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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
第4章  諸外国の高等教育改革
第7節  韓国
2  世界水準の大学作り


 1995年以降の大学改革では,設置基準の簡素化(土地建物・教員数など最低基準のみを規定)や大学による入学定員決定などによってそれまでの規制を緩和し,多様化・個性化を図る施策がとられました。こうした大学改革は,1999年に開始された「頭脳韓国21」(BK21)という事業によって更に推進されています。

 「頭脳韓国21」は,世界水準の研究大学の育成と地方大学の競争力強化を目的に,特定大学に対し毎年総額2,000億ウォン(200億円)を7年にわたって交付する補助金事業です。また,研究重点大学院を中心に持つ大学育成のために毎年495億ウォン(50億円)の補助金を3〜5年交付するプログラムも,同事業で実施されています。補助金は大学(又は複数大学)が組織するプロジェクトチーム(事業団)に対し交付されますが,最終的に選定されたプロジェクトチームは73大学に及びます。これらの大学は,米国などの優れた大学(「ベンチマーク 大学」)との共同研究,大学院生の派遣,教授の招聘などの交流とともに,専攻別入試の廃止(入学後の専攻決定),学部定員の削減,教員の業績評価,専門大学院(プロフェッショナルスクール)の開設などの改革が求められ,大学改革の推進力ともなっています。また,毎年補助金を受けている大学の実績を評価し,その結果によって交付額の見直しも行われています。

 このような評価に基づく財政支援については,ほかにも教育改革の進展状況に対して公私立大学に毎年総額150億ウォン(15億円)の助成を2000年から開始するなど,近年多様な展開が見られます。

 こうした政府の評価・財政支援事業に先んじて,韓国では大学連合組織による大学評価も1994年から本格的に実施されています。この評価は,大学の教育・研究が一定水準に達しているかを認定するアクレディテーション方式で,2001年まで7年かけた第1段階ではすべての4年制大学(171校)を認定しました。また,この機関別評価とは別に,1999年から学科別評価を実施しています。この評価では,結果を4段階(最優秀,優秀,普通,改善要求)で評定することにより競争性の要素を導入しました。

 さらに,2000年に政府から発表された国立大学改革案も,競争原理を取り入れて大学を活性化させようとするものです。改革案は,国立大学44校(全大学の4分の1)を対象に,{1}類型別(研究中心,教育中心など)に全国7ブロックに分けた再編統合,{2}自律的な運営(学外者を含めた意思決定機構の設置),{3}教員の任期制(新任教員)と業績による処遇,{4}第三者評価に基づく予算配分を提起し,その実現に向けて検討が続けられています。

 産学連携については,大学におけるベンチャー企業育成が挙げられます。中小企業庁による「ベンチャー企業育成に関する特別措置法」(1997年)などに基づき,大学内で教員や学生によるベンチャー企業の創業が活発化し,大学には起業を育成支援する「ビジネス・インキュベーター(創業保育センター)」が設置されています。


*ベンチマーク

 測量において高低の基準となる水準点のことで,転じて,物事の基準となるもの。


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