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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
第4章  諸外国の高等教育改革
第3節  イギリス
1  高等教育人口の拡大と学習機会の充実


 1980年代後半から政府のテコ入れによってイギリスの高等教育人口は急増し,パートタイムを含む進学者は,現在,通常の高等教育入学年齢である18歳人口を上回る規模になっています。100%を超える進学率は,成人学生を多く含んでいるためであり,30歳までの青年層に限定すると進学率は43%となり,政府は更にこれを2010年までに50%に引き上げる目標を掲げています。

 政府は,進学を奨励するための学生支援にも力を入れています。1998年に導入した授業料についても,全学生に課すのではなく,経済事情に基づいて半数以上の学生が減免を受けています。さらに,2006年から授業料を卒業後に支払うことも認めることとしており,2004年からは低所得家庭の学生のために就学困難学生奨学金(年額1,000ポンド)の導入も予定しています。

 成人学生が飛躍的に増えた一つの要因は,パートタイム就学が増えたことです。学部レベルでは全学生の36%が,大学院レベルでは全学生の63%がパートタイム学生で占められています(2001年)。また,1971年に開校した公開大学(Open University)もテレビ・ラジオなどを利用した授業を提供し,成人の学習機会拡大に貢献してきました。2001年に在学者は約19万人に達しています(上記の進学率には公開大学も含まれています)。

 公開大学では,近年インターネットなどの情報技術を多く活用するようになり,授業提供の手段は変化しつつあります。政府は,こうした新しい情報通信手段を活用して更に学習機会の飛躍的拡大を図るため,1998年に「国民産業大学」(University for Industry)を設置しました。同大学は,学位授与を行う通常の大学ではなく,既存の継続教育カレッジレベルの教育訓練プログラムをインターネットなどを通じて提供する機関です。2003年5月現在,約88万人が学習しています。

 また,政府は,外国の学生も対象に入れ,既存の大学の学位課程をインターネットにより提供する「e-ユニバーシティー」を2001年に設立しました。2003年現在,ケンブリッジ大学やロンドン大学を含む15余りの大学が,e-ユニバーシティーを通じて世界に学位プログラムを提供しています。


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