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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第9章  心豊かで元気のある社会を実現するための「文化力」の向上
第4節  文化財の保存と活用
5  史跡・名勝・天然記念物等の保存・整備・活用



(1) 指定

 現在,文化庁では,史跡については新発見の遺跡,中世の城跡,産業・交通関係の遺跡を中心に,名勝については庭園や優れた景勝地を中心に,天然記念物については動植物・地質鉱物の全国実態調査により保存すべきであるとされたものなどを中心に指定を進めています。明治以降の近代の遺跡については,全国調査の結果に基づいて,保存の必要があるものについて選択し,条件の整ったものから順次史跡に指定していくこととしています。なお,平成14年12月に4世紀築造の前方後円墳である闘鶏山古墳(大阪府)が,15年8月に仙台藩主伊達氏の居城である仙台城跡(宮城県)や江戸市中への給水を目的に開削された玉川上水(東京都)などが史跡に指定されています。

史跡「玉川上水」(東京都)


(2) 史跡などの保存

 文化庁では,史跡などに指定された遺跡・景勝地などについては,保存管理計画の策定,復旧(保存修理),環境整備,天然記念物の保護のための事業を国庫補助により実施するとともに,文化財保護と開発事業などとの調整が必要な場合には,地方公共団体が国庫補助を受けてその土地などを買い取るなどにより,実質的な補償に配慮しています。

 なお,税制面での支援措置として,史跡などに指定された土地を国や地方公共団体などに譲渡した場合の所得税・法人税の軽減が図られています。


(3) 史跡などの整備・活用

 史跡などを将来にわたって保存し広く活用するため,文化庁では,ふるさとの歴史や文化,自然と触れ合う場として歴史的建造物などの復元,ガイダンス施設,野外観察施設などの建設を行い,史跡などを総合的・複合的に整備する「史跡等総合整備活用推進事業(ふるさと文化の体験広場事業)」を国庫補助により実施しています。

 また,我が国の歴史を理解する上で重要な街道や水路などのいわゆる「歴史の道」については,全国各地で「歩き・み・ふれる歴史の道」事業を文化庁の提唱で行っており,平成15年度は東京都国分寺市で中央大会を行いました。このほか,「歴史の道」を地域の文化財をつなぐネットワークの軸線として,交通関連遺跡などと一体的に整備・活用する「歴史の道整備活用推進事業」を実施しています。

名勝「諸戸氏庭園」(三重県)

天然記念物「月出の中央構造線」(三重県)


(4) 文化的景観の保護の検討

 文化庁に設置された「農林水産業に関連する文化的景観の保存・整備・活用に関する検討委員会」において,平成15年6月に報告が取りまとめられ,文化的景観の重要地域として180か所を選定しました。今後は,これらの保護の在り方について検討していきます。


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