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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第2章 初等中等教育の一層の充実について
第1節  「確かな学力」と「豊かな心」を育成し,「生きる力」をはぐくむ学校教育を目指して
2  教育課程の基準の改善に向けて



(1) 学習指導要領の不断の見直しの一層の推進について

 文部科学省ではこれまでは約10年に1度,学習指導要領の改訂を行ってきましたが,教育課程の実施状況を実証的なデータに基づいて継続的に検証・評価する観点から,平成13年1月から中央教育審議会に教育課程部会を常設し,不断の見直しを行っています。

 この不断の見直しの一環として,平成15年12月には学習指導要領を一部改正しましたが,今後は,新学習指導要領のねらいの一層の実現に向けた取組を着実に推進するとともに,学習指導要領の不断の見直しを更に進めることが必要です。

 このため,平成16年3月には中央教育審議会教育課程部会に,国語,算数・数学,理科,外国語に関する「専門部会」,学習指導要領の在り方や教科横断的な事項,学校種を超えた事項などを検討する「教育課程企画特別部会」が設置され,検討が開始されました。また16年7月には,学習指導要領の不断の見直しを知・徳・体の全体で進めるため,「社会・地理歴史・公民」,「健やかな体をはぐくむ教育の在り方」,「豊かな心をはぐくむ教育の在り方」,「総合的な学習の時間」に関する専門部会が設置されました( 図表2-2-3 )。

図表◆2-2-3 教育課程部会の当面の検討体制

 各専門部会においては,それぞれ初等中等教育の各学校段階を通じた教育の在り方等について総合的な検討が行われています。


(2) 教育課程の実施状況を把握するための取組(学力調査,意識調査などの実施)

 学習指導要領に基づく教育課程の状況を不断に評価・検証し,指導の改善や教育課程の基準の改善に反映させる観点から,国立教育政策研究所教育課程研究センターなどにおいて,以下のとおり,子どもたちの学力の状況を総合的に把握する取組を行っています (参照: 本章第4節1 )。

{1}教育課程実施状況調査

 この調査の目的は,国語,社会・地理歴史・公民,算数・数学,理科,英語などの教科に関して,小学校,中学校,高等学校の各学習指導要領に基づく教育課程の実施状況について,学習指導要領における各教科の目標や内容に照らした学習の実現状況を把握するとともに,各教科ごとの指導上の課題などを明らかにして,今後の各学校における学習指導の改善などに資することです。

 最近では,平成13年度に小学校,中学校で,14・15年度に高等学校において,平成元年に告示された学習指導要領に基づく教育課程の実施状況についての調査を行い,小学校,中学校については15年5月に,高等学校の国語,数学,理科,英語については16年7月に報告書を公表しました。14年度から順次実施されている新学習指導要領に基づく教育課程の実施状況については,16年1月〜2月に小学校,中学校の調査を実施しました。高等学校においても実施する予定です。

平成14年度高等学校教育課程実施状況調査報告書について

{2}研究指定校による調査

 教育課程実施状況調査などの全国的な調査のほか,ペーパーテストによる調査では状況を把握しにくい生活,音楽,美術,保健体育,技術・家庭などの教科を含めた研究指定校による調査を実施しています。

{3}特定の課題に関する調査

 児童生徒の学習の実現状況を総合的に把握するため,以上に述べたような教育課程実施状況調査や研究指定校による調査の枠組みでは把握しにくい内容について,特定の課題に関する調査を行っています。

 これらのほか,IEA(国際教育到達度評価学会)の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)やOECD(経済協力開発機構)の生徒の学習到達度調査(PISA)などの国際的な調査,各教育委員会などが独自に実施している調査,児童生徒や保護者,校長,教員に対する学校教育についての意識調査などを通じて,子どもたちの状況をきめ細かく把握し,課題を明らかにすることとしています。


(3) 研究開発学校制度の充実

 文部科学省では,学習指導要領などの教育課程の基準の改善に資する実証的な資料を得るため,現行の基準によらない教育課程の編成・実施を特例的に認め,新しい教育課程や指導方法について実践研究を行う制度(研究開発学校制度)を設けています。これまでの実践研究の成果は,例えば,平成元年の「生活科」の導入や,10年の「総合的な学習の時間」の創設に向けた検討に当たって,実証的な資料として生かされてきました。

 平成12年度からは,各学校や地域の課題意識をこれまで以上に教育課程の基準の改善に生かすなどの観点から,研究テーマを教育委員会などの主体的な判断で設定し,文部科学省に申請することとしており,毎年多数の申請の中から審査・指定を行っているところです。


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