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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
第4章  諸外国の高等教育改革
第5節  ドイツ
1  長期在学者数の抑制


 ドイツの高等教育進学率は,イギリスやフランスと比べて伸びは緩やかで,1990年代は30%程度で推移しています。ドイツでは,高等教育と並行してマイスターなど専門技術者を養成する職業教育システムが確立されており,職業志向の短期課程を高等教育に取り込んで拡大している他国とは異なる制度であることが,この背景の一つであると見られます。職業教育については,政府は奨学金を出すなど拡充を図っています。

 高等教育については,長期在学者の増加が大きな問題となっています。授業料が徴収されないことや修了試験が厳格なことなど様々な要因から,平均在学期間は大学で6〜7年と長引き,在籍する学生は定員の2倍近いと言われています。

 長期在学者を抑制し,人材養成の効率化を図るため,試験制度の改革や授業料の導入など様々な対策が講じられています。修了試験については,1998年に,一般に2回に制限されてきた受験回数を緩め,早期に受験した場合には不合格であっても受験回数に含めないとする「試し撃ち」制度を導入することで,早期受験を促しました。

 一方,成人の学習機会については,ドイツの大学では,大学入学資格が生涯有効で,成人になってからでも若年者と同じように原則無選抜で入学できることが,成人の就学を容易にしています。このため,30歳以上の成人が全学生の約2割となっています。また,近年,インターネットを利用した遠隔教育の普及にも力が入れられるようになりました。遠隔教育の中心は,長らく通信制の総合大学であるハーゲン大学が担ってきましたが,連邦政府は,インターネットによる高等教育機関のネットワーク整備や各高等教育機関の遠隔履修プログラムの提供に重点的な補助を行うことにより,遠隔教育の普及を後押ししています。


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