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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
第1章  高等教育改革はどこまで進んだか
第3節  教育研究システムを柔構造化する
1  履修方法の多様化



(1) 科目等履修生制度の導入

 社会人など意欲のある者の学習機会を増やすとともに,大学自体の活性化を図る上で,大学における履修形態を多様化することは非常に重要です。平成3年の大学審議会答申「大学教育の改善について」においては,履修形態の多様化の一方策として,大学においてフルタイムの学習が難しい社会人などに対し,少ない時間を活用して大学教育を受ける機会を拡大することが必要であると提言されました。

このため,平成3年に,大学は,その大学の学生以外の者がその大学で行ったパートタイム *1 の学習成果に対し,科目等履修生としての単位を与えることができることとしました。さらに,同年,例えば,短大卒業者や高等専門学校の卒業生が科目等履修生として一定の単位を修得し,学位授与機構(現在の大学評価・学位授与機構)の審査に合格すれば,学士の学位を授与できることとなりました。

科目等履修生の制度は,全国で609大学,約1万8,000人の学生が活用しており(平成13年度実績),今後更なる活用が望まれます。


*1 パートタイム

 通常の修業年限で卒業することを前提として修学する形態(フルタイム)より,週,学期などの単位時間当たりの履修量が少ない修学形態。


(2) メディアを利用して行う授業の位置付けの明確化

 従来,大学における授業の方法は,講義や実験,実習など,いずれも直接の対面授業で行うことが想定されていましたが,平成10年に,多様なメディア *2 を高度に利用して,文字,音声,動画などを一体的に扱い,同時かつ双方向に行われる授業を「メディアを利用して行う授業」として,大学の授業の一形態に位置付けました。

 また,平成13年には,インターネットなどの通信技術の更なる進展に伴い,インターネットなどを活用した授業で,かつ,きめ細かな学習指導を行うことによって直接の対面授業に相当する教育効果があると認められるものについても,「メディアを利用して行う授業」に位置付け,60単位(通信制の大学では卒業に必要なすべての単位)までは卒業するために必要な単位数に組み入れることができるようになりました。

 情報通信技術の急速な進展の中で,インターネットなどの情報通信技術を大学教育において活用し,社会人のニーズ(需要)にこたえるなど特色ある教育研究を展開することが期待されます( 図1-1-14 図1-1-15 )。

図1-1-14 地上系通信*3を利用した遠隔講義関連設備の整備(大学数)

図1-1-15 衛星通信を利用した遠隔講義関連設備の整備(大学数)


*2メディア

 情報を頒布する手段のこと。


*3地上系通信

 光ファイバー,ADSL等又は地上波を利用したもの。


(3) 単位互換等により認められる単位数の拡大

 大学は,授業科目を履修した学生に対して,試験の上で単位を与えることとなっています。この例外として,学生の選択の多様化・柔軟化の観点から,単位互換や大学以外の教育施設などにおける学修の単位認定が可能となっています。単位互換とは,学生が他大学の授業科目を履修し取得した単位について,所属する大学が,自らの大学の単位として認定するものです。外国の大学に留学した場合も留学先の大学の単位を認定することが可能となっています。また,大学以外の教育施設などにおける学修の単位の認定とは,短期大学や一定の要件を満たす専門学校における学修などについて,所属する大学が自らの大学の単位として認定を行うものです( 図1-1-16 )。

図1-1-16 単位互換制度を設けている大学

コラム1

大学コンソーシアム京都

  大学コンソーシアム 京都は,大学教育に対する社会の期待や学生ニーズ(需要)の多様化に対応し,大学,地域社会,産業界との連携や大学相互の結び付きをより一層深めていくことを目的として,1998年に京都地域の国公私立の大学・短期大学により,大学のまち京都で設立されました。主要事業の一環として,京都地域を中心とした大学・短期大学が参加して実施される全国最大規模の単位互換制度があります。学生は,他大学のキャンパスやキャンパスプラザ京都(単位互換授業,インターンシップなどが行われる大学コンソーシアム京都の拠点となる建物)で,自大学にはない分野の科目が受講できます。また,京都を多角的に検討する「京都学」や「21世紀学」など特色ある科目の受講もできます。単位互換制度には,2003年度は,46大学・短期大学が参加して401科目を開講し,受講生は9,774人に上りました。

「座禅入門(花園大学)」の授業風景

 平成11年度には,学生の選択の幅を広げ,国内外の大学間のより一層の連携・交流を可能とするため,これらの方法により認定することができる単位数を,30単位から60単位に改めました。また,14年度からは,国際化への対応の観点から,外国の大学がインターネットなどにより提供する授業を我が国において履修した場合にも単位互換を認めています。


*コンソーシアム

 ここでは,「共同事業体」や「共同研究体」のこと。


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