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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第2章 初等中等教育の一層の充実について
第3節  魅力ある優れた教員の確保
3  義務教育費国庫負担制度及び関連諸制度の改革



(1) 義務教育費国庫負担制度について

 義務教育は,憲法の要請により,すべての国民が必要な基礎的資質を培うことができるようにするためのものであり,その水準を全国的に確保することについては,国は重大な責任を負っています。義務教育費国庫負担制度は,すべての国民が,全国どの地域においても無償で一定水準の義務教育を受けられるようにするため,公立の義務教育諸学校の教職員給与費について,都道府県が負担した経費の2分の1を国が負担する制度です。この制度は,国が法律によって学級編制や教職員定数の標準を定める制度とあいまって,教育の機会均等とその水準の維持向上のために重要な役割を果たしてきています。


(2) 義務教育費国庫負担制度の改革〜「総額裁量制」の導入〜

 義務教育費国庫負担制度については,義務教育に関する地方の自由度を大幅に拡大するため,平成16年度から「総額裁量制」を導入する改革を行いました( 図表2-2-18 )。この「総額裁量制」は,全国的な教育水準の維持・向上を図るために必要な国庫負担総額を確保するとともに,教職員の給与や配置について地方の自由度の大幅な拡大を図るものです。これによって,総額の範囲内で少人数指導を充実させることなどから,地方独自の教育を展開することが一層可能となりました。

 今後も,文部科学省では,中央教育審議会の「教育条件整備に関する作業部会」による「義務教育に係る経費負担の在り方について(中間報告)」(平成16年5月25日)や「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004(閣議決定)」(16年6月4日)を踏まえ,地方公共団体や地域住民の知恵・工夫が一層生かされるような仕組みとするための義務教育費国庫負担制度の改革を進めることとしています。

図表◆2-2-18 総額裁量制導入に伴う改善点


(3) 関連諸制度の見直し

{1}公立学校の教員に係る給与制度の見直し

 これまで,公立学校の教員の給与については国立学校の教員の給与の種類と額を基準として定めること(国立学校準拠制)とされていましたが,平成16年4月から,国立学校の法人化に伴い,国立学校準拠制が廃止されました。これによって,各地方公共団体が,地域ごとの実態を踏まえて給料や諸手当の額を主体的に定めることができるなど,工夫を凝らした教員給与制度を整備することが可能となっています。

{2}構造改革特区における市町村費負担教職員任用事業

 市町村立小中学校などの教職員の給与費については,財政上の理由から生じる市町村間の給与水準格差が,地域における教育水準の格差につながることなどを理由として,市町村に代わって都道府県が市町村立小中学校などの教職員を任用した上で,その給与を負担することとしています(県費負担教職員制度)。

 平成15年度より構造改革特区において,地域の実情に応じて教育や特色ある学校づくりを図るため,教育上特に配慮が必要な事情がある場合には,県費負担教職員に加えて,市町村が自ら給与を負担することによって,市町村立小中学校などの教職員を任用することができるようになりました(市町村費負担教職員任用事業)。これによって,市町村が独自の判断で地域の人材を教員として任用し,地域の特性に応じた学校教育の充実や各学校における特色ある学校づくりが可能となりました。16年7月現在においては,15市町村において市町村費負担教職員任用事業が実施され,合計161人の教員が任用されています。また,17年度からは新たに3市町村において事業の実施が計画されており,学校教育の個性化・多様化の一層の進展が期待されています。

 文部科学省では,今後,構造改革特区における市町村費負担教職員任用事業の実施状況などを踏まえ,都道府県,市町村,教育関係者などの意見を聞きながら,市町村費負担教職員任用事業の全国化(特区認定を受けることなく事業の実施を可能にすること)に向けて検討を進めることとしています。


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