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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第6章 研究開発の戦略的重点化
第4節  原子力の研究開発の推進
5  放射線利用の普及


 放射線は,適切に管理しながら使うことで,社会に多くの便益をもたらすものです。実際に,医療,農業,工業,環境保全など幅広い分野で放射線が利用され,私たちの生活の向上に役立っています。

 各分野における放射線利用の一例を挙げれば,まず医療分野において,エックス線やRI(放射性同位元素)を用いた病気の診断が広く行われています。がん治療にも放射線が利用されており,従来のエックス線やガンマ線による治療ばかりでなく,重粒子線や陽子線を用いたがん治療の研究が,放射線医学総合研究所(放医研)や筑波大学などにおいて進められています( 図2-6-14 )。こうした放射線を用いた治療法は,外科手術や化学療法などに比べ,臓器や体の形や機能を損なわず,手術による痛みや抗がん剤による全身の副作用もないなど,患者の身体的負担が小さい方法として期待を集めています。なお,放医研の炭素線治療は,臨床試験によりその有効性と安全性が実証され,平成15年10月に高度先進医療の承認を受けました。現在は,普及に向けて更なる適応疾患の拡大や装置小型化の研究が行われています。

図表◆2-6-14 重粒子線がん治療装置(HIMACハイマック)

 また,工業分野では,放射線の透過性を利用した製品の非破壊検査や,相互作用を利用した材料の改質などに放射線が利用されています。さらに,農業分野では,農作物の品種改良や害虫駆除などに放射線が利用されています。

 今後も,放射線の優れた特長を生かした研究開発を進め,その利用を図っていくことが重要です。


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