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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
第2章  高等教育改革の新展開
第1節  国立大学の法人化等による改革の推進
1  国立大学の法人化



(1) 国立大学法人化の意義

 平成16年4月から国立大学は法人化されます。「知」の時代とも言われる21世紀において,教育・文化立国,科学技術創造立国を目指す我が国にとって,知の創造と継承を担う大学の責務はますます重要となっており,大学が国民や社会の期待にこたえて,その教育研究活動の高度化,活性化を図ることが求められています。国立大学の法人化は,我が国の国立大学がこれらの責務をより一層果たすことができるようにするため,各大学が自律的な環境の下で優れた教育や特色ある研究に積極的に取り組み,個性豊かな魅力ある国立大学を実現することを目的とするものです。

 これまでの国立大学は,大学としての特性を踏まえて様々な特例措置を講じてはいるものの,基本的には行政組織の一部として位置付けられてきました。このため,国の予算制度や国家公務員法制の下で,教育研究の柔軟な展開に制約がありました。

 例えば,

{1}組織や定員について,国による定員管理の下で,内部組織の新設・改廃から,個々の教員ポスト(「地位」や「役職」のこと)の新設・振替に至るまで,その都度,文部科学省への機構定員要求,担当省庁の審査を経ることが必要となること
{2}予算について,その執行はあらかじめ定められた費目に拘束され,費目間の流用は困難であることや,予算の単年度主義により年度間の繰越しが困難であること
{3}人事について,例えば,法律・規則により給与の仕組みが細部にわたって定められているため,優れた研究者を招聘する際の給与決定に限界があったり,公務員法制の限界から外国人を学部長や学長などとして招聘することができないこと

など細部にわたって,運用上の制約がありました。

 このような国の組織の枠組みから外し,国立大学がより大きな自主性・自律性と自己責任の下で,これまで以上に創意工夫を重ねながら,教育研究の高度化や個性豊かな大学づくりに取り組むことを可能とするために,国立大学を法人化する必要があったのです。


(2) 国立大学法人化の経緯

 欧米諸国においては,国により大学制度は様々ですが,国立大学や州立大学を含めて,大学には法人格が付与され,より自律的な環境が整備されているのが一般的です。このようなことも踏まえ,昭和46年の中央教育審議会答申以来,国立大学の法人化については度々指摘されてきましたが,その機が熟さず,具体化には至りませんでした。

 その後,国による財政措置を前提とした独立行政法人制度の導入方針が明らかになったことを機に,「大学の自主性を尊重しつつ大学改革の一環として」国立大学の独立行政法人化を検討する旨が決定され(平成11年4月 閣議決定),国立大学の法人化に関する検討が開始されました。具体的には,文部省内(当時)に国立大学関係者や公私立大学,経済界などの有識者で構成される「国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議」を設置し,国立大学協会とも連携を図りながら,国立大学にふさわしい法人制度について1年8か月にわたる議論が重ねられ,14年3月に「新しい『国立大学法人像』について」と題する最終報告がまとめられました。

 この最終報告に沿って,独立行政法人制度の枠組みを活用しながらも,大学の教育研究の特性に十分配慮し,大学改革に資するための具体的な仕組みを盛り込む形で,「新しい国立大学法人」について定めた国立大学法人法案が作成されました。これに併せて,独立行政法人国立高等専門学校機構法,独立行政法人大学評価・学位授与機構法,独立行政法人国立大学財務・経営センター法,独立行政法人メディア 教育開発センター法といった,国立高等専門学校等の機関を独立行政法人化するための個別法案が作成され,関係法律の必要な改正を行う整備法案等とともに,平成15年2月,国立大学法人法案等関係6法案として国会に提出されました。その後,国会における審議を経て,同6法が成立し,これにより,16年4月から国立大学は国立大学法人へと移行することになりました (図1-2-1)

図1-2-1 国立大学の法人化の主な経緯


* メディア

情報を頒布する手段のこと。


(3) 国立大学法人制度の概要

 国立大学の法人化は,国立大学が国民や社会の期待にこたえてその役割を一層しっかりと果たしていくため,それぞれが法人格を持った独立した法人とすることにより,各大学の運営上の裁量を大幅に拡大し,より自律的な環境の下で教育研究の活性化と質の向上を図ることを目的とするものです( 図1-2-2 )。

具体的には,

{1}「大学ごとに法人化」し,自律的な運営を確保
{2}「民間的発想」のマネジメント(運営管理)手法を導入
{3}「学外者の参画」による運営システムを制度化
{4}国家公務員法体系にとらわれない(非公務員型)弾力的な人事システムへの移行
{5}評価の実施による事後チェック方式に移行

など,これまで国立大学の運営上の課題とされてきた事項について,その抜本的な改革を進めることとしています。

図1-2-2 国立大学の法人化

{1}「大学ごとに法人化」し,自律的な運営を確保

 国立大学を法人化する際の単位については,大学の運営の自主性・自律性を高め,自己責任を強める上で自然な形であり,また,大学相互の競争的な環境の醸成や大学の個性化に資することが期待できることなどから,各大学ごとに法人格を付与する仕組みとしています。それぞれの大学が,個性や特色を生かした「個性輝く大学づくり」を進めるためにも,各大学が法人格を持つことで自律性を高め,互いに切磋琢磨して,より一層の活性化を図ることは重要です。

 また,前述したとおり,これまでの国立大学は基本的には行政組織の一部(文部科学省の内部組織)として位置付けられていたため,予算,組織,人事などの面で種々の国の規制を受けるとともに,文部科学省の日常的かつ広範な関与を受けるという関係にありました。

 法人化は,このような国と国立大学との関係を大きく転換しようとするものです。その基本的な考え方としては,国の日常的な関与や諸規制を緩和・撤廃して,各大学の運営上の裁量を大幅に拡大し,国の関与については,中期目標期間(6年間)の「入口」の部分と,事後的な業績評価などの「出口」の部分に制度上限定しようとするものです。

 なお,国立大学そのものの設置・廃止は,法律において定めることや,必要な財源措置を責任をもって行うことなど,国立大学の教育研究に対する国の責任は今後とも果たすこととしています。

{2}「民間的発想」のマネジメント手法を導入

 これまでの国立大学の経営については,特に予算や組織などが国からの様々な規制を受けていたという意味で,国(すなわち文部科学省)が行っていたとも言えます。法人化後は,経営権限と責任が各大学の長(すなわち学長)に移管され,学長を中心としたトップマネジメントが実現するような仕組みへと移行することになります。

国立大学法人法においては,

(ア)学長の責任において理事を任命するとともに,学長と理事で役員会を構成し,国立大学法人の重要事項については,役員会で合意形成を図ることにより,学長のリーダーシップを支える
(イ)学長が,国立大学法人のすべての教職員の任命権を持つ

などの仕組みが定められており,学長が確固たるリーダーシップをもって国立大学法人の経営に当たることを可能としています。

 また,運営組織について,現在の国立大学には,大学運営の全般にわたる全学的な審議機関として「評議会」が置かれていますが,この評議会は,学内の各学部代表者などから構成されているため,学部間の意見調整に時間がかかり,結果として機動的な大学運営の障害となっている面があるとの指摘があります。

 他方,法人化に伴い,各大学には新たに経営に関する権限と責任が生じることとなるため,従来にも増して,大学自らの責任で機動的な意思決定が可能となるよう運営体制を整えることが重要です。

 そうした観点から,国立大学法人法においては,(i)経営と教学に関する権限と責任の所在を明確にすること,(2)学外者の参画を得て学内の意見調整を図ることを特に重視し,その結果,全学的な教育課程の方針などの大学の教育研究に関する重要事項を審議する「教育研究評議会」と,予算の作成など国立大学法人の経営に関する重要事項を審議する「経営協議会」という二つの審議機関を置くこととしています。これらの審議結果を踏まえつつ,重要事項については「役員会」の議決を経ることで,機動的で適確な意思決定を確保することが可能な仕組みとなっています。

{3}「学外者の参画」による運営システムを制度化

 国立大学法人においては,学外者を役員として登用する仕組みを導入することとしていますが,これは,学外の専門的な知見を国立大学法人の経営に直接反映させることを目指すものです。このため,例えば,経済界や私学関係者,高度専門職業人など広く学外から,大学運営や特定の専門分野に関する有識者を登用することが期待されています。

 学外理事については,財務・労務管理・広報などの経営に関する分野をはじめとして,学内からの登用では対応が困難な分野に関して,優れた見識や豊富な経験を有する人材を登用することを想定しているものであり,企業経営経験者・学校法人経営経験者,マスコミ関係者などの幅広い分野から登用することが考えられます。学外監事については,各国立大学法人の業務執行,会計執行が適正に行われているかなどについて,より専門的,中立的な見地から監査することが求められるため,学校法人の関係者や,監査法人の関係者などを登用することなどが考えられます。

 なお,学外理事の具体の人選については,それぞれの国立大学法人の置かれている状況や経営戦略などを勘案しながら,学長の責任において行われることとなります。

 また,国立大学が法人化した後は,学長のリーダーシップの下で,全学的視点に立った機動的・戦略的な大学運営を実現することが求められますが,一方で,国民や社会に対する説明責任の重視,意思決定過程の透明性の確保,適正な意思決定の担保といった観点から,学外の意見を積極的に反映させつつ,大学運営を日常的に外部から点検できる仕組みが求められることになります。

 特に,国立大学が公財政支出により支えられている以上,その経営については十分に納税者の意見を反映させることが必要であることから,経営協議会については,委員の総数の半数以上を学外委員としなければならないこととなっています。なお,教育研究面における審議を行う教育研究評議会は原則として学内者のみで構成されるものであり,全体としての学内・学外のバランスを考慮した仕組みとなっています。

 そのほか,法人化後の国立大学において,経営面,教学面の双方の最高責任者としての学長について広く適任者を得るために,法人化後の学長選考は,経営及び教学の双方の側面から学内の意向を反映させるとともに,学外者の意向を反映させることなどを考慮し,経営協議会の学外委員の代表者と教育研究評議会の代表者とが同数で構成する学長選考会議において選考を行う仕組みとしています。

{4}国家公務員法体系にとらわれない(非公務員型)弾力的な人事システムへの移行

 国立大学が,競争的環境の中で組織や教育研究の活性化を図り,より自律性を高めていくためには,教職員の人事がより弾力的に行われる必要があります。

 このような観点から,調査検討会議の最終報告において,法人化後の国立大学の教職員の身分などについては,

(ア)国家公務員法などにとらわれない,より柔軟で弾力的な雇用形態・給与体系・勤務時間体系
(イ)外国人の管理職(学長,学部長など)への登用
(ウ)兼職・兼業の弾力的な運用
(エ)試験採用の原則によらない専門的知識・技能などを重視した教職員の採用

などの弾力的な人事制度を実現し得るという点で,公務員としての身分を付与しないことが適当であるとされました。

 これを受けて,国立大学法人の教職員に対しては公務員としての身分を付与しないこと(非公務員型)とし,各教職員の意欲や能力に応じた勤務や処遇,また,それぞれの知識や経験を生かした多様な活躍の場の設定が可能となる仕組みにすることとしています。

 給与支給基準については,各国立大学法人がその自主性・自律性に基づき自ら決定することとなりますが,例えば選択的年俸制の導入,ワークシェアリング に対応した給与制度,民間などからの人材登用の際の初任給の決定や在職者に対する昇格・昇給などの際の弾力的な給与格付けなど様々な給与システムを導入することが可能となります。

 教職員の兼職・兼業ルールについても,産学官連携活動や地域社会への貢献などに関しては,各国立大学法人が自らの理念や目標にのっとって,教職員の兼職・兼業ルールを就業規則などにおいて定めることになります。例えば,現在職務外の兼職・兼業として取り扱っている活動を教職員に職務として位置付けることや,国立大学における研究成果の社会還元を一層促進するため,現在も一定の条件の下に認められている技術移転事業者(TLO)や研究成果活用企業の役員,株式会社の監査役以外の場合についても民間企業役職員の兼業を認めることなどが,各国立大学法人の判断により可能となります。さらに,平日の勤務時間帯に兼職・兼業を行うことが産学官連携や地域社会への貢献などに資する場合には,勤務時間をこれらの時間に充てる兼職・兼業を承認することも考えられます。

{5}評価の実施による事後チェック方式に移行

 法人化後の国立大学については,大学運営の自主性・自律性が増すことに伴い,社会一般に大学の状況を分かりやすく示す必要性が一層増すため,評価が非常に重要な役割を果たすこととなります。

 また,大学は,それぞれの理念や目標に応じて多様かつ高度な教育研究活動を展開しており,評価の実施に当たっては,こうした大学の特性を踏まえた評価を実施する必要があります。国会での法人法案採決における附帯決議でも,「国立大学法人法による評価制度及び評価結果と資源配分の関係については,同法第三条の趣旨を踏まえ慎重な運用に努めるとともに,継続的な見直しを行うこと」とされています。

 評価の仕組みとしては,

(ア)各国立大学法人は,中期目標・中期計画の達成状況について自己点検・評価を行い,その結果を国立大学法人評価委員会に報告
(イ)国立大学法人評価委員会は,報告されたもののうち,教育研究に関する事項に関する部分の評価の実施を大学評価・学位授与機構へ要請
(ウ)大学評価・学位授与機構は,専門的な観点から教育研究に関する評価を行い,その結果を国立大学法人評価委員会に提供
(エ)国立大学法人評価委員会は,大学評価・学位授与機構の評価結果を尊重しつつ,経営面も含め中期目標期間における当該国立大学法人の業績全体の総合的な評価を実施し,その結果を国立大学法人と総務省政策評価・独立行政法人評価委員会に通知
(オ)文部科学大臣は,評価結果を次期中期目標の内容と運営費交付金の算定に反映

という過程を経ることが考えられていますが,具体的には,今後,国立大学法人評価委員会及び文部科学省で検討していくことになります。

 なお,各国立大学法人の中期目標・中期計画は,国立大学に期待される使命と機能を踏まえ,6年間において各国立大学法人が目指すべき目標を明確化するとともに,その目標を具体化するための方策などを計画として策定するものです。

 中期目標は,その達成に必要な業務の実施に関する所要の財政措置が伴うものであることから,国立大学法人評価委員会の意見を聴いて文部科学大臣が定めるものですが,その際,大学の特性を踏まえて,各国立大学法人の意見(原案)に配慮する必要があることが国立大学法人法に規定されており,その実際上の作成主体は各国立大学法人となります。また,中期目標を達成するための中期計画も,国立大学法人評価委員会の意見を聴いて,文部科学大臣が認可する形になっていますが,その際も教育研究の特性に十分に配慮する必要があります。このため,文部科学大臣が中期目標,中期計画の原案を変更した場合の理由と国立大学法人評価委員会の意見の公表を通じて,決定過程の透明性の確保を図るとともに,原案の変更は,財政上の理由など真にやむを得ない場合に限ることが,国会の附帯決議で求められています( 図1-2-3 図1-2-4 )。


* ワークシェアリング

 失業者数を減らすために,1人当たりの実労働時間を減少することで,有給の雇用労働の総量を多くの人で分かち合うこと。


(4) 法人化後の財務会計制度

 国立大学の法人化に伴い,国立学校特別会計は廃止され,国立大学法人に対する国からの財政措置については,業務運営に要する事業費については運営費交付金を措置することとし,施設整備に要する経費については施設整備費補助金を措置することとなります。

図1-2-3 国立大学法人の仕組み

図1-2-4 国立大学の運営組織

 運営費交付金を,現行の国立学校特別会計と予算執行の面から比較すると,

{1}予算費目などにより区分され,使途が特定されていたものが,いわゆる「渡し切りの交付金」となり使途は特定されなくなること
{2}施設整備費などの繰越しの特例を除き,単年度での執行が原則であったものが,プロジェクト経費などで当該年度に遣い残しが生じた場合は,翌年度に使用が可能となること
{3}自己収入の増収や経費節減などにより剰余金が生じた場合には,国立学校特別会計全体の中で限定的な使途に充てられていたものが,各国立大学法人において,一定の要件の下で中期計画にあらかじめ示された使途に充てることが可能となること

などの変更が行われることとなります。

 これらの変更により,各国立大学法人の自主的な判断による機動的かつ弾力的な執行が可能となるとともに,経営努力の結果が直接,法人の財務会計に表れることとなります。

 施設整備については,国からの施設整備費補助金が基本的な財源となりますが,財源の多様化や安定的な整備を図るため,長期借入金や土地処分収入その他の自己収入を活用した施設整備も可能な制度となっています。また,国有財産法による制限がなくなるなど,各種規制や事務手続が大幅に緩和され,大学の自主的な判断に基づく施設整備が可能となります。


(5) 大学共同利用機関の法人化について

 大学共同利用機関は,大規模な研究施設設備を設置運営し,又は大量の学術情報やデータなどを収集・整理するなどにより,これらを全国の大学などの研究者の共同利用に供し,効果的かつ効率的に研究を推進するための機関として,また,大学院学生の受入れなどの大学教育への協力を行い,研究と教育を一体的に実施する機関として,我が国における学術研究の進展に重要な役割を果たしています。

 特定分野の研究を行うことを目的とする研究所は,従来,特定大学に附置する形で設置されてきました。しかし,学術研究の進展に伴い,個別の大学の枠を越え,全国的な観点に立った研究者の結集や研究の実施が可能な組織が求められるに至り,昭和46年に初めて,特定大学に附置しない大学の共同利用の研究所として高エネルギー物理学研究所が設置されました。現在では15機関18研究所(なお,宇宙科学研究所については,平成15年10月1日をもって宇宙航空研究開発機構に統合)が設置されるに至っています。

 附置研究所の中にも,学術研究の進展に伴い,研究者が共同して研究を進める必要性とその有効性が増したことにより,全国共同利用化されたものもありますが,大学共同利用機関については,学術研究の動向や研究者の意見などを勘案しながら,

{1}大規模な施設設備や大量の学術情報・データを備える必要があること
{2}当該分野の研究者が,特定大学に集中しておらず全国に多数存在していること

などの理由で,特定大学に附置しない研究所とすることが共同利用を促進する上で効果的であると考えられる場合に,設置することとしています。

 大学共同利用機関の法人化については,平成11年4月に「他の独立行政法人化機関との整合性の観点も踏まえて検討し,早急に結論を得る」ことが閣議決定されましたが,その後の検討においては,国立大学との性格の類似性にかんがみ,国立大学と併せて検討が行われてきました。具体的には,12年7月以来,文部科学省の「国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議」において,国立大学と併せて検討を行い,14年3月に最終報告が取りまとめられました。

 他方,科学技術・学術審議会学術分科会の下に,大学共同利用機関特別委員会が設けられ,大学共同利用機関の再編の在り方や,それに伴う大学共同利用機関の法人化後の制度設計の在り方について検討され,平成15年2月に特別委員会としての最終報告が取りまとめられました(15年4月学術分科会最終報告として了承)。

 これらの報告などを踏まえ,大学共同利用機関の法人化に当たっては,

{1}現行の13機関16研究所を四つの研究機構に再編して法人化することによる,自律的な運営の確保,新たな学問分野の創出に向けた戦略的な取組の促進など,我が国の学術研究の全体の活性化や国際競争力の強化
{2}研究者などの身分を非公務員型とすることによる,研究者の努力と実績に応じた処遇の実現や,産学官連携など研究者の多彩な活動の活発化
{3}外部者を役員などに参画させるとともに,役員会によるトップマネジメントを導入することによる,透明で機動的・戦略的な運営の実現
{4}第三者評価の導入による事後チェック方式に移行することにより,各研究機構の努力や実績が適切に評価される,大学共同利用機関の個性的な発展

を図ることとしています。大学共同利用機関の法人化は,自律性拡大の下で,それぞれの研究機構の工夫と努力により,研究の高度化や運営の活性化など,我が国の学術研究の発展に資するものと期待されます( 図1-2-5 )。

図1-2-5 国立大学の運営組織


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