ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第10章  国際化・情報化への対応
第1節  国際交流・協力の充実に向けて
5  国際機関を通じた協力



(1) ユネスコ事業への参加・協力

 ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)は,教育・科学・文化の分野における国際協力の促進を通じて平和に貢献することを目的とする国連専門機関です。平成11年11月にはアジア・太平洋地域から初めて,松浦晃一郎氏がユネスコ事務局長に就任しました。我が国では,ユネスコの目的を実現していくため,国,地方公共団体及び民間がそれぞれ協力して,あるいは独自に活発な活動を行っています。

 我が国は,学生・教員などの交流事業への協力,開発途上国の識字教育などの教育分野への協力,国際的な共同研究や学際的なプロジェクトへの参加,世界遺産をはじめとする文化遺産の保存協力など,ユネスコ諸事業に積極的に参加・協力しています( 表2-10-6 )。教育の分野においては,平成14年度から「万人のための教育信託基金」を日本政府が拠出し,初等教育の普遍化,教育の場における男女格差の是正,識字率の改善などを目標とした「万人のための教育」実現に向け,ユネスコと連携して事業を実施しています。また,科学技術分野では,ユネスコは,中期戦略及び事業計画・予算において「水資源及びそれと関係する生態系」を最優先事項と位置付け,国連が実施している「世界水アセスメント計画(WWAP)」の事務局を務めています。我が国は,国際水文学計画(IHP)をはじめとする持続可能な開発のための科学振興事業及び生命科学の倫理的側面に関する考察などの活動に積極的に参加・協力しています。

表2-10-6 我が国が協力しているユネスコの主な事業


* アソシエート・エキスパート

 ユネスコ職員の指揮の下,職務に従事する正規職員外の若手の行政官,研修者等の専門家


(2) OECD(経済協力開発機構)教育事業への参加

 OECDは,先進30か国を加盟国として,様々な分野における政策調整・協力,意見交換等を行っています。教育分野に関しては,教育委員会と教育研究・革新センター(CERI)を設置し,加盟各国における教育改革の推進及び政策・実践に寄与することを目的として,教育政策の比較分析及び調査・研究などの事業活動を行っています。また,おおむね5年ごとに教育大臣会議を開催し,OECDの教育分野の事業活動に関する基本方針を策定しています。2002年(平成14年)からは,2001年(平成13年)4月に,「万人のための能力への投資」をテーマに開催された教育大臣会議で合意された方針に基づき,教育統計及び指標の開発と政策分析,各国の学習到達度調査,教員政策,情報通信技術(ICT)の教育政策,学習科学と脳研究,中等後教育の国際化などのプロジェクトを実施しており,文部科学省も参加・協力しています。

 このほか,文部科学省では,平成4年度から,OECD加盟国の教育政策上の重要課題について専門家による意見交換を行うことを目的とした「OECD/Japanセミナー」を実施しており,平成14年12月には,「学校におけるICTの効果的利用」をテーマに開催しました。


(3) APEC(アジア・太平洋経済協力)教育事業への協力

 APECは,アジア・太平洋の21か国・地域が参加する地域協力の枠組みです。貿易・投資の自由化・円滑化などの経済問題とともに,人材養成などの分野に積極的に取り組んでいます。

 教育分野については,人材養成ワーキング・グループの下に,教育ネットワークを設置し,加盟国・地域の主導により,教育政策上の様々な課題に関する調査・研究活動,交流・協力プロジェクトを実施しています。現在,「アジア・太平洋大学間交流(UMAP)」,「技能・資格の相互承認」,「APEC・シスタースクール・ネットワーキング」などのプロジェクトを実施しています。


(4) EU(欧州連合)との協力

 EUは,それまでのEC(欧州共同体)を発展させる形で1992年(平成4年)に創設され,現在,ヨーロッパの15か国が加盟しています。EUは,域内協力・統合を推進すると同時に,域外国との対話・協力も積極的に推進しています。教育の分野においても,日本・EU間の対話の継続とともに,学生・教職員交流,研究協力,インターネットを活用した学校間の交流など様々なプログラムの拡充・強化に取り組んでいます。


(5) 国連大学への協力

 国連大学は東京に本部を置く国連機関で,人類の存続,発展及び福祉に関する世界的規模の諸課題についての研究,研修及び知識の普及を目的として,他の国際機関や世界各地の高等教育・研究機関とネットワークを形成し,国連のシンクタンクとして,国際社会が直面する重要な課題に取り組んでいます。2002年(平成14年)は,「平和とガバナンス」及び「環境と持続可能な開発」の2領域を中心に活動を行っています。また,国連大学は,世界各地に付属機関である研究・研修センターを持っており,その一つである「高等研究所」が国連大学本部に隣接して設置されています。高等研究所では我が国の大学や研究機関と協力して,研究活動や研修プログラムを展開しています。

 我が国は,国連大学本部施設の提供や大学基金への拠出などの支援を行うとともに,国連大学本部及び高等研究所に対して事業費の拠出を行っています。


(6) WIPO(世界知的所有権機関)との協力

 WIPOは知的所有権の国際的保護の促進などを目的として1970年(昭和45年)に設立された国連の専門機関です。WIPOは国際条約の作成・管理を行うとともに,各国の法令整備の支援,国内法令の整備の奨励,開発途上国に対する法律・技術上の援助や,情報の収集・提供などを行っています。

 我が国は著作権分野において,1993年(平成5年)以来毎年信託基金を拠出しており,この拠出金は,WIPOの開発協力プログラムとして,アジア・太平洋地域における著作権保護のための諸活動(国際セミナーの開催,研修の実施,専門家の派遣など)に活用されています。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ