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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
序章  「生きる力」と健やかな心と体
第1節  「生きる力」と心と体の関係


 今日の変化の激しい社会においては,他人と協調しつつ自律的に社会生活を送っていくために必要となる,人間としての実践的な力,すなわち「生きる力」を子どものころからバランスよくはぐくんでいくことが求められています。

 「生きる力」は大きく分けると「健やかな体」「豊かな人間性」「確かな学力」などから構成されています。これらは独立して機能するものではなく,例えば,運動能力,正義感,思考力など様々な要素に分かれて,日々子どもの内面で複雑に作用し合って機能するものです。このように「生きる力」は,心と体の双方と深くかかわっています。

 例えば,「人のために働きたい」という心の働きが,実際の勤労・奉仕活動という具体的な行動の前提となるように,心の働きが「生きる力」の資質・能力を支える基盤となっています。このほかにも「何だろう,なぜだろう」といった好奇心,「知りたい,できるようになりたい」といった意志などは知的活動も含めたあらゆる活動を支える要素です。一方,有意義な活動を適切に継続して行うためには健康であることが必要であり,調和のとれた食事や十分な休養・睡眠とともに,適切な運動によって体力を向上させることが不可欠です。このように体力は,人間の発達・成長を支え,創造的な活動をするために不可欠なものであり,「生きる力」を支える原動力であるといえます。

 また,体力にかかわる活動は,心の発達にも深くかかわっています。例えば,子どもは,仲間との遊びなどを通じて,身体能力を向上させるだけでなく,他者とのかかわり方を自然に身に付けるなど,知力や人間性の向上を支える基礎をはぐくんでいます。さらに,子どもたちがスポーツなどを通じて体験する,自然や仲間との交流,スポーツマンシップにのっとった行動,目標に向けての練習とその達成のための取組などは,共生感や協調性,ルールを守り公正さを重んじる精神,思いやりの心,克己心などを培う上でも大きな役割を果たしています。その一方で,体を動かすことによって得られる楽しさ,爽快感,達成感といった心の働きは,体力づくりの動機付けとなるなど,心と体は相互に作用し合っています。

 また,心と体をはぐくむ上で,自然体験や社会体験は極めて重要です。子どもは自然や社会とのかかわりの中で感動,驚き,あるいは挫折や克服といった様々な体験を積み重ねながら,たくましく「生きる力」を支える心と体をはぐくんでいきます。

 このように,心と体は「生きる力」を支える役割を果たしています。そのため,心と体の健やかな発達に資する環境づくりを推進することは,地域・学校・家庭に課せられた重大な使命であると言えます。


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