行を行った高等学校は延べ1,196校(公立573校,私立623校)で参加生徒数は18万2,986人となっています。主な行き先は,参加生徒数が多い順から,中国,韓国,オーストラリアなどとなっています。海外への修学旅行生は,近年増加傾向にありましたが,社会情勢の影響から,前回調査した12年度と比べ人数は減少しています。海外への修学旅行は,外国人との交流の機会や外国の歴史・文化等に接する機会を得,国際理解を深めるなどの意義がありますが,実施に当たっては,安全確保などに万全を期する必要があります。このため文部科学省では,各学校が必要な情報を入手できるよう,「海外修学旅行の安全確保について(初等中等教育局長通知)」を全国の都道府県教育委員会,知事,附属学校を置く国立大学長あてに出し,計画段階における準備の万全を期すとともに,万一事故が発生した場合の大使館等関係在外公館における迅速かつ適切な対応を図れるよう,外務省と連携して,安全確保と情報提供体制の整備に努めています。


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