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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
第1章  子どもの心と体の健やかな発達のために
第3節 健やかに子どもを育て・守るための環境づくり〜地域における取組〜
2 子どもの安全・安心な活動拠点の確保


 昨今,青少年が関わる犯罪が大変多く発生し,また,大人社会においてもこれまで見聞きしたことのないような犯罪が頻発しており,凶悪犯罪の低年齢化と相まって,社会全体の安全と安心が問われています。

 それぞれの事件については,個別の事情や背景などについて事実の把握や専門的な分析が必要であり,一概に論ずることは困難ですが,一般論として,このような子どもたちをめぐる非行等の問題については,家庭や地域の教育力の低下に原因があると指摘されています。

 子どもの健やかな育成のためには,家庭・地域・学校がそれぞれの教育力の充実を図るとともに,それらの教育力を結集していけるような環境づくりが重要であると考えています。

 文部科学省では,このような青少年の問題行動の深刻化や地域・家庭の教育力の低下等も踏まえ,全国の学校などで,放課後や休日に,地域の大人の協力を得て「子どもの安全・安心な活動拠点」を確保し,スポーツや文化活動など多彩な活動が展開されるよう,家庭,地域,学校が一体となって取り組む「子どもの居場所づくり新プラン」を策定し,平成16年度より実施しています。

 本プランは,地域の大人の力を結集して,子どもたちを温かく見守り,子どもたちが様々な活動をする場をつくることを通じて,子どもたちの健全な発達を促すことを目的としています。

 具体的には,すべての小中学生を対象に,安全・安心に様々な体験活動や地域での交流活動等を行う「地域子ども教室推進事業」を3か年計画(平成16年度は全国約5,300か所で実施予定)で緊急かつ計画的に実施しています。また,併せて家庭教育に関する相談体制の充実と学習機会の提供などを進めるとともに,問題行動・不登校への対応として自立支援のサポートチームなどのシステムづくりなども実施しています。


(1) 地域子ども教室推進事業の実施

{1}都道府県レベルの運営協議会の設置

 運営協議会を各都道府県に設置し,都道府県内の居場所づくりの在り方の検討,コーディネーター等の研修会の開催,子どもの居場所づくりに向けた広報活動の推進,安全対策の検討,事業実施後の検証・評価等を行っています。

{2}地域子ども教室の実施(参照: コラム3 )

 放課後や週末,長期休業日などに学校の校庭や教室,公民館などを利用して,安全で安心して活動できる子どもの活動拠点を設け,地域の大人,退職教員,大学生,青少年・社会教育団体関係者等を,安全管理員・活動アドバイザーとして配置しています。

 小中学生を対象として,サッカーや野球などのスポーツ,読書,楽器演奏,竹とんぼやメンコなどの昔の遊び,外国の方を招いた英会話の学習,地域の伝統文化の体験などの様々な体験活動を実施しています。このことにより,同じ学年の友達とのふれあいだけでなく,異なる学年の友達と自由に遊んだり,地域の人々と交流できる機会を設け,人付き合いについて学んだり,自然に社会のルールを身に付けたり,自分の考えをしっかりと伝える力などをはぐくんだりすることなど,大きな効果をもたらすものと期待しています。

 さらに,地域の大人たちがボランティアとして参加することにより,子どもたちが「地域子ども教室」の中だけではなく,日常的に地域の大人たちとの交流を盛んに行うことが期待されます。

▲地域の大人とメンコで遊ぶ

{3}子どもの居場所づくりコーディネーター等の配置

 市町村レベルにコーディネーター等を配置し,親に対する参加の呼び掛けや学校や関係機関・団体との連携協力による人材の確保・登録を行うほか,登録された人材を地域子ども教室へ配置します。また,子どもたちが活動するためのプログラムの企画等を運営協議会等と連携しながら行っています。


(2) 地域子ども教室における安全対策

 文部科学省では,各学校でより具体的な安全確保の取組を推進するため,平成16年1月に,「学校安全緊急アピール」を発表しました(参照: 第1部第1章第4節3 )。これに伴い,「地域子ども教室推進事業」においても,協力者会議を設置し,「地域子ども教室推進事業安全管理マニュアル」を作成しました(16年5月)。このマニュアルは,子どもたちが安全にかつ安心して活動できる活動拠点をつくるため,健康管理,不審者侵入対策,災害対策,施設周辺の危機管理といった4点について,その留意点をまとめたものです。なお,地域子ども教室は全国各地で実施場所や実施形態等が異なることから,事業を実施する上での基本的事項を中心に記述するにとどめ,本マニュアルを参考にしながら,各地域でマニュアルを自ら作成するような工夫を促しているところです。


(3) 子どもの居場所づくりキャンペーンの展開

 文部科学省では,「子どもの居場所づくり」キャンペーンを展開することとし,平成15年9月に生涯学習政策局に「子どもの居場所づくり推進室」を設置し,キャンペーンの企画立案,地方公共団体や関係団体との連絡調整,推進委員会,連絡会議の運営を行っています。

 例えば,各界の著名人から成る応援団の結成や各種メディアでの広報など各種の広報活動を行っています。また,企業や関係団体などに対し,本キャンペーンへの参加を呼びかけ,シンボルマークの使用奨励を行っています(ホームページ「子どもの居場所づくり」http://www.ibasyo.com)。

▲子どもの居場所づくりキャンペーンシンボルマーク

コラム3

わくわくチャレンジ広場(東京都葛飾区)

 放課後や,土曜日,夏休み等の学校休業日に,小学校の体育館,校庭,特別教室などで,学年の異なる子どもたちが自由に遊んだり,スポーツ,学習活動に取り組んだりしています。活動時間は,平日は授業終了後から午後6時まで,学校休業日は午前9時から午後6時までとなっています。

 子どもたちを指導したり,見守ったりする児童指導サポーターは,地域の方々が担っており,それぞれの特技を生かして,バドミントンやドッジボールなどのスポーツ,手芸,また英会話などを子どもたちに教えています。


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