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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
第4章  諸外国の高等教育改革
第2節  アメリカ合衆国
3  自主努力による財源確保へ


 アメリカの大学は,学生数で見ると,州立大学が77%と多くなっています(2000年)。州立大学の経常費の主たる負担者は州ですが,州交付金に連邦政府の研究補助金などを含めた公財政支出の占める割合は経常費の約51%(1999年度)を占めるに過ぎず,経費の約半分を授業料,民間からの寄附金や研究補助金,基本財産収入など多岐にわたる財源で賄っていることが大きな特徴です。

 この公財政の割合は,1980年代以降徐々に減少する傾向にあります。特に大きいのは州の交付金の減少です。1980年に全収入の46%を占めていたものが,1996年には36%となっています。この背景にあるのが,1980年代以降の州の財政逼迫です。

 このため,州立大学は財源確保への自主努力を余儀なくされました。大学は,これについて,授業料の値上げのほか,教職員の削減,複数の大学を一つの組織として管理する「大学システム」の再編などの大学組織のスリム化,運営効率化で対処しました。4年制大学の授業料は1992〜2002年の10年間で実質平均で38%値上げされています。この授業料の値上げに対して,連邦政府は既に大きな事業となっている従来の奨学金事業を充実させる(例えば最大規模のペル給与奨学金は2000年に400万人近くが受給)とともに,減税措置(HOPE Scholarship)などの支援策を新たに導入しました。

 また,財政の逼迫は,税金によって運営される州立大学へのアカウンタビリティ強化への動きとなって現れ,さらに予算の効果的な使用も求められています。上に述べた州の大学評価や大学の組織再編は,その現れであるといってよいでしょう。


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