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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第12章  防災対策の充実
第2節  学校等における防災対策の充実
2  学校施設等の防災対策の向上



(1) 耐震化の推進

{1}耐震性能の向上

 平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災においては,学校などの文教施設も大きな被害を被りました。

 文部科学省では,このような地震による文教施設の被害状況などを考慮し,耐震構造設計の考え方はもとより,非構造部材など(建築非構造部材,建築設備)の耐震点検,改修方法,機能改善を伴う耐震補強(耐震改修)を行う場合の基本的な考え方などについても調査研究を実施し,平成14年3月に報告を取りまとめました。

耐震補強後の校舎(耐震ブレースの設置)(福井県)

 これらに基づき,各都道府県教育委員会などに対し,新築建築物における設計上の配慮や既存建築物の改修時において留意すべき事項などを示しました。

 また,平成14年10月から,学校施設の耐震化推進方策などについて検討するための調査研究協力者会議を開催し,この会議の成果を踏まえ,15年7月に,学校施設の耐震化推進に関する基本方針,具体的な耐震化推進計画の手法,地震動予測地図の活用方法などを内容とする「学校施設耐震化推進指針」を取りまとめ,各都道府県教育委員会などに通知しました。

 さらに,地方公共団体の学校施設担当者などを対象として,調査研究協力者会議の報告に関する講習会を開催するとともに,学校施設の耐震化推進に関する情報提供機能,相談体制の充実強化を図るため,(社)文教施設協会に相談窓口を開設しています。加えて,平成15年度から,地方公共団体,学校法人などが,所管する学校施設に関する耐震化推進計画を策定することをモデル的に支援する「学校施設の耐震化推進計画策定支援事業」を実施しています。

{2}学校施設の防災機能の強化

 学校施設については,非常災害時における児童生徒などの安全の確保を図るとともに,地域住民の応急避難場所としての役割も果たすため,相応の整備を積極的に図っていくことが重要です。

 文部科学省では,公立学校施設に関して,平成8年度から,「地震防災緊急事業五箇年計画」(17年度まで延長)に基づく公立小中学校の非木造校舎の補強事業について補助率の引上げを行うとともに,改築や耐震補強と併せて行われる耐力度調査や耐震診断に要する経費についても国庫補助対象とするなど,事業の円滑な実施に努めています。

 また,備蓄倉庫の整備や,プールの水を飲料水などとして活用するための浄水機能を有する水泳プールの整備についても国庫補助事業の対象としています。

 さらに,余裕教室を,備蓄倉庫などの地域防災のための施設に転用する場合の財産処分についても,手続を簡素化し,その転用の促進を図っています。

 国立学校施設については,第2期科学技術基本計画を受けて文部科学省が平成13年4月に策定した「国立大学等施設緊急整備5か年計画」に基づき,耐震性能の強化を含め老朽化した施設の改善についても重点的・計画的に整備を進めているところです。

 また,私立学校施設についても,耐震補強工事に要する工事費,実施設計費,耐震診断費に対して補助を行い,防災機能の強化に努めています。


(2) 災害復旧事業の実施

 文部科学省では,台風や集中豪雨,地震,火山の噴火などの災害が発生した場合,迅速かつ的確な被害情報の収集に努めるとともに,児童生徒の安全確保,被害増大の防止,二次災害の防止策などの措置を講じるよう,関係教育委員会などに依頼しています。

 平成14年に発生した災害では,東北地方に大きな被害をもたらした7月の台風第6号などが主なものとなっています。また,15年には,5月・7月の2度にわたり東北地方で発生した地震,九州で被害の多かった7月梅雨前線豪雨,全国的に被害が発生した8月の台風第10号などにより,公立学校施設においても多くの被害が発生しました。

 これら被災した公立学校施設については,学校教育の円滑な実施を確保するために,災害復旧に要する経費の一部を国庫負担(補助)しています( 表2-12-1 )。

 また,被災した国立学校施設については,教育研究の円滑な運営を確保するため,施設災害復旧費などを使用して災害復旧事業を実施しています。

表2-12-1 平成14・15年度の公立学校施設災害復旧事業


(3) 被災文教施設の応急危険度判定に係る技術的支援

 学校などの文教施設が地震により被災した場合,建築物の倒壊や落下物による2次災害から児童生徒や避難住民を守るため,早急にその被害状況を調査し,建築物の当面の使用の可否について判定(応急危険度判定)する必要があります。

 文部科学省では,阪神・淡路大震災における,被災文教施設の応急危険度判定に関する調査の経験を踏まえ,「被災文教施設応急危険度判定に係る技術的支援実施要領」を定め,被災文教施設の設置者などからの要請により,調査団を被災地に派遣し,応急危険度判定に関する調査を実施する体制の整備を図っています。

 また,被災文教施設の応急危険度判定の調査方法に関する指針として,「被災文教施設応急危険度判定方法について」を策定するとともに,講習会などにより被災文教施設応急危険度判定士の養成にも努めています。


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