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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第7章 科学技術システムの改革
第5節 研究開発基盤の整備
3 研究情報基盤の整備


 情報通信技術の急速な進展に対応して,研究情報基盤の整備を進めることは,我が国の研究開発の国際競争力を確保する上で重要な要素となっています。また,我が国の研究開発活動をより効果的・効率的なものとするためには,研究開発情報の収集,発信力の強化も重要です。文部科学省としては,大学と各種研究機関の連携を図りつつ,ネットワークやデータベースなどの研究情報基盤の整備の促進を行っています。


(1) ネットワークの整備・充実と計算資源の確保

 大学や研究機関における研究情報の流通の基盤となるネットワークを整備・充実することにより,研究開発の情報化を推進しています。

{1}学術情報ネットワーク(SINET)及びスーパーSINETの構築

 学術情報ネットワーク(SINET)は,大学などの研究者が必要とする学術情報を流通するための基幹的ネットワークであり,情報・システム研究機構国立情報学研究所を中心に全国の国公私立大学などとともに,海外の研究ネットワークや民間のネットワークとも接続し,研究情報の流通を図っています。さらに,平成14年1月から,先端的研究機関を最速10Gbpsの回線で接続する世界最速の研究ネットワーク「スーパーSINET」を構築し,スーパーコンピュータの遠隔利用,超高速ネットワークを活用した分散型共同研究,大容量データの共有・活用などが可能となるなど,学術研究の飛躍的発展に貢献しています。

{2} ITBL(IT-Based Laboratory)の構築と活用

 日本原子力研究所,理化学研究所,宇宙航空研究開発機構などの研究機関のスーパーコンピュータをスーパーSINETによりネットワーク化することにより,複雑で高度なシミュレーション(模擬実験)や遠隔地との共同研究を可能とする仮想研究環境を構築し,計算資源の有効活用を目指しています。

{3}大学等における学内LAN及び計算資源の整備の支援

 我が国の大学等が常に最先端の教育研究活動を行えるよう,七つの大学(北海道大学,東北大学,東京大学,名古屋大学,京都大学,大阪大学,九州大学)の全国共同利用施設である情報基盤センターでは,高速の計算能力を有する計算機を設置しています。また,大学などのキャンパスにあるコンピュータや情報機器を通信回線で接続するネットワークである学内LANの整備を支援することにより,教育研究の一層の情報化・高度化を図っています。


* ビームライン

 光速近くまで加速された電子ビームから放射光を取り出すための装置。


(2) 研究情報流通の促進

 研究者が必要な研究情報を迅速かつ的確に入手するために不可欠なデータベースの整備や,研究情報の発信・流通を促進するシステムの開発を推進しています。

{1}研究情報データベースの整備

(ア)文献情報

 科学技術振興機構では,国内外の科学技術文献を収集して,その二次情報(抄録・索引等)を作成し,オンライン情報システム(JOIS)や国際科学技術情報ネットワーク(STN)等を通じて提供しています(http://www.pr.jst.go.jp)。また,情報・システム研究機構国立情報学研究所では,大学図書館などが所蔵する学術図書・雑誌の総合目録データベースを構築するシステム(NACSIS-CAT)で作成されたデータベースをWWW検索サービス(Webcat/Webcat plus)を通じて提供しています(http://www.nii.ac.jp/index-html)。

(イ)研究資源情報,研究者情報等

 科学技術振興機構では,大学・研究機関等に蓄積されている知的ストックをデータベース化し,ネットワーク上で広く流通させる研究情報データベース化事業を実施しています。また,我が国の研究機関における研究成果の発信を促進するために,研究者,研究機関,研究課題などに関する総合的なデータベースを作成し,インターネットで提供しています(http://www.jst.go.jp/jigyou.htm)。

{2}研究情報の発信・流通の促進(デジタルコンテンツの整備)

 科学技術振興機構では,我が国からの研究成果の情報発信機能を強化するために,学協会の学会誌・論文誌などの査読,審査,公開を電子化するためのシステム(J-STAGE)を構築し,インターネットを通じて広く世界に発信・流通させています。

 また,情報・システム研究機構国立情報学研究所では,日本発の電子的な有力学術雑誌の育成を目的とする「国際学術情報流通基盤整備事業」により,国際競争力が期待できる日本発の英文学術雑誌を公募により選定し,「編集・査読システムの国際的支援」,「ビジネスモデルの創出支援」のためのコンサルティングなどを行い,国内大学図書館,海外関係団体などとの連携により,国際流通を促進しています。

 さらに,同研究所では,大学などから発信される多種多様な情報から研究者が必要とする研究情報を統合的に利用することを可能とする「学術コンテンツポータルシステム(GeNii)」を開発しています。


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