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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第2章  初等中等教育の一層の充実のために
第9節  魅力ある優れた教員の確保
3  義務教育費国庫負担制度及び関連諸制度の改革



(1) 義務教育費国庫負担制度の見直し

 義務教育は,憲法の要請により,すべての国民が必要な基礎的資質を培うことができるようにするためのものであり,その水準を全国的に確保することについては,国は重大な責任を負っています。義務教育費国庫負担制度は,すべての国民が,全国どの地域においても無償で一定水準の義務教育を受けられるようにするため,公立の義務教育諸学校の教職員給与費について,都道府県が負担した経費の2分の1を国が負担する制度です。この制度は,国が法律によって学級編制や教職員定数の標準を定める制度とあいまって,教育の機会均等とその水準の維持向上のために重要な役割を果たしてきています。

 この義務教育費国庫負担制度については,「国と地方に係る経済財政運営と構造改革に関する基本方針(平成14年12月24日閣議口頭報告)」に基づき,義務教育に関する国の責任を適切に果たしつつ,国と地方の役割分担・費用負担の在り方の見直しを図るという観点に立って,15年度から,負担対象経費のうち共済費長期給付及び公務災害補償基金に関する部分(約2,200億円)について一般財源化しました。また,現在,「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003(15年6月27日閣議決定)」に基づき,義務教育費に関する経費負担の在り方について,中央教育審議会において,義務教育制度の在り方の一環として検討を行うとともに,義務教育に関する地方の自由度を大幅に拡大する観点から,16年度に,負担金総額の使い道を地方の裁量にゆだね,都道府県が給与,教職員の配置を自主的に決定する「総額裁量制」の導入を行うこととしています。


(2) 関連諸制度の改革

 文部科学省では,義務教育費国庫負担制度の見直しとともに,関連する諸制度について,地方の権限と責任を拡大する観点からの見直しを行っています。

{1}学級編制・教職員定数の弾力化

 公立の義務教育諸学校の学級編制については,法律の定めにより,1学級40人を上限とすることを標準として,各都道府県教育委員会が基準を定めることとなっています。平成13年度から,地域の実情や児童生徒の実態に応じた学校教育の充実を図るため,特に必要と認められる場合には,各都道府県教育委員会の判断により,特例的に少人数の学級編制基準を設けることを可能にしました。これにより,現在,小学校低学年で30人程度の学級編制とするなどの取組が全国的に広まっています。

 これに加えて,平成15年度から,各都道府県の判断により,標準の範囲内で40人を下回る一般的な基準(例えば県内一律の38人学級編制)を定めることも可能となるよう,制度の運用の弾力化を行ったところです。また,個別の学校ごとの事情に応じて,児童生徒に対する教育的配慮の観点から,基準にとらわれない柔軟な学級編制も可能となっています。

 さらに,平成16年度から,各都道府県の判断で少人数学級編制を行う場合にも,国庫負担対象となる加配定数を使用することが可能になるよう,教職員定数加配制度の弾力化を図ることとしています。

{2}公立学校の教員に係る給与制度の見直し

 これまで,公立学校の教員の給与については,国立学校の教員の給与の種類と額を基準として定めること(国立学校準拠制)とされていました。しかし,平成16年4月から国立大学が法人化され,国立学校の教員が「国家公務員法」などの適用を受けない国立大学法人の職員となることから,国立学校準拠制を廃止し,各地方公共団体が,地域ごとの実態を踏まえて給料や諸手当の額を主体的に定めることができるようにしました。これにより,16年度からは,地方の判断により,工夫を凝らした教員給与制度を整備することが可能となります。

 なお,今回の改正後も現行の教員給与体系の基本は維持されることから,「学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法」の趣旨などを踏まえ,公立学校の教員の給与について引き続き必要な水準を維持するとともに,教員の職務と責任の特殊性に基づき,給料や手当を適切に支給することが求められます。

{3}構造改革特区における市町村費負担教職員任用事業

 市町村立小中学校などの教職員の給与費については,財政上の理由から生じる市町村間の給与水準格差が,地域における教育水準の格差につながることなどを理由として,市町村に代わって都道府県が市町村立小中学校などの教職員を任用した上で,その給与を負担することとしています(県費負担教職員制度)。

 構造改革特別区域法の制定により,平成15年度より構造改革特区において,地域の実情に応じて教育や特色ある学校づくりを図るため,教育上特に配慮が必要な事情がある場合には,県費負担教職員に加えて,市町村が自ら給与を負担することにより,市町村立小中学校などの教職員を任用することができるようになりました。これにより,市町村が独自の判断で地域の人材を教員として任用し,地域の特性に応じた学校教育の充実や各学校における特色ある学校づくりが可能となり,学校教育の個性化・多様化の一層の進展が期待されています。

 今後,構造改革特区における市町村費負担教職員任用事業の実施状況などを踏まえ,都道府県,市町村,教育関係者などの意見を聞きながら,市町村費負担教職員任用事業の全国化についての検討を進めることとしています。

{4}政令指定都市に関する制度の見直し

 政令指定都市立の小中学校の教職員の任命権については,道府県教育委員会から政令指定都市教育委員会に既に移譲されていますが,その給与については,道府県が負担しています。義務教育に関する経費負担の在り方については,現在,中央教育審議会において検討が行われており,今後,この検討結果や関係道府県,政令指定都市など関係方面の意見などを踏まえ,実現を図ることとしております。


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