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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第8章  スポーツの振興と青少年の健全育成に向けて
第5節  健康教育の充実
2  食に関する指導の充実



(1) 食に関する指導の充実

{1}教科等における指導

 近年,食生活を取り巻く社会環境等が大きく変化し,個々人の食行動の多様化が進んでいる中で,朝食の欠食,孤食などの問題が指摘されています。また,カルシウム不足,脂肪の過剰摂取など偏った栄養摂取,肥満症等の生活習慣病の増加や若年化など,食に起因する新たな健康問題の増加が見られます。学校における食に関する指導は,学校の教育活動全体を通して行う健康教育の一環として,児童生徒に食に関する知識を教えるだけではなく,知識を望ましい食習慣の形成に結び付けられるような実践的な態度を育成することが必要です。

 このため,新しい学習指導要領において,食に関する指導について学校教育全体を通じて充実を図るとともに,食に関する専門家である学校栄養職員の積極的な参画・協力を得て,学校栄養職員と担当教諭がティームを組んで指導を行ったり,特別非常勤講師として学校栄養職員が食に関する指導を行うなど創意工夫を加え,効果的な指導を行うことを推進しています。

 また,平成13年度には全国の小学校5年生と中学校1年生に対して,自ら自己の食生活を見直し,望ましい食習慣を実践できるよう,食生活学習教材を配布しました。

 さらに,学校における食に関する指導の充実のための取組体制の整備の方策について,有識者の協力を得て検討が進められてきたところですが,平成13年7月にその第1次報告がとりまとめられ,その中でいわゆる「栄養教諭(仮称)」制度など,学校栄養職員に係る新たな制度の創設について検討すべきであるという基本的な方向性が提言されました。平成14年9月の中央教育審議会答申「子どもの体力向上のための総合的な方策について」においても,同趣旨の提言がなされています。

 なお,平成12年3月には,文部科学省は,厚生労働省,農林水産省と共同で「食生活指針」を策定し,政府全体としても食生活に関する指導を推進することとしています。


{2}モデル的な取組の推進

 文部科学省では,栄養教育カリキュラム開発のための調査研究事業を実施し,その成果をもとに教員や学校栄養職員などが食に関する指導に取り組むための指針となるよう,平成12年3月に「食に関する指導参考資料(小学校編)」を作成しました。また,平成10年度から実施している健康教育総合推進モデル事業において,食に関する指導の充実に努めています。


(2) 学校給食の充実

{1}学校給食の現状

 学校給食は,栄養のバランスのとれた食事を提供することにより,正しい食習慣の形成に寄与しています。また,教職員と児童生徒のコミュニケーションや児童生徒間の好ましい人間関係の育成の場として,児童生徒の心身の健全な発達を図る上で大きな教育的意義を有しています。平成13年5月現在,全国で約1,068万人の児童生徒等が学校給食を受けています( 表2-8-2 )。

表2-8-2 学校給食実施率

{2}食事内容・環境の改善

 各学校では,近年,学校給食の多様化が図られています。例えば,地元や姉妹都市の郷土料理を給食の献立に活用したりする例が見られます。また,学校食堂の整備など,食事環境の改善も図られています。

 米飯給食も定着しており(平成13年度週平均2.8回),食事内容の多様化に寄与しています。また,米飯給食は,これにより児童生徒が日本人の伝統的食生活の根幹である米飯の正しい食習慣を身に付けることができるなどの教育的意義もあります。

{3}衛生管理体制の充実

 ここ5年間,学校給食を原因とする腸管出血性大腸菌O157による食中毒は発生していませんが,依然として食中毒の発生は続いており,衛生管理の徹底が求められています。文部科学省では,施設設備や調理過程などの指導を行うとともに,床を乾いた状態で使用して高湿度による雑菌などの発生を抑制する調理方法であるドライシステムの導入など,施設面の改善充実を図っています。また,学校栄養職員に対する研修,研究地域の指定等により,衛生管理の徹底に努めています。


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