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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
第2章  高等教育改革の新展開
第2節  多様な社会の要請にこたえる
3  地域貢献の推進



(1) 地域貢献特別支援事業

{1}大学と地方公共団体の地域交流の現状と課題

 近年,地域活性化の起爆剤,地域づくりの核として,地元大学を積極的に活用した各種の取組が注目されています。これは地方公共団体にとっては,地域産業振興という視点だけではなく,医療・福祉・人材養成,文化など全般にわたり,長年にわたって蓄積された大学の人的・物的資源や総合力を最大限に活用できるメリットがあります。また,大学にとっては,事業を展開することにより,地域社会へこれまでの成果を還元でき,今後の教育研究の活性化につながるというメリットがあります。

 このような取組が大学と地方公共団体双方にとって有意義なものとなるためには,どちらか一方に偏ることなく,双方向性・一体性を持って取り組むことが重要と考えられますが,現状においては,必ずしも双方にとって真に実りある取組とは言えない場合も少なくありません。この原因を追究したところ,以下のような問題点が浮かび上がってきました。

○教官などの個別の取組は進められているが,大学全体としての組織的・総合的な取組に至っていないこと。
○大学の窓口が一本化されていないため,地方公共団体や住民側からうまくアクセス(利用)できていないこと。このため,個人のネットワークに大きく依存していること。
○全体として双方のノウハウとビジョン(展望)が不十分なこと。

{2}文部科学省における取組

 このような現状にかんがみ,文部科学省では,地方公共団体と大学との将来にわたる真のパートナーシップ(協力関係)の確立や,大学全体としての地域貢献の組織的・総合的な取組の推進など,大学の地域貢献を一層促進する観点から,平成14年度に地域貢献事業に対する支援を開始しました。

 平成15年度においては,74大学から事業の提案を受け,第三者による厳正な審査の結果,6月初旬に26大学を選定しました(14年度75大学申請,15大学選定)。なお,14年度に選定された15大学については,いずれも引き続き選定されました。

{3}今後の方向性

 大学の果たすべき役割として,教育,研究と並んで地域への貢献は極めて重要なものであり,各大学においては,本事業の採択にかかわらず,今後とも積極的に進めていく必要があります。

 他方,各地方公共団体においても,地方分権の時代を迎え,自己決定・自己責任の下で,個性豊かな地域社会の形成や地域課題の解決に主体的に取り組むことが求められており,地方公共団体と大学が互いを必要とするニーズはこれまで以上に高まることが想定されます。

 文部科学省としては,本事業を機に,地方公共団体と大学との継続的かつ恒久的な真のパートナーシップが確立されることを期待しています。


(2) 地域における科学技術の振興

 地域における科学技術の振興においては,知的創造の拠点である大学の果たすべき役割が重要です。各地域において,大学の「知恵」を活用して,大学を核とした産学官連携の取組を推進することによって,新技術・新事業が生み出され,ひいては地域経済が活性化されることが期待されます。

 文部科学省では,こうした大学を核とした産学官連携による地域科学技術振興を支援するため,平成14年度から,「知的クラスター *1 創成事業」と「都市エリア産学官連携促進事業」を推進しています(参照: 第2部第7章第2節2 )。

 「知的クラスター創成事業」は,地方公共団体の主体性を重視し,大学や公的研究機関などを核として,関連研究機関や研究開発型企業などによる,国際的な競争力のある技術革新のための集積(知的クラスター)の創成を目指す事業です。

 本事業は,地方公共団体が指定する事業の実施主体である中核機関(科学技術関係財団など)に対して補助するものであり,具体的には,司令塔となる「知的クラスター本部」の設置,大学の共同研究センターなどでの企業のニーズを踏まえた新技術シーズ(種)を生み出す産学官共同研究,専門性を重視した科学技術コーディネーター(目利き)の配置や「弁理士」などのアドバイザーの活用,研究成果の特許化と育成に関する研究開発,研究成果の発表などのためのフォーラム *2 の開催などを実施します。

 また,「都市エリア産学官連携促進事業」は,「知的クラスター創成事業」よりも地理的に小さなエリア(都市エリア)に着目した事業です。

 個性発揮を重視して,都道府県・政令指定都市の都市エリアにおいて,大学などの「知恵」を活用して,新技術シーズを生み出し,新規事業などの創出,研究開発型の地域産業の育成などを目指すもので,都市エリアでの産学官連携事業の促進を図ります。

 このほか,文部科学省所管の科学技術振興機構においても,大学などを核とした産学官連携によって地域における科学技術の振興を図るための事業として,研究ポテンシャル(潜在能力)を有する地域の大学,国公立試験研究機関,研究開発型企業などが結集して共同研究を行うことにより,新産業・新技術の創出に資することを目指す「地域結集型共同研究事業」などの事業を実施しているところです。

 文部科学省では,今後とも,大学などを核とした産学官連携による地域科学技術振興施策を積極的に推進していくこととしています。


*1 知的クラスター

 地域主導の下で,地域において独自の研究開発テーマと潜在能力を有する公的研究機関などを核として,地域の内外から企業なども参画して構成される技術革新システムのこと。


*2 フォーラム

公開討論会のこと。

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