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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第3章 高等教育の多様な発展のために
第2節  高等教育の更なる発展に向けて
1  社会に開かれた高等教育



(1) 社会人受入れへの対応

 社会,経済が高度化・多様化する中で,個人が豊かで充実した生活を送るためには,社会人となった後でも,高度で先端的な知識や技術を学びたいときに学ぶことができる環境を整備することが必要です。文部科学省は従来から,このような観点の下で,社会人の受入れを一層促進できるように制度の弾力化に取り組んできました( 図表2-3-15 )。

図表◆2-3-15 社会人入学者数

{1}長期履修学生制度の導入

 従来,個人の事情により修業年限を超えて履修を行うことを希望する場合(例:4年制大学で6年間学ぶ場合など)も,留年や休学として取り扱われていました。

 このため,平成14年3月から,個人の事情に応じて,大学の修業年限を超えて計画的かつ柔軟に教育課程を履修して卒業することができることを内容とする,長期履修学生制度を導入しました。これにより,職業などに従事しながら大学で学ぶことを希望する人々の学習機会が拡大しています(14年度現在,28大学において導入)。

{2}通信制の大学院の制度化

 大学院における社会人の多様な学習需要にこたえる環境の整備については,社会人特別選抜制度の導入や夜間大学院の設置,科目等履修生制度の活用など様々な取組が行われてきているところです。

 平成10年3月には,大学院における教育研究の一層の弾力化のため,通信制の大学院(修士課程)を設置することができるようになりました。通信制の大学院は,大学院レベルの授業を受けたいと思いながら,自宅や職場から通学できる範囲に受けたい分野の授業を提供する大学院がないことや,職場環境によって通学可能な時間帯が限られることなどの,地理的・時間的制約などから,通学が困難な社会人などのニーズに適切にこたえることを目的とするものです。16年4月1日時点で,通信制の研究科を置く大学院は18校(放送大学を含む。) あります。

 また,平成14年4月からは,博士課程についても通信制の大学院を設置することができるようになり,16年4月1日時点で,通信制の博士課程を置く大学院は,前述の18校中,5校となっています。

{3}学部でのサテライトキャンパス

 近年,社会人など時間的・地理的制約などにより大学の本校に継続的に通うことが困難な人が,サテライトキャンパスと呼ばれるような,大学の校舎以外の場所において大学教育を受けることについてのニーズが高まっています。このため,平成15年3月にこのような校舎外の教育施設が備えるべき要件等を明確化し,各大学での取組が行われやすいようにしました。今後は社会人のほかにも,例えば,単位互換による授業を受ける者で,単位互換先の校舎に通うことが困難な者などもサテライトキャンパスを活用することが期待されます。


(2) 地域社会・産業界との連携

 近年,社会,経済が高度化・複雑化し,グローバル化(世界規模化)が一層進展しています。このような状況の中で,今後も我が国が活力ある社会を築き,国際社会での競争力を維持・強化するために,多様な社会の要請に対応できる人材や,新たな産業を創出する創造性豊かな人材の養成が求められています。また,地域活性化の起爆剤,地域づくりの核として,地元大学を積極的に活用した各種の取組が注目されています。加えて,大学の果たすべき機能として,教育・研究と並んで社会への貢献は重要なものと認識されています。このような考えの下,地域活性化・地域づくりのための様々な取組,インターンシップの推進,産学連携による教育プログラムの開発・実施といった,大学と地域社会や産業界との連携・交流の必要性はますます高まっています。

 このため,文部科学省においては,大学と地域社会・産業界との連携による教育の充実を図るための支援を行っています。

 インターンシップを推進する観点からは,大学や企業関係者が情報交換や意見交換などを行う全国フォーラム(公開討論会)の開催,インターンシップを実施する大学などに対する財政的支援など,各種の施策を実施しています。また,平成16年度においては,インターンシップの高度化など,創造的な人材を育成するための教育プログラムを産学共同で開発・実践する優れた取組に対して支援を行っています。さらに,インターンシップの質の向上を図るための検討を厚生労働省,経済産業省と連携しながら進めています。これらの取組を受けて,インターンシップの実施率は年々上昇しています( 図表2-3-16 )。

図表◆2-3-16 インターンシップ実施状況

一方で,平成16年度は,大学と自治体が一体となって,地域社会の活性化に資することを目的に,地域の文化や経済と結び付いた特色ある活動を,学生の教育のために展開する取組への支援も行っています。

 なお,総合科学技術会議や科学技術・学術審議会においては,科学技術関係の人材を育成するという観点から,産学連携について議論を深めています。


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