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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
第4章  諸外国の高等教育改革
第5節  ドイツ
2  高等教育機関の裁量拡大と業績主義の導入


 連邦政府は,高等教育を活性化し,国際競争力を強化するための方策として,高等教育機関の裁量拡大と業績主義の導入を基調とする改革を進めています。

 裁量権の拡大により,学位制度の改革においては,欧州共通の枠組みとして導入が推奨されている学士課程(標準学修期間3〜4年)と修士課程(同1〜2年)を,高等教育機関独自の判断で開設できるようになりました。学士・修士の学修課程は急速な拡大を見せ,2003年8月には全課程の16%を超えるに至りました。この拡大の背景には,伝統的な第一学位(マギスター,ディプローム)が,取得までの標準学修期間が4年〜4年半と比較的長い上,ドイツ固有の学位であるため国際的流通度が低く,外国での就職に不利となるという危惧がありました。

ベルリン市のフンボルト大学本館(左は創設者ヴィルヘルム・フォン・フンボルトの)像

 また,高等教育機関の法的地位についても,独立性を高めた形態を認めるようになりました。ドイツの州立高等教育機関は,「公法上の団体であり,同時に国(州)の機関である」という二重の性格を持っていますが,ニーダーザクセン州は2003年,5校の州立高等教育機関に対し,国(州)の機関としての性格を除去し,自己財産の運用や独自財源の獲得,学内予算配分などのより大きな財政面の裁量権を持つ法的地位を認めました。これは,高等教育大綱法が従来と異なる法的地位を認めたことによるものです。

 裁量権拡大の一方で,新たな質の保証のメカニズムも整備されつつあります。各州と大学学長会議は,1999年に,一定の教育水準を持つことを認定するアクレディテーション制度を導入しました。アクレディテーションは学士と修士の学修課程について開始されましたが,その後,一部のマギスター課程やディプローム課程,新設の私立大学などにも拡大されています。

 アクレディテーションとともに,結果を予算配分に反映させる州による評価も高等教育大綱法に規定され,一部の州では既に実施されています。バーデン・ヴュルテンベルク州は,2001年に,全体の機関経費の14%相当額を,13種類の指標を用いた評価結果に基づき各高等教育機関に配分すると発表しました。ベルリン市も業績に基づく学内予算の配分を行っています。

 また,業績主義は教員に対しても導入されました。2002年に,連邦政府は,勤務年数を基礎としていた給与体系に,特別任務の有無,研究,教育などの実績に基づく給与分を組み入れる改革を行いました。

 このほか,教育と研究の質向上に向けて,2002年に,連邦政府は,平均40歳前後で任用される終身制の教授職以外は助手しかなかった教員職に,独立した研究活動が認められる任期制の「準教授」を新設し,若手研究者を育成する施策を進めています。


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