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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第10章  国際化・情報化への対応
第1節  国際交流・協力の充実に向けて
1  国際化に対応した様々な取組


 情報通信技術(IT)をはじめとする科学技術の飛躍的な発展等を背景にした,ヒト,モノ,カネ,情報の地球規模での自由な移動は,急速なグローバリゼーションの進展をもたらしています。こうしたグローバル化は,その中で生じた様々なアイデアや技術などにより,世界規模で広範な人々に対して恩恵を与えています。その一方で,例えば,デジタル・デバイド のような,グローバル化の恩恵を享受する国と,グローバル化の動きから取り残された国の間の格差が拡大するという問題点が指摘されています。

 また,イデオロギーに基づく対立に代わり,民族や文化の違いに根ざした様々な問題が顕在化している状況において,国家間の友好関係を強化し,信頼を醸成していくためには,民族・文化の多様性を再認識し,異なる文化を理解・尊重することの重要性がますます高まっています。

 以上のような経済や社会などの急激な変化の中で,日本を含む国際社会全体の繁栄と安定のために,教育,文化,スポーツ及び科学技術・学術に関する諸施策が果たしていくべき役割にも大きな変化が生じています。

 2000年4月に開催された世界教育フォーラムにおいて,万人のための教育(Education for All)の実現に向けたダカール行動枠組みが採択され,2001年のジェノバ・サミットにおいては,ダカール行動枠組みの目標を追求するためG8タスク・フォースが設置され,万人のための教育の実現に向けた取組を促進させるための方途について提言がまとめられ,2002年6月のカナナスキス・サミットで報告されたところです。

 このように教育協力を重視する世界的な潮流が生まれてきている中,我が国としても,「米百俵」の精神をもとに,教育を国造りの根幹としてきた経験を生かし,教育支援の強化に向けた国際社会の取組を積極的に支援するため,低所得国に対し5年間で2,500億円以上のODAを教育分野に支出することと,「成長のための基礎教育イニシアティブ(BEGIN:Basic Education for Growth Initiative)」に基づき,基礎教育分野における協力を強化していくことが発表されました。

 2002年9月のヨハネスブルク・サミットにおいても,持続可能な開発のためには教育が重要であることが強調されました。ヨハネスブルグサミットの際の我が国の提案に基づき,12月の国連総会において,「持続可能な開発のための教育の10年」が採択され,2005年からの実施に向けて準備が進められています。

 また,国連においては,「児童の権利に関する条約」などの国際条約の採択,「人権教育のための国連10年」などの国際年・国際日の制定,「社会開発サミット」などの国際会議の開催を通じて,教育や文化に関連した様々な活動を行っています。

 このような国際的な動向を踏まえ,世界各国と共生しつつ我が国の経済・社会の一層の発展・成熟を期するとともに,国民が各国の人々と物質的のみならず精神的にも豊かな生活を分かち合うためには,以下に述べる四つの課題への取組を強化し,国際化に対応した様々な施策の展開を図っていく必要があります。

 第1の課題は,日本人としての自覚とともに国際的な視野と経験を身に付け,21世紀の国際社会の中で主体的に生きる日本人を育成していくための諸施策を充実することです。

 第2の課題は,諸外国の人々とお互いの文化,習慣,価値観などを理解し合い,信頼関係を築いていくために,国際交流を一層推進することです。

 第3の課題は,我が国の国力と国際社会における地位にふさわしい国際貢献を行い,諸外国からの我が国への期待にこたえていくとの観点から,人づくりなどに貢献する国際協力を積極的に推進していくことです。また,ユネスコ,OECD,APEC,EU,国連大学などの国際機関などを通じた国際協力,多国間協力も近年ますます重要になってきており,教育の分野で高い国際評価を受けている我が国の積極的な取組が求められています。

 第4の課題は,科学技術創造立国を目指す我が国が,国際的な交流を通じて科学技術の発展を図るとともに,国際社会が共通して取り組むべき問題の解決に貢献していくことです。現在までに,既に,約30か国との間で科学技術協力協定を締結し,科学技術に関する国際協力を積極的に推進しています。


* デジタル・デバイド

 デジタル技術(いわゆるIT)の普及に伴い,所得,年齢,教育レベル,地理的要因,身体的制約要因等により,その利用及び習得する機会に格差が生じた状態


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