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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
第1章  子どもの心と体の健やかな発達のために
第3節 健やかに子どもを育て・守るための環境づくり〜地域における取組〜
5 青少年の健全育成


 高度情報化の進展など,青少年を取り巻く状況が著しく変容する中で,未来への夢や目標を抱き,豊かな社会をつくる営みに積極的に取り組むことができる青少年を育成するためには,青少年の心と体の健やかな発達を促し,正義感・倫理観などを持った豊かな人間性をはぐくむことが重要な課題となっています。

 また,平成15年12月に開催された青少年育成推進本部 において,青少年の育成に係る政府の基本理念と,保健,福祉,教育,労働,非行対策などにわたる青少年育成施策の中長期的な方向性を示す「青少年育成施策大綱」が決定されました。本大綱では,0歳からおおむね30歳未満までの年齢層を対象として,青少年育成施策を推進するに当たっての基本理念や,乳幼児期,学童期,思春期,青年期という年齢期ごとの施策の基本的方向,非行少年等特定の状況にある青少年に関する施策の基本的方向などが盛り込まれています。

 文部科学省では,本大綱に基づき,関係省庁と緊密に連携しながら,青少年の健全育成の推進のため,現在,次に挙げるような施策に取り組んでいます。


(1) 青少年の自然体験活動等の充実

 生活体験,自然体験が豊富な子どもほど,道徳観・正義感が充実している傾向が見られることが従来より指摘されています。また,平成12年12月に公表された「教育改革国民会議報告」において,子どもの自然体験活動などの体験学習の充実が提言されています。これを受け,文部科学省では,13年1月に「21世紀教育新生プラン」を策定するとともに,14年度からの完全学校週5日制の実施を契機として,「新子どもプラン」を策定し,関係省庁の協力を得ながら継続的に子どもたちの体験活動機会の充実などに資する施策を推進しています。

{1}各種事業等を通じた体験活動の推進

(ア)省庁連携子ども体験型環境学習推進事業

 子どもたちの豊かな人間性をはぐくむため,文部科学省では,関係省庁と連携して,地域の身近な環境をテーマに,子どもたちが自ら企画し継続的な体験学習を行う事業の実施を地方公共団体などに委託し,体験型環境学習を推進しています。

 活動は,体験活動に適した河川(国土交通省・環境省との連携),漁港(水産庁と連携),農業用水路(農林水産省と連携),森林(林野庁と連携),企業や商店街(中小企業庁と連携),国立公園(環境省と連携)などや,都市と農村の交流(農林水産省と連携)を通じて行います。

(イ)関係省庁と連携した子どもたちの体験活動の場の拡大

 子どもたちの体験活動の場を拡大するため,文部科学省では,関係省庁と連携した以下の取組を実施しています。

(1)「子どもの水辺」再発見プロジェクト(国土交通省・環境省と連携)

 子どもたちが河川での遊びに親しみ,「川に学ぶ」体験を推進することができるよう,教育委員会・河川部局・環境部局及び市民団体等が連携して,子どもたちが利用可能な河川等を「子どもの水辺」として選定・登録するとともに,必要に応じ整備を行うことにより,子どもたちの河川の利用を促進し,子どもたちの体験活動の充実を図ります。

(2)「あぜ道とせせらぎ」づくり推進事業(農林水産省と連携)

 子どもたちが農村での遊びに親しみ,農業に対する理解を深めることができるよう,教育委員会と農政部局が連携して,子どもたちが利用可能な農業用水路等を「あぜ道とせせらぎ」として選定・登録するとともに,必要に応じ整備を行うことにより,子どもたちの田んぼや水路等の利用を促進し,農業・農村の体験活動の充実を図ります。

(3)子どもたちの海・水産業とのふれあい推進プロジェクト(水産庁と連携)

 子どもたちが漁港等を利用した遊びに親しみ,水産業に対する理解を深めることができるよう,教育委員会と水産部局が連携して,子どもたちが利用可能な漁港等を「子どもたちの海」として選定・登録するとともに,必要に応じ整備を行うことにより,子どもたちの漁港等の利用を促進し,漁業・漁村の体験活動の充実を図ります。

(4)いきいき・海の子・浜づくり(農林水産省・国土交通省と連携)

 子どもたちが海岸での自然の遊びなどを安全に体験できるよう,教育委員会と海岸管理者等が連携し,自然環境に配慮して利用しやすい海岸づくりを推進していくことにより,海岸における体験活動の充実を図ります。

(v)森の子くらぶ活動推進プロジェクト(林野庁と連携)

 植林,下刈り等の森林づくり活動,木工・炭焼き体験など,森林での様々な体験活動を通じて,子どもたちが人々の生活や環境と森林との関係について学べる機会を教育委員会と森林総合施設等が連携し,広く提供します。

(ウ)青少年長期自然体験活動推進事業

 青少年の長期自然体験の一層の普及・定着を図るため,文部科学省では,農林水産省と連携して,青少年に対し,2週間程度の長期にわたる,野外活動施設や農家などでの様々な年齢層との共同生活を送りつつ,地域の特性を生かした野外活動(キャンプ,登山等)などの自然体験活動を提供する地方公共団体の事業に対して,助成を行っています。

(エ)青少年の「社会性」をはぐくむための体験活動総合推進事業〜悩みを抱える青少年を対象とした体験活動推進事業〜

 文部科学省では,不登校などで屋内に引きこもりがちな青少年など,悩みを抱える青少年が自然体験や生活体験などの体験活動に取り組む事業の実施を地方公共団体などに委託し,青少年の社会性をはぐくむ体験活動を推進しています。

(オ)自然体験活動指導者共通登録制度に対する支援

 自然体験活動の指導者養成の拡充とその社会的信頼性の確保のため,青少年団体などの民間団体が連携して設立した「特定非営利活動法人自然体験活動推進協議会」が,自然体験活動の指導者養成を実施している関係団体に共通のカリキュラムや登録制度を設けており,文部科学省はその充実を支援しています。

(カ)子どもゆめ基金

 国立オリンピック記念青少年総合センターに設置されている「子どもゆめ基金」において,子どもの健全な育成を目的として民間団体が実施する様々な体験活動や読書活動等へ助成事業を行うとともに,普及啓発事業として,子どもの読書活動推進フォーラムなどを行っています。助成対象事業は以下のとおりです。

(1)子どもの体験活動の振興を図る活動

 子どもの体験活動の振興を図る取組の裾野を広げるような活動や特色ある新たな活動などを中心に,例えば,自然体験,社会奉仕体験,職場体験,科学体験,交流体験などの活動や子どもの体験活動の指導者養成,研究協議などを行うフォーラムの開催などに対して助成しています。

(2)子どもの読書活動の振興を図る活動

 子どもの読書活動の振興を図る取組の裾野を広げるような活動や特色ある新たな活動などを中心に,例えば,子どもを対象とする定期的な読書会活動や市民グループなどがネットワークを構築して実施する情報交流や合同研修会などに対して助成しています。

(3)インターネットなどで利用可能な子ども向け教材を開発・普及する活動

 子どもの体験活動や読書活動を支援・補完する,インターネットなどで利用可能な子ども向けデジタル教材を開発・普及する活動に対して助成しています。

{2}青少年団体の活動の振興

 青少年団体は,学習活動,ボランティア活動,スポーツ・文化活動など多種多様な活動を行っており,近年は特に自然体験活動,国際交流活動などを含め,その活動に一層の広がりを見せています。

 文部科学省では,これら青少年団体の活動の振興を図るため,国立オリンピック記念青少年総合センターなどにおいて,団体指導者を対象とする研修事業を実施しているほか,全国的な規模の青少年団体が行う研究協議会,社会奉仕活動,国際交流など,青少年の健やかな育成のために意義があると認められる事業に対して助成を行っています。

 また,心豊かでたくましく生きることができる青少年をはぐくんでいく社会環境を整備するため,全国的規模の青少年団体などにそれぞれの団体の特色を生かした全国的な普及啓発活動の実施などを委託する「子どもの『心の教育』全国アクションプラン」を実施しています。

{3}青少年教育施設を生かした活動の振興

 青少年教育施設は,青少年を対象に様々な体験活動を中心とする教育プログラムを実施するとともに,青少年の自主的な活動を支援したり,青少年に様々な体験活動の機会を提供したりすることなどにより,健全な青少年の育成を図ることを主たる目的として設置された施設です。

 国立オリンピック記念青少年総合センターは,我が国の青少年教育の中核的な施設(ナショナルセンター)として,青少年教育に係る全国的な研究協議会や国際交流事業を行うほか,青少年団体への助成や青少年教育に関する調査研究などを行い,その成果を青少年教育関係者に普及させるなどの事業を行っています。

 国立青年の家や国立少年自然の家は,青少年の発達段階に応じた教育プログラムの開発やモデル事業を実施し,その成果を普及させるとともに,公立青少年教育施設(平成14年10月現在,全国718か所設置)や関係団体との連携を図る拠点としての役割を果たしています。

▲国立吉備少年自然の家における体験活動(野外炊事)

▲国立那須甲子少年自然の家における体験活動(阿武隈川源流体験)


* 青少年育成推進部

 次世代を担う青少年の育成に関する施策について,関係行政機関相互間の緊密な連絡を確保するとともに,総合的かつ効果的な推進を図るため,内閣に設置(本部長:内閣総理大臣)。


(2) 子どもの読書活動の推進

 今日,テレビ,ビデオ,インターネットなどの様々な情報メディアの発達・普及や子どもの生活環境の変化,さらには幼児期からの読書習慣の未形成などにより,子どもの「活字離れ」が指摘されています。

 平成16年5月に行われた「学校読書調査 」によれば,児童生徒の1か月の平均読書冊数は,小学校で7.7冊,中学校で3.3冊,高等学校で1.8冊であり,1か月に1冊も本を読まなかった児童生徒の割合は,小学校で7.0%,中学校で18.8%,高等学校で42.6%となっています。

 読書活動は,子どもが,言葉を学び,感性を磨き,表現力を高め,創造力を豊かなものにし,人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであり,社会全体でその推進を図っていくことは極めて重要です。

 平成13年12月に,子どもの読書活動の推進の取組を進めていくため,議員立法により「子どもの読書活動の推進に関する法律」が成立,公布・施行されました。この法律は,子どもの読書活動の推進に関し,基本理念を定め,国や地方公共団体の責務などを明らかにするとともに,国が「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を策定・公表することや,地方公共団体が「子どもの読書活動の推進に関する施策についての計画」を策定・公表すること,4月23日を「子ども読書の日」とすることなどを定めることにより,施策の総合的かつ計画的な推進を図るものです。

 また,平成14年8月には,この法律の規定に基づき,「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が閣議決定されました。これは,14年度から18年度までのおおむね5年間にわたる施策の基本的方向と具体的方策を示したものです。その概要は次のとおりです。

「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」の概要

 さらに,「子どもの読書活動の推進に関する法律」が施行されてからは,「子ども読書の日」(4月23日)に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに,子どもの読書活動への意欲を高めるため,「子ども読書の日」記念子どもの読書活動推進フォーラムを毎年開催し,子どもの読書を推進する活動が顕著に優秀と認められる学校,図書館,団体に対する文部科学大臣表彰の授与,子どもの読書活動推進の実践事例の発表,著名作家による記念講演などを行っています。

 また,「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」に基づき,国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるため,「全国子ども読書活動推進キャンペーン」として,

{1}「子ども読書の日」を中心としたポスターの配布
{2}保護者を対象とした子どもの読書活動の重要性を紹介したパンフレットの配布
{3}講演やシンポジウム等を行う読書フェスティバルの開催
{4}市町村などによる先駆的・効果的・実践的な子どもの読書活動推進手法などの調査研究
{5}各地域において活動している民間団体に関する実態調査
などを実施しています。

 文部科学省では,「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」に基づき,関係府省などとの緊密な連携の下で,子どもの読書活動の推進に関する施策の一層の充実を図っていくこととしています。

▲子ども読書の日ポスター


* 学校読書調査

(社)全国学校図書館協議会と(株)毎日新聞社が共同で毎年行っている。全国の小・中・高等学校の児童生徒の読書状況に関する調査(今回は第50回)。


(3) 少年の問題行動等への対応

 少年非行については,刑法犯少年の検挙人員が高水準で推移しており,少年による社会を震撼させる事件が相次ぐなど,大変深刻な状況にあります( 図表1-1-8 ), 図表1-1-9 )。

図表◆1-1-8 刑法犯少年の検挙人員,人口比の推移(昭和24〜平成15年)

図表◆1-1-9 触法少年(刑法)の補導人員,人口比の推移(昭和24〜平成15年)

 その原因・背景としては,社会のモラルの低下等のほか,{1}家庭における幼児期からのしつけの問題,{2}学校における指導の在り方,{3}生活体験の不足,{4}物質的な豊かさの中での他人への思いやりや人間相互の連帯感の希薄化など,社会状況や青少年を取り巻く環境をめぐる様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられます。

 このため,学校,家庭,地域社会を通じて,子どもたちに善悪の判断などの規範意識や倫理観,命の大切さや他人を思いやる心等をしっかりと身に付けさせることが極めて重要です。また,問題行動に際しては,「社会で許されない行為は子どもであっても許されない」という考え方に立って,毅然とした指導を行い,法や決まりを守る意識を培うことが必要です。

 文部科学省では,平成15年12月に政府において決定された「青少年育成施策大綱」及び「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」等を踏まえ,関係省庁と連携協力しつつ,施策の充実に努めています。

 具体的には,学校教育については,

{1}道徳教育の充実や体験活動の推進
{2}スクールカウンセラーの配置など教育相談体制の充実
{3}問題行動を起こす個々の児童生徒に対する学校,教育委員会,関係機関等(保護司,児童相談所,警察等)から成るサポートチームの形成

など,地域における支援システムづくりなどを行っています(参照: 本章第4節4 )。特に,サポートチーム等による支援については,平成16年9月,関係省庁で構成される少年非行対策課長会議(内閣府主催の課長級会議)において「関係機関の連携による少年サポート体制の構築について」の申合せがなされたことを受け,文部科学省においても本申合せについて教育委員会等に対して周知し,取組の一層の普及促進を図りました。

 また,地域社会や家庭での教育については,安全・安心な子どもの居場所(活動拠点)づくりへの支援(参照: 本章第3節2 )や,非行等の問題を抱える青少年に対し,地域のボランティア団体,青少年団体,スポーツクラブ等と連携・協力して社会奉仕活動や体験活動,スポーツ活動などを体験させる機会を提供する事業を地方公共団体に委託し,このような青少年の立ち直りを支援する「非行等の問題を抱える青少年のための継続的活動の場づくり事業」を実施するとともに,子育てのヒント集としての「家庭教育手帳」の作成・配布(参照: 本章第5節 )を行っています。


(4) 青少年を取り巻く有害環境対策

 青少年を取り巻く社会環境は,発達途上にある青少年の人格形成に強い影響を及ぼしているといわれています。とりわけ,テレビ,インターネット,テレビゲームなどの各種メディア上の性・暴力表現など青少年にとって有害と考えられる情報は,青少年の非行が深刻化した一因とも指摘されており,青少年の健全育成を図る上で大きな問題になっています。また,例えば暴力的な場面が繰り返し現れるようなゲームソフトやテレビ番組など,青少年にとって「有害」と明確に認識されない情報であっても,日常的に生活の中に入り込むことにより,青少年の人格形成に悪影響を及ぼすことが憂慮されます。テレビ,インターネット,テレビゲームなど様々なメディアに関する関係団体等には,その影響力の大きさを意識し,青少年の健全育成を図る上でより良い環境をつくり上げていくための,自主的な取組が求められています。

 平成16年4月には,関係省庁で構成される青少年育成推進課長会議(内閣府主催の課長級会議)において,15年12月に決定された「青少年育成施策大綱」に定められた青少年を取り巻く各種有害環境対策を推進するため,国が取り組む事項,国から地方公共団体へ要請する事項及び国から関係業界団体等へ要請する事項について取りまとめた「青少年を取り巻く環境の整備に関する指針」が申し合わされ,地方公共団体及び関係業界等に対して,文書での要請を実施しました。

 文部科学省においては,平成10年以降,映画,テレビ,ビデオなどの関係業界に対し,一層の自主規制の要請を行ったり,経済団体に対しスポンサーになるに際しての配慮を要請してきました。また,保護者や地域住民による有害情報に対する取組を促進する観点から,(社)日本PTA全国協議会などが10年度から実施しているテレビ番組の全国モニタリング調査 *1 に対して支援しています。これらの団体ではこの調査の結果に基づき,テレビ局やスポンサーに対する要請を実施しており,放送関係業界の自主的な取組とも相まって,番組内容に一部改善が見られるなど,一定の成果を上げています。

 また,「出会い系サイト」に関しては,平成15年6月に,「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」が成立・公布され,9月に施行されました。同法第5条に,「国と地方公共団体は,児童によるインターネット異性紹介事業の利用防止に関する国民の理解を深めるための教育及び啓発に努める」と定められており,文部科学省では,これを受け,各都道府県教育委員会などに対して,法律の概要・留意事項などを通知しました。

 青少年を取り巻く有害環境対策については,社会全体での取組が重要であり,NPOなどの活動が活発に行われることが肝要であることから,文部科学省では,平成13年度より,学識経験者などの協力を得て,海外におけるNPOなどの先進的な取組の調査を行い,13年度は「子どもとテレビ」,14年度は「子どもとインターネット」,15年度は「子どもとテレビゲーム」をそれぞれテーマに,米国におけるNPOなどについての調査を実施し,その結果を報告書として取りまとめ,幅広く各方面の参考となるよう情報提供を行ったところです。

 平成16年度からは,地方公共団体に委託して,地域における有害環境対策の推進体制を整備するとともに,子どもとその保護者を対象として,メディアの有用性や子どもをめぐる様々な問題,メディア・リテラシー *2 などについての教育を実施する情報活用能力育成事業や,地域の実情に応じたフォーラムを開催したり,子どもや保護者向けのリーフレットを作成・配布する啓発活動事業等を実施しています。

 さらに,平成16年6月の長崎県佐世保市女子児童殺害事件を受け,児童生徒による問題行動への対応方策について検討するため文部科学省内にプロジェクトチームを設置し,10月に重点プログラムを取りまとめました(参照: 第1部第1章第4節4 )。同プログラムにおいては,情報社会の中でのモラルやマナーについての指導の在り方の確立を重点施策の一つとしており,文部科学省においては,同プログラムも踏まえ,青少年を取り巻く有害環境対策の推進を一層進めることとしています。


(5) 青少年の国際交流

 文部科学省では,(財)ボーイスカウト日本連盟,(社)中央青少年団体連絡協議会などが実施する青少年の国際交流事業に対して助成などを行っています。さらに,我が国の青少年の海外派遣・海外の青少年の日本招聘を行い,両国の青少年の共同体験活動,各国の伝統・文化の体験活動などの交流事業を青少年団体に委託し,実施しています。

 また,国立オリンピック記念青少年総合センターなどの国立青少年教育施設においても,「アジア地域青少年教育指導者セミナー」,「青少年国際ネットワークフォーラム」など種々の国際交流事業を実施しています。

▲青少年健全育成フォーラム


*1 モニタリング調査

全国の小学校5年生,中学校2年生及びその保護者1万人を対象に,子どものテレビの視聴状況及びテレビ番組内容の評価についてアンケート調査を行っている。


*2 メディア・リテラシー

{1}メディアを主体的に読み解く能力,{2}メディアにアクセスし,活用する能力,{3}メディアを通じてコミュニケーションを創造する能力。


(6) 青少年健全育成フォーラムの開催など

 文部科学省では,青少年育成についての啓発と健全育成・非行防止の取組への理解と協力を促し,併せて関係者の有機的な連携の促進の契機とするため,地域の育成指導者,青少年団体関係者などの参加の下に,我が国や諸外国における青少年健全育成の取組や実践活動などについて,情報交換や協議を行う青少年健全育成フォーラムを開催しています。

 また,青少年の健全育成を推進していくためには,青少年が社会における自らの役割と責任を自覚することが重要であることを踏まえ,高校生による社会貢献活動に対する取組の在り方,効果的な促進方策などについて,高校生が主体となって意見交換や討論を行う全国ユースフォーラムを開催しています。


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