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第1部   創造的活力に富んだ知識基盤社会を支える高等教育〜高等教育改革の新展開〜
序章  序章知識基盤社会を支える高等教育
1  戦後の高等教育改革の展開
(2)  近年の高等教育改革とその背景


 昭和59年に臨時教育審議会が設置され,その提言を受けて,62年に大学審議会が創設されました。大学審議会は,高等教育の高度化,個性化,活性化をキーワードに,平成13年に中央教育審議会に統合・再編されるまでの間に28の答申・報告を取りまとめました。これらを受けて広汎な大学改革が進められてきました。大学が大きく変貌しつつある状況は,第1章で詳しく述べることにします。

 このような大学改革の広がりには,いくつかの背景があります。まず,学生の変化です。18歳人口の減少の中で進学率が上昇し,いわゆる高等教育の大衆化が進行したことに加え,高等学校教育の多様化が進み,伝統的な進学者層の能力や意識が多様化していること,社会人や留学生などが増加してきたことなどから,教育の在り方を再検討する必要に迫られています。

 また,人材需要も変化しています。我が国の国際的な立場がキャッチアップ *1 段階からいわゆるフロントランナー(先駆者)へ変化するとともに,経済社会のボーダーレス化 *2 ・情報化が進み,社会が求める人材の資質能力や人事・雇用慣行が変化しています( 図3 図4 )。大学は,このような変化に対応して,教育課程を見直していくことが求められています。

 さらに,研究面でも,産業界で知識基盤への幅広い依存が進み,産学連携が極めて重要な課題になっています( 図5 )。大学側でも,多くの局面で,単なる技術指導というより,学問的発展を図る上で産業界との本格的な連携が必要になっています。

 このほかにも,生涯学習社会の実現に向けた動きなど多くの要素を指摘することができますが,このような背景の中で,高等教育行政も,「最低水準を確保しつつ量的整備を図る」ことから,「競争的環境の中で多様な発展を促す」ことへとその軸足を移してきました。そして,急速に変化する社会の多様な要請を,多様な高等教育機関を含むシステム全体として受け止めるという考え方の下に施策を組み立ててきました。

図3 日本の業種別海外生産比率の推移

図4 職業分類別就業者数の推移

図5 国立大学等と民間等との共同研究の実施件数の推移


*1 キャッチアップ

 一般には,追い付くということを意味する。


*2 ボーダーレス化

 様々な事象や活動が国家の枠にとどまらないこと。


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