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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
第2章  高等教育改革の新展開
第4節  教育研究の一層の充実のために
3  学生支援の充実



(1) 日本学生支援機構の設立の経緯と目的

 平成13年12月に閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」などを受け,第156回通常国会において独立行政法人日本学生支援機構法が成立し,15年6月18日に公布され,16年4月に日本学生支援機構(以下「機構」と言う)が設立されることとなりました。機構では,これまで国,日本育英会,留学生関係公益法人においてそれぞれ実施されていた日本人学生や外国人留学生などに対する各種支援策を総合的に実施し,次代の社会を担う豊かな人間性を備えた創造的な優れた人材を育成するとともに,国際相互理解の増進を図ることを目的としています ( 図1-2-17 )。


(2) 日本学生支援機構の主な業務

{1}奨学金貸与事業

 機構では,日本育英会の奨学金事業を引き続き実施することとしています。日本人学生に対する奨学金の種類や貸与基準,貸与利率など制度の基本的な枠組みはこれまでと変わりませんが,奨学金事業の一層の充実を図るため,平成16年度からは次のような制度を導入することとしています。

 1点目は,大学院生に対する奨学金の新たな返還免除制度の導入です。学生の大学院進学に対する意欲を高めるとともに,その勉学の励みとなるよう,これまでの教育・研究職に就いた者を対象とする免除職制度を廃止し,在学中に特に優れた業績を挙げた大学院生を対象として,卒業時に返還を免除する制度を創設することとしています。

 また,法科大学院の学生に対する奨学金の増額や,海外に留学する日本人学生への奨学金の貸与など,時代の要請に応じた改善を行う予定です。

 2点目は,機関保証制度の導入です。この制度は,奨学金の貸与を受ける場合に必要となる連帯保証人や保証人に代えて,一定の保証料を保証機関に支払うことにより,保証機関の保証を受ける制度です。これにより,連帯保証人などの確保が困難な学生であっても,自己の意思と責任によって奨学金の貸与を受けることが可能となり,学生の利便性向上に資するとともに,学生の自立という観点からも意義があるものです。連帯保証人などの制度についても継続することとしており,機関保証制度とどちらを選択するかは,学生が自主的に判断することとなります。

図1-2-17 日本学生支援機構の概要

 このほか,これまで日本育英会が実施してきた高校奨学金事業については,地方分権の推進などの観点から,平成17年度以降に高等学校や専修学校の高等課程に入学する生徒を対象とするものから都道府県に移管することとしています。その際,文部科学省としては,各都道府県において,これまでの高校奨学金の貸与水準を維持するとともに,円滑に奨学金事業を実施できるよう必要な支援を行っていくこととしています。

{2}留学生に対する支援事業

 機構においては,これまで国や関係公益法人で個々に実施してきた留学生支援業務を総合的に実施するとともに,きめ細やかで充実した支援を行うこととしています。

 具体的には,機構では,我が国の大学などに在籍する外国人留学生や海外に留学する日本人学生に対する奨学金の支給を行うこととしており,特に日本人学生の海外留学に対する支援の充実を図る予定です。

 また,機構では,全国10都道府県(北海道,宮城,東京,石川,京都,大阪,兵庫,広島,福岡,大分)に留学生宿舎を保有するとともに,これらの留学生宿舎を国際学生交流拠点として活用し,外国人留学生と日本人学生との交流をはじめ,地域住民や小中学生などが参加する多彩な交流事業を実施することとしています。

 さらに,我が国や海外の留学に関する情報提供や相談業務を充実するとともに,日本への留学希望者が我が国の大学などに円滑に入学できるよう,日本留学試験を国内外で広く実施することとしています。加えて,国費留学生をはじめ,外国人留学生のための日本語予備教育を実施します。

 このほか,帰国後の外国人留学生に対するフォローアップ(事後支援)事業や,各大学などの留学生担当教職員に対する研修などを実施することとしています(参照: 第2部第10章第1節 )。

{3}その他の学生支援事業

 機構では,上記のほか,学生相談や就職指導,インターンシップ,大学間の学生交流などについて,大学などにおける学生支援業務の充実に役立つ様々な情報を収集・整理し,大学や関係機関などに提供することとしています。あわせて,大学や関係機関などに対する相談・助言やコーディネート ,研修事業なども行うこととしています。


* コーディネート

 物事を調整し,まとめること。


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