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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第5章  科学技術・学術政策の総合的推進
第1節  科学技術・学術政策の展開
2  科学技術・学術の振興のための取組



(1) 年次報告(科学技術白書)

 「科学技術の振興に関する年次報告」(科学技術白書)は,科学技術基本法第8条に基づき,政府が科学技術の振興に関して講じた施策について,文部科学省が取りまとめて毎年国会に提出している報告書です。平成15年版科学技術白書では,「これからの日本に求められる科学技術人材」と題して,科学技術人材について,研究者や技術者をはじめ,研究活動を補助する人材,研究成果を社会に活かす人材,科学技術と一般国民との橋渡しをする人材などの総体と位置付け,優秀な科学技術人材を惹き付け,育てる社会の在り方について述べているほか,14年度に政府が講じた施策を取りまとめています。


(2) 科学技術に関する経費の見積り方針調整について

 我が国の科学技術行政は,複数の府省において実施されています。国全体として整合性を保ちつつ,効率的・効果的に科学技術の推進を図るためには,総合科学技術会議の示す方針などに基づき,関係府省間の科学技術に関する施策の重複の排除や,連携強化を推進するなど適切な調整を行うことが必要です。

 科学技術に関する経費の見積り方針調整制度は,こうした調整を行うための重要な手段であり,関係府省における科学技術に関する経費の概算要求に当たり,文部科学省は,総合科学技術会議の示す資源配分方針などを踏まえ,必要な調整を行っています。なお,原子力利用に関しては原子力委員会,地震調査研究に関しては地震調査研究推進本部が調整を行っており,科学技術関係経費の調整に当たっては,それらの調整の結果を尊重しています。


(3) 我が国の科学技術・学術の現状把握

 我が国の科学技術・学術の現状を的確に把握することは,科学技術・学術行政を効果的に推進していく上で重要です。このため,文部科学省では,我が国や諸外国の科学技術・学術の現状を示す次のような調査やデータ収集などを行い,新しい科学技術・学術政策の企画立案やフォローアップ(追跡調査)などに資するとともに,出版物やホームページによる公開も積極的に行っています。

{1}「民間企業の研究活動に関する調査」

 民間企業の研究の動向を把握・分析するため,毎年度特定のテーマを基に約2,000社を対象として実施しているアンケート調査。平成14年度は,科学技術人材の状況を中心に調査を実施。

{2}「我が国の研究活動の実態に関する調査」

 我が国の研究活動の状況と今後の課題を明らかにするため,産学官の研究者2,000名を対象に実施しているアンケート調査。平成14年度は,科学技術人材をテーマとして調査を実施。

{3}科学技術要覧

 世界各国の科学技術に関するデータ集。


(4) 科学技術振興調整費の活用

 我が国は,科学技術創造立国の実現のため,総合科学技術会議が作成する科学技術に関する総合戦略とそれを踏まえた科学技術基本計画に基づく具体的な施策を積極的に展開することにより,科学技術を振興し,国際競争力の強化,少子高齢化社会や情報通信革命への対応,地球規模での環境問題など,多くの課題を克服していく必要があります。

 このような課題に取り組むため,総合科学技術会議が,我が国全体の科学技術に関する施策を俯瞰した上で,科学技術に関する予算,人材その他の科学技術の振興に必要な資源の配分方針に沿って,科学技術振興調整費を機動的かつ戦略的に活用することとしています。具体的には,以下の施策であって,各府省の施策の先鞭となるもの,各府省ごとの施策だけでは十分対応できていないもの,複数機関の協力により相乗効果が期待されるもの,機動的に取り組むべきものなどで,政策誘導効果が高いものに活用します。

{1}優れた成果の創出・活用のための科学技術システム改革
{2}将来性の見込まれる分野・領域への戦略的対応など
{3}科学技術活動の国際化の推進

 なお,科学技術振興調整費による実施課題などの選定に際しては,総合科学技術会議が科学技術振興調整費の配分の基本方針を作成し,文部科学省が総合科学技術会議の方針に沿って,実施課題の公募・審査に関する事務などを行うこととしています。


(5) 科学技術政策研究所の調査研究

 複雑化・高度化する社会や経済の構造変化に対応し,適時・的確に科学技術政策を展開するため,政策立案の基盤となる科学技術政策研究の新たな展開が必要とされています。科学技術政策研究所では,科学技術政策展開の基礎となる事項について理論的・実証的な調査研究を行う中核的研究機関として,国内外の関係機関との連携・交流を図りつつ,以下のような調査研究活動を積極的に推進しています。

{1}研究開発に関する調査研究

 内外の研究開発と科学技術の動向の把握,人材の育成・確保,研究開発資金,研究体制・環境,国際研究協力の在り方などに関する調査研究

{2}技術の経済社会ニーズへの適応過程に関する調査研究

 イノベーション 促進方策,技術者などの養成・確保,研究開発・技術進歩と経済成長との関係などについて調査研究

{3}科学技術と社会の包括的な関係に関する調査研究

 科学技術と社会の橋渡しの強化(研究・技術開発,技術の経済社会ニーズ(需要)への適応に社会の意向を反映させる方策の検討)などに関する調査研究

{4}共通・基盤的,総合的な調査研究

 科学技術指標の開発・整備,地域科学技術・イノベーションの調査研究など,上記{1}〜{3}に共通して基盤となる総合的な調査研究

 また,平成15年度から2年間にわたって,次期科学技術基本計画策定に向け,科学技術振興調整費を活用して,「第1期・第2期科学技術基本計画の達成効果の評価のための調査」(基本計画レビュー)と「科学技術の中長期発展に係る俯瞰的予測調査」(第8回技術予測調査)を実施することとしています。

 なお,科学技術政策研究所の調査研究の成果については,出版物やホームページなどによる公開も積極的に行っています。


* イノベーション

 生産技術の革新だけでなく,新商品の導入,新市場・新資源の開拓,新しい経営組織の実施などを含む概念。


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