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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第3章 高等教育の多様な発展のために
第5節  学生支援の充実
2  奨学金事業の充実



(1) 国の奨学金事業の状況

{1}奨学金事業の現状

 これまで日本育英会で実施していた奨学金事業は,平成16年度から日本学生支援機構に引き継がれ,同機構において,優れた学生などであって経済的理由により修学困難な者に対し,奨学金を貸与するとともに返還金の回収などを行っています。

 この奨学金事業は,昭和18年度に創設されたものですが,平成15年度までの61年間において,奨学金の貸与を受けた奨学生の総数は約710万人,貸与総額は約6兆1,265億円に達しています。

 また,日本学生支援機構の奨学金には,無利子奨学金(第一種奨学金)と有利子奨学金(第二種奨学金)の二種類があります。有利子奨学金は,在学 中は無利子で,卒業後は年利3%を上限とした利子が課されるものです。

{2}学生の学ぶ意欲にこたえる事業の充実

 学ぶ意欲と能力のある学生が経済的な面で心配することなく,安心して学べるようにするため,平成16年度においては,事業全体で96万5,000人(対前年度比約10万人増)の学生などに対して,6,820億円(対前年度比1,030億円増)の奨学金を貸与することとしています( 図表2-3-25 図, 図表2-3-26 )。

図表◆2-3-25 日本学生支援機構の事業規模の推移

図表◆2-3-26 日本学生支援機構の事業費総額(平成16年度)

 特に,平成16年度においては,{1}学生の大学院進学に対する意欲を高めるとともに,その勉学の励みとなるよう,教員・研究職に一定期間在職した者を対象とするこれまでの返還免除制度を廃止し,在学中に特に優れた業績を上げた大学院生を対象として,卒業時に返還を免除する制度を創設するとともに,{2}学生が自己の意思と責任によって奨学金の貸与を受けることを可能とし,学生の自立を促進するため,これまでの連帯保証人などの人的保証制度に加え,機関保証制度(一定の保証料を保証機関に支払うことにより保証機関の保証を受けられる制度)を導入しました。

 また,{1}平成16年度に創設された法科大学院に対応した奨学金の充実や,{2}近年の国際化の進展に対応した奨学金貸与制度による海外留学の支援,{3}入学時の需要に対応した奨学金(一時金)の充実など,時代の要請に応じた改善・充実を行いました。

 さらに,家計支持者の失業などによって緊急に奨学金を必要とする学生などに対応するために年間を通じて申請を受け付ける「緊急採用奨学金制度(無利子奨学金)」についても希望者に十分にこたえられるよう,事業規模の充実を図りました。

 なお,高等学校及び専修学校高等課程の生徒に対する奨学金事業については,平成17年度の入学者より,都道府県に移管することとしています。

{3}返還金回収業務の改善

 奨学金事業については,制度発足以来,貸与制により実施されています。これは,奨学生が卒業後,奨学金を返還し,この返還金を後進育成の資金として循環運用することによって,一人でも多くの学生などに奨学金を貸与するためです。現在,事業費総額の3割程度が返還金で賄われており(他の財源は,無利子奨学金については政府貸付金,有利子奨学金については財政融資資金及び財投機関債),返還金が確実に回収されることが,奨学金事業を実施していく上で極めて重要です。このため,日本学生支援機構においては,{1}奨学生に対する返還意識の徹底,{2}口座振替による返還の促進,{3}連帯保証人などに対する適切な請求など,返還金回収業務の改善・強化に努めています。


(2) 奨学団体等の奨学金事業

 我が国における奨学金事業は,日本学生支援機構のほかに公益法人や地方公共団体あるいは学校や民間会社など(以下「奨学団体等」という。)によって,教育の機会均等の確保や地域振興の社会貢献活動などとして,多様な形態で幅広く実施されています。平成11年度の文部省(当時)調査によると,約3,400の奨学団体などが,約24万人の奨学生に対し,総額で約635億円を支給しています。

 これら奨学団体等による奨学金事業は,それぞれの設立目的に基づいて特色ある事業を行っているところに大きな意義があり,国の奨学金事業である日本学生支援機構の事業とあいまって,我が国の奨学金事業全体にとって大変有益なものとなっており,今後とも関係方面における理解と協力によってその一層の充実が図られることが期待されます。


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