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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第6章  研究開発の戦略的重点化
第3節  宇宙・航空分野の研究・開発及び利用の推進
2  フロンティアの拡大



(1) 宇宙科学

 宇宙科学分野は,大学共同利用機関である宇宙科学研究所(現在は宇宙航空研究開発機構)を中心に進められ,これまでに26機の科学衛星が打ち上げられています。これらの衛星により,太陽活動,地球周辺の宇宙環境や銀河をはじめとした太陽系外の天体などを観測し,世界的に評価の高い成果を挙げています。

{1}第20号科学衛星(MUSES−C)「はやぶさ」

 「はやぶさ」は,小惑星や彗星などの始源天体から,岩石・土壌などのサンプルを採取し,地球に持ち帰るミッションに必要な電気推進系,惑星間自律航法,サンプル採取,地球大気再突入や回収などの技術の習得を目的とし,平成15年5月にM−Vロケット5号機で打ち上げられました。同年9月には,電源推進系の運用時間1,000時間を達成しており,17年度の小惑星到達を目指して航行を続けています。

{2}第17号科学衛星(LUNAR−A)

 衛星から月面へペネトレータと呼ばれる観測機器を打ち込み,月震や熱流量の観測を行うことにより,月の中心核の存在とその大きさを確認し,月の構成物質の物性を調べ,月の起源を解明することを目的として,LUNAR−Aの平成16年度の打上げを目指して開発を進めています。

第17号科学衛星(LUNAR-A)

{3}月周回衛星(SELENE)

 月全域について元素分布,鉱物分布,地形・表層構造,環境,月の重力分布を計測し,月の起源と進化を解明することや月探査技術の開発・蓄積を目的として,SELENEの平成18年度の打上げを目指して開発を進めています。

{4}第23号科学衛星(ASTRO−EII)

 銀河団,ブラックホール,超新星残骸などのX線観測を行うことにより,宇宙の大構造の形成と進化,ブラックホール周辺の物質状態,高エネルギー粒子の加速機構などを解明することを目的として,ASTRO−EIIの平成16年度の打上げを目指して開発を進めています。

第23号科学衛星(ASTRO-EII)

{5}第21号科学衛星(ASTRO−F)

 近赤外から遠赤外に至る広い波長域にわたり,従来よりはるかに高い感度で多数の原始銀河,原始星,赤外線星,原始惑星系円盤などの観測を行うことにより,銀河・星・惑星系の形成と進化を解明することを目的として,ASTRO−Fの開発を進めています。

{6}第22号科学衛星(SOLAR−B)

 可視光望遠鏡,X線望遠鏡などを組み合わせて,太陽大気の構造とダイナミックな磁気活動を高精度で観測し,太陽大気(コロナと彩層)の成因とフレア などの太陽活動の原因を解明することを目的として,SOLAR−Bの平成18年度の打上げを目指して開発を進めています。


* フレア

 太陽表面における爆発のこと。


(2) 宇宙環境利用

 宇宙空間では,長時間の微小重力,高真空,宇宙放射線など地上では得がたい環境条件を利用することができます。これらの環境条件を用いて,科学研究,実験,観測などの広範な活動を行うことによって,新たな科学的知見の創造や経済社会基盤の拡充に寄与する様々な成果が得られることが期待されています。

 文部科学省では,地上の落下施設や航空機など短時間の微小重力環境を得られる実験手段を利用した公募型の地上研究制度の推進や,スペースシャトル,国際宇宙ステーション(ISS)などを利用した宇宙実験などを行っています。

 平成15年1月に実施した米国スペースシャトル・コロンビア号による科学実験は,コロンビア号の帰還時に発生した事故により大部分の実験結果を喪失したため,十分な成果を得るには至りませんでしたが,同年2月から,ISSのロシアモジュールを利用した蛋白質結晶成長実験を開始し,蛋白質の機能・構造解析分野における宇宙環境利用の有効性を実証する試みを行っています。

 また,科学研究以外の分野においても,ISSを利用した教育プログラムなどの実施や,民間企業などによる商業利用を想定した試行的な取組を行っているほか,芸術・文化利用への試みも実施しています。

教育プログラム「第4回宇宙授業」風景(資料提供:宇宙航空研究開発機構)

蛋白質結晶成長実験(資料提供:宇宙航空研究開発機構)


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