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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
第1章  高等教育改革はどこまで進んだか
第3節  教育研究システムを柔構造化する
5  短期大学,高等専門学校,専門学校



(1) 短期大学

 短期大学は,学校教育法において4年制大学と目的及び修業年限を異にする大学として位置付けられており,制度創設以来,私立短期大学を中心に量的整備が図られ,特に女子の高等教育の場として大きな役割を果たしてきました。しかしながら,現在,科学技術の高度化,国際化・情報化の進展,生涯学習社会への移行などの社会の変化,18歳人口の減少や女子学生の4年制大学志向の高まりなど,短期大学を巡る状況の変化を踏まえた対応が求められています。

 短期大学が,今後一層,社会において重要な役割を果たしていくためには,その特色を生かしつつ多様化・個性化を図り,{1}教養教育と実務教育が結合した専門的職業教育,{2}より豊かな社会生活の実現を視野に入れた教養教育,{3}地域社会と密着しながら社会人や高齢者などを含む幅広い年齢層に対応した多様な生涯学習機会の提供など,多様な要請にこたえて教育機能の一層の充実を図ることが重要です。

 このような状況に対する一つの取組として,現在,社会人を含めた地域の需要により柔軟に対応していくことを目的とした総合的な学科(地域総合科学科)を設置する動き(平成15年度は,4短期大学で4学科を開設)が始まっています。

 地域総合科学科とは,分野を特定せず,地域の多様な需要に応じることを目的とした新しいタイプの学科であり,複数の異なる分野や,既存の学科などを改組・転換などの形で一つの総合的な学科にして,その中で学生の需要や地域の需要にこたえられるような仕組みにしようというものです。平成14年度からは,短期大学基準協会による地域総合科学科としての特色と教育の質を保証する適格認定も開始され,これらの取組の成果が期待されています。


(2) 高等専門学校

 高等専門学校においては,学校長の強いリーダーシップの下で,今後とも発想力豊かな実践的技術者を育成する教育機関としての重要な役割を果たしていくため,技術相談,共同研究,インターンシップの推進など教育・研究両面にわたって産学連携などを進めています。

 高等専門学校は,その創設経緯から,全国の均衡ある発展のため,工業と商船学に関する学科を中心としておおむね全国の都道府県に配置されており,その高い専門技術と人材育成機能から,地域社会活性化の中核としての役割も担っています。

福島工業高等専門学校物質工学系「卒業研究」における測定風景

 各高等専門学校において,教員の専門分野や研究分野を記載したシーズ(種)集 *1 やパンフレットを作成したり,地域社会に高度な学習機会を提供するための公開講座,出前授業などを行ったりしています。中には,産学連携推進のための出張相談会や出前セミナーを行ったりしている高等専門学校や複数の学校で協力しながら高等専門学校研究者のデータベース *2 検索システムの作成に取り組んでいる高等専門学校もあり,外部からの働き掛けを待つのではなく,より積極的に地域活性化に寄与するために取り組んでいます。

 インターンシップについても,実験・実習,実技を重視した実践的な技術者を育成する観点から積極的に取り組んでおり,9割に近い高等専門学校で実施されています。

 国際的に通用する技術者を養成する観点から,技術者資格の国際的な相互承認に向けた条件整備を進め,一定水準以上の教育プログラムの認定を行っているJABEE(日本技術者教育認定機構)の認定にも積極的に取り組んでいます。平成14年度には,宮城工業高等専門学校専攻科(生産システムデザイン工学),仙台電波工業高等専門学校電気システム工学専攻と情報システム工学専攻(電子情報システム工学プログラム),高知工業高等専門学校建設工学専攻(建設工学)の技術教育プログラムが認定されました。

木更津工業高等専門学校地域共同テクノセンター(テクノ交流会における材料内部を解析する機器の説明)

 また,ものづくり基盤技術の教育研究機能を高め,より高度な専門性,創造性を持った実践的技術者の養成を図っています。それと併せて,中小企業などを対象とした技術相談や共同研究機能,技術者の再教育機能を強化し,地域の活性化を図ることを目的として,その拠点となる施設の整備として各高等専門学校に地域共同テクノセンターの整備を進めているところです。平成14年度は,函館工業高等専門学校,沼津工業高等専門学校,津山工業高等専門学校,宇部工業高等専門学校の4校に設置されました。


*1シーズ(種)集

大学や研究所などで開発した技術を産業界などで紹介するために作成する冊子。


*2データベース

大量の情報を集め,いつでも検索できるようにしたもの。


(3) 専門学校(専修学校専門課程)

 平成11年6月の生涯学習審議会答申「学習の成果を幅広く生かす」を踏まえ,同年10月には「専修学校設置基準」(文部省令)が改正されました。主な改正点は,{1}専門学校において,在学中や入学前における他の大学・短大・専門学校などの履修を,専門学校の課程の修了に必要な総授業時間数の2分の1まで,当該専門学校における授業科目の履修とみなせるようにしたこと,{2}インターネットの活用など,多様なメディアを高度に利用した授業(遠隔授業)を授業方法として位置付けたことです。

 また,平成14年1月に「専修学校設置基準」が改正され,専門学校における自己点検・評価が制度化されました。

 自己点検・評価の具体的な方法については,個々の学校において定めることとなりますが,例えば教育面,学校の施設設備面,学生のサービス面などの観点から点検・評価を行い,教育面では「カリキュラムは教育目標をどのように反映しているか」,学校の施設設備面では「実習・実験室の広さ,付帯設備は適切か」などの項目を立て,点検などを行うことが考えられます。

 また,これと同時に,専門学校は,その教育目標や教育課程,修了者の就職情報など教育活動の情報を,進学希望者をはじめ,地域住民や高等学校関係者に対し,広く提供していくことが求められることになりました。

 こうした改革を通じ,専門学校が高等教育機関として,また社会人をはじめとした生涯学習の場としての社会の期待にこたえていけるよう,文部科学省としても様々な取組を進めています(参照: 第2部第1章第5節2(2) )。


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