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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第2章 初等中等教育の一層の充実について
第7節  幼児期にふさわしい教育の推進
2  幼児教育振興プログラムの実施


 平成13年3月に,文部科学省は,今後の幼児教育に関する施策の効果的な推進を図るための総合的な実施計画である「幼児教育振興プログラム」を策定しました。同プログラムの実施期間は13年度から17年度までとなっており,文部科学省では,以下のような施策を展開しています。


(1) 幼稚園の教育活動・教育環境の充実

{1}幼稚園の教育内容の充実

 幼稚園の教育内容の充実については,これまで,幼稚園教育要領の理解の推進のための研究協議会や,道徳性の芽生えを培う実践的な事例集の作成・配布などを行ってきました。

 また,平成16年度は,15年度に引き続き,家庭や地域においても幼稚園教育に関する理解を深め,大人社会全体で子どもをはぐくんでいくことを目指し,「幼児とともに心をはぐくむキャンペーン」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youji/index.htm)を実施しています。また,14年6月に出された「幼稚園教員の資質向上に関する調査研究協力者会議」からの報告を受け,幼稚園教員の資質向上のための施策を推進しています。

{2}幼稚園就園奨励事業の充実

 幼稚園就園に伴う保護者の経済的負担の軽減や,公私立間の保護者負担の格差是正のため,地方公共団体が行う入園料や保育料の減免措置に対して,文部科学省が補助をしています。特に,同一の世帯から2人以上の幼児が同時に就園する場合,2人目以降の園児に関する保護者の負担額が1人目と比べて少なくなるようにしています。平成16年度は,平均的な保育料に対する1人目の保護者負担額を1.0として,2人目が0.6,3人目以降が0.2となるように補助を行っています。


(2) 幼稚園における子育て支援

 近年,幼稚園は,地域の幼児教育のセンターとして,子育て支援機能を持ち,いわば「親と子の育ちの場」という役割を果たすことが期待されるようになってきています。このため文部科学省では,幼稚園における相談活動や子育てのネットワークづくり,通常の教育時間の前後などに行う「預かり保育」(全国の約6割の幼稚園で実施)などの子育て支援を推進しています。


(3) 小学校や保育所との連携

 幼児期の教育と小学校以降の教育との間の円滑な移行や接続を図るため,教員・保育士間や幼児・児童間での交流の在り方や教員免許・保育士資格の併有の促進など,就学前教育と小学校の連携に関する総合的な調査研究を実施しています。

 また,文部科学省と厚生労働省で協議して,幼稚園と保育所との連携を進めています。具体的には,{1}幼稚園と保育所の施設の共用化の推進,{2}教育内容・保育内容の整合性の確保,{3}幼稚園教諭と保育士の合同研修の実施・資格の併有の促進,{4}幼稚園と保育所の連携事例集(http://www.ikosodate.net/mhlw/i_report/others/cases3/index.html)の作成などの取組を行っています。

 さらに,「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」において検討することとされた,「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設」については,その実現に向け,平成16年度中に基本的な考えを取りまとめた上で,17年度に試行事業の先行実施をするなど,必要な法整備を行うことも含め様々な準備を行い,18年度から本格実施を行う予定です。


(4) 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について(中央教育審議会答申)

 平成17年1月に,中央教育審議会は「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について」文部科学大臣に答申を行いました。この答申では,第一に,子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の取組の方向性として,{1}家庭・地域社会・幼稚園等施設(幼児に対する教育機能を担う幼稚園や保育所等の施設)の三者による総合的な幼児教育の推進,{2}幼児の生活の連続性及び発達や学びの連続性を踏まえた幼児教育の充実を提唱しています。第二に,上記の方向性を踏まえ,幼児教育の充実のための課題として,{1}幼稚園等施設の教育機能の強化・拡大,{2}家庭・地域社会の教育力の再生・向上,{3}幼児教育を支える基盤等の強化を掲げるとともに,そのために重点的に実施すべき諸施策について提言を行っています( 図表2-2-25 )。第三に,幼稚園と保育所の連携の推進や上述の「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設」の在り方について提言を行っています(参照: コラム )。文部科学省では,この答申を踏まえ,幼児教育の一層の充実に取り組むこととしています。

▲幼稚園における活動風景

図表◆2-2-25 今後の幼児教育の方向性と幼児教育の充実のための具体的方策(中教審答申)

コラム8

中央教育審議会幼児教育部会と社会保障審議会児童部会の合同の検討会議「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設について」(審議のまとめ)

 平成18年度からの制度実施を目指している「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設」の在り方については,中央教育審議会幼児教育部会と社会保障審議会児童部会の合同の検討会議において検討が進められていましたが,平成16年12月に「審議のまとめ」が取りまとめられました。その概要は以下のとおりです。

(なお,詳細については,https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/16/12/04122404.htm参照)

○基本的機能

・親の就労の有無・形態等で区別することなく,就学前の子どもに適切な幼児教育・保育の機会を提供し,その時期にふさわしい成長を促す機能を備えることが基本。

・この基本的機能に加え,地域の実情等に応じて,地域の子育て家庭に対し,子育てに関する必要な相談・助言・支援や親子の交流の場を提供することが重要。

○利用対象者

・利用対象者は,就学前の子どもの育ちを一貫して支える観点から,0歳から就学前の子どもとその保護者とすることを基本としつつ,地域の実情やニーズに柔軟に対応できる多様な形態を可能とすることが適当。

・想定される典型的な利用対象者は以下のとおり。

3〜5歳児 幼稚園と同様に4時間程度利用する子どもや保育所と同様8時間程度利用する子ども

0〜2歳児 親子登園,親子の交流の場への参加等の形態で利用する子どもや保育所と同様に8時間

     程度利用する子ども

親    親子登園,親子の交流の場への参加等の形態で利用する親や子育て家庭への相談や助言

     等の支援を利用する親

○教育・保育の内容

・現在の幼稚園教育要領及び保育所保育指針を踏まえ,子どもの発達段階に応じた共通の時間・内容を確保しつつ,子どもの視点に立ち,きめ細かな対応に特に留意しつつ引き続き検討。

・3〜5歳児については,4時間程度の共通の教育・保育時間における活動内容を幼稚園における教育に相当するものと位置付けることが考えられる。

○その他の具体的制度の在り方

職員配置・施設整備,職員資格等,設置主体・管理運営,利用料・保育料,財政措置等,地方公共団体における設置等の認可・監督等の体制についての基本的な考え方。

○幼稚園及び保育所との関係等

・地域の幼児教育・保守のニーズに対して,既存の幼稚園・保育所の連携の強化等により対応するか,さらに新たな枠組みである総合施設を組み合わせて対応するかは,地域の実情に応じて判断されるべきもの。


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