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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第7章  科学技術システムの改革
第4節  研究開発基盤の整備
3  研究情報基盤の整備


 高度情報化の急速な進展の中で,研究開発の現場では先陣を切って研究情報基盤の整備が進められており,今後も,情報通信技術の急速な進展に対応して,引き続き研究情報基盤の整備を進めるとともに,これらの基盤の一層の活用を図り,研究開発情報の収集,発信を通じて,我が国の研究開発の高度化・効率化を図ることが重要とされています。文部科学省では,大学と各種研究機関の連携を図りつつ,ネットワークやデータベースなどの研究情報基盤の整備を進めています。


(1) ネットワークの整備・充実

 文部科学省では,大学や研究機関における研究情報の流通の基盤となるネットワークを整備・充実することにより,研究開発の情報化を推進しています(参照: 第2部第10章第2節5 )。

{1}学術情報ネットワーク(SINET)及びスーパーSINETの構築

 学術情報ネットワーク(SINET)は,大学などの研究者が必要とする学術情報を流通するための基幹的ネットワークであり,国立情報学研究所(平成16年4月より大学共同利用機関法人情報・システム研究機構。以下同じ)を中心に全国の国公私立大学などを結んでいます。また,海外の研究ネットワークや民間のネットワークとも接続し,研究情報の流通を図っています。さらに,14年1月から,先端的研究機関を最速10Gbpsの回線で接続する世界最速の研究ネットワーク「スーパーSINET」を構築し,スーパーコンピュータの遠隔利用,超高速ネットワークを活用した分散型共同研究,大容量データの共有・活用などが可能となるなど,学術研究の飛躍的発展に貢献しています。

{2}ITBL(IT-Based Laboratory)の構築と活用

 日本原子力研究所,理化学研究所,宇宙航空研究開発機構などの研究機関のスーパーコンピュータをネットワーク化することにより,複雑で高度なシミュレーション(模擬実験)や遠隔地との共同研究を可能とする仮想研究環境を構築し,計算資源の有効活用を目指しています。

{3}大学等における情報基盤の整備

 大学などのキャンパスにあるコンピュータや情報機器を,通信回線で接続するネットワークである学内LANを整備することにより,教育研究の一層の情報化・高度化を推進しています。また,国立大学において,学内LANの管理や研究開発に必要な高速計算機の運用を行う情報基盤センター,総合情報処理センターなどの情報関係施設を整備し,教育研究を支援する情報基盤の充実に努めています。


(2) 研究情報流通の促進

 文部科学省では,研究者が必要な研究情報を迅速かつ的確に入手するために不可欠なデータベースの整備や,研究情報の発信・流通を促進するシステムの開発を推進しています。

{1}研究情報データベースの整備

(ア)文献情報

 科学技術振興機構では,国内外の科学技術文献を収集して,その二次情報(抄録)を作成し,オンライン情報システム(JOIS)や国際科学技術情報ネットワーク(STN)を通じて提供しています。国立情報学研究所では,大学図書館などが所蔵する学術図書・雑誌の総合目録データベース(NACSIS-CAT)を作成しています。また,同研究所において,学術研究の成果として生み出される各種データベースをインターネットで提供しています(NACSIS-IR)。

(イ)研究資源情報,研究者情報等

 科学技術振興機構では,研究開発や技術業務にかかわる様々な失敗事例を体系的に収集した失敗知識データベースを開発しているほか,独立行政法人などに蓄積されている知的ストックをデータベース化し,ネットワーク上で広く流通させる研究情報データベース化事業を実施しています。

 また,我が国の研究機関における研究成果の発信を促進するために,研究者,研究機関,研究課題などに関する総合的なデータベースを作成し,インターネットで提供しています。

{2}研究情報の発信・流通の促進

(ア)デジタルコンテンツ の整備

 大学などから発信される多種多様な情報から研究者が必要とする研究情報を統合的に利用することを可能とする「学術コンテンツポータルシステム」を国立情報学研究所において開発しています。また,科学技術振興機構では,我が国からの研究成果の情報発信機能を強化するために,学協会の学会誌・論文誌などの投稿・編集・出版を電子化するためのシステム(J-STAGE)を構築し,学協会に提供しています。

 さらに,日本発の電子的な有力学術雑誌の育成を目的とする「国際学術情報流通基盤整備事業(SPARC/JAPAN)」により,国際競争力が期待できる日本発の英文学術雑誌を公募により選定し,「編集・査読システムの国際的支援」,「ビジネスモデルの創出支援」のためのコンサルティングなどを行い,また,国内大学図書館,海外関係団体などとの連携により,国際流通を促進しています。

(イ)大学図書館における情報サービス

 大学図書館は,教育研究活動を支える情報拠点として重要な役割を果たしています。このため,奈良先端科学技術大学院大学をはじめとする15大学において,電子図書館的機能を整備し,各大学で生産された論文などの成果物を電子化し,情報発信しています。また,外国雑誌センター館では,特に収集の困難な外国雑誌を体系的に収集し,全国的な利用に供しています。


* デジタルコンテンツ

 デジタル情報で表現された情報の内容,中身。


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