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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第2章 初等中等教育の一層の充実について
第5節  魅力ある高等学校づくりと中高一貫教育
1  高等学校教育の個性化・多様化を進めるために



(1) 改革の基本的方向

 高等学校への進学率が約97%となり,生徒の能力・適性,興味・関心,進路などが多様化する中で,各学校が生徒それぞれの個性を最大限に伸長させるためには,学習の選択幅をできる限り拡大して,多様な特色ある学校づくりを進めていくことが大切です。

 このため,文部科学省は,総合学科や単位制高等学校をはじめとする新しいタイプの高等学校や特色ある学科・コースの設置などを推進するとともに,多様な科目の開設などによって,生徒の選択を中心としたカリキュラムづくりが可能となる制度の整備を進めています。


(2) 特色ある高等学校づくりの推進

{1}総合学科

 総合学科は,普通科と専門学科に並ぶ新しい学科として,平成6年度から設置されており,16年度までに47都道府県3指定都市に248校が設置されています( 図表2-2-21 )。

 総合学科の教育の特色は,幅広い選択科目の中から自分で科目を選択し学ぶ点にあり,生徒がそれぞれの個性に応じた達成感を得ることができる学習や,将来の職業選択を視野に入れた自己の進路への自覚を深めるための学習が重視されています。

 総合学科には,高等学校教育改革の中心的な役割が期待されており,文部科学省では,当面は,総合学科を設置する公立高等学校が高等学校の通学範囲に少なくとも1校整備されることを目標としています。

図表◆2-2-21 総合学科の学校数と生徒数の推移

{2}単位制高等学校

 単位制高等学校は,学年による教育課程の区分を設けず,決められた単位を修得すれば卒業が認められる学校です。昭和63年度から定時制・通信制課程において導入され,平成5年度からは全日制課程においても設置が可能となっています。16年度までに,47都道府県7指定都市に591校(うち全日制課程は347校)が設置されています。

 単位制高等学校の特色としては,自分の学習計画に基づき,興味,関心などに応じた科目を選択し学習できることや,学年の区分がなく,自分のペースで学習に取り組むことができることなどが挙げられます。

{3}その他の特色ある学校・学科・コースなど

 以上のほか,多種類の学科,コース,学系を設置し,それらの枠を超えた選択履修を可能とする総合選択制の学校や,学校全体で情報化に対応する学校,国際理解や外国語能力の育成を目的とする学校など,様々な特色のある新しいタイプの高等学校が設置されています。

{4}自校以外での学修成果の単位認定

 生徒の多様な学習意欲にこたえて選択学習の機会を拡大するため,他の高等学校,専修学校における学修の成果や技能審査などの成果を自校の単位として認定を可能とする制度が,平成5年度から導入されています。また,10年度からは,ボランティア活動,就業体験,スポーツ又は文化に関する分野における活動,大学,高等専門学校,社会教育施設などにおける学修の成果についても,各学校長の判断によって,単位として認定することが可能となっています。

{5}高等学校設置基準等の改正

 地域の実情などに応じた特色ある高等学校の設置をより一層進める観点から,平成16年4月1日に高等学校設置基準及び高等学校通信教育規程を改正し,高等学校を設置するために必要な最低の基準として位置付けるとともに,弾力的な運用が可能となるように規定内容を見直しました。


(3) 高等学校学習指導要

 高等学校においては,生徒の多様な興味・関心,進路希望などに応じて,より深く高度に学んだり,より幅広く学んだりするなど,学校や生徒の実態に応じた教育課程を編成することが必要です。

 平成11年3月には,確かな学力を育成し,生きる力をはぐくむことを目指して,高等学校学習指導要領を改訂し,15年度に高等学校に入学した生徒から適用しています。具体的には,卒業に必要な修得総単位数や必修科目の最低合計単位数を縮減するとともに,学校や生徒の選択の幅を広げ,生徒の興味・関心,進路希望などに応じ,それぞれの能力を十分伸ばす教育を展開することを目指し,次のような改善を図っています。

{1}卒業に必要な修得総単位数を,従来の80単位以上から74単位以上に改めました。
{2} 各学校において,学校や生徒の実態に応じ,創意工夫を生かした教育活動を行うとともに,学び方やものの考え方,問題解決能力などを育成するため,新たに「総合的な学習の時間」を創設しました。
{3}普通教科として「情報」を,専門教科として「情報」と「福祉」をそれぞれ新設しました。また,必修教科として「外国語」と「情報」を加えました。
{4}必修科目の設定に当たっては,複数の科目の中から選択的に履修できるようにする選択必修の考え方を基本とし,必修科目の最低合計単位数を38単位(普通科)から31単位に縮減しました。また,専門学科における専門科目の必修単位数を,30単位以上から25単位以上に縮減しました。
{5}各学校において,特色ある教育課程の編成に資するよう,学習指導要領で定める教科・科目以外にも,各学校で独自に学校設定教科・科目を開設できるようにしました。
{6}就業体験の機会の確保,ガイダンスの機能の充実,「総合的な学習の時間」や「産業社会と人間」における自己の在り方・生き方の考察に関する学習など,生徒に将来の生き方を考えさせる学習の充実を図りました。

 さらに,高等学校学習指導要領の定着を進め,そのねらいの一層の実現を図るため,平成15年12月に,総則を中心に一部改正を行い,学習指導要領の基準性を踏まえた指導の一層の充実や,総合的な学習の時間の一層の充実などを図ったところです(参照: 本章第1節 )。

 また,学習指導要領に基づく教育課程の状況を不断に評価・検証し,指導の改善や教育課程の基準の改善に反映させる観点から,国立教育政策研究所教育課程研究センターにおいて,生徒の学力の状況を総合的に把握するための「教育課程実施状況調査」等の実施(参照: 本章第1節 ),新しい学習指導要領の下での評価を客観的で信頼のあるものとするための「評価規準の作成,評価方法の工夫改善のための参考資料」の作成などに取り組んでいます。

 なお,高等学校の通信制課程において,情報通信技術の進展に対応し,通信教育の可能性をより発展させるため,ラジオ放送・テレビ放送・インターネットなどの多様なメディア を利用して行う学習により,面接指導の時間数又は特別活動の時間数の一部を免除することが可能となっています。


* メディア

情報を頒布する手段のこと。


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