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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第6章  研究開発の戦略的重点化
第4節  原子力の研究開発の推進


 我が国では,1950年代半ばから,原子力基本法に基づき,厳に平和利用に限り,安全確保を大前提として原子力の研究開発が進められてきています。

 現在,原子力は国の主要なエネルギー源の一つとして,電力供給の3分の1以上をまかなっていますが,原子力エネルギーは,供給安定性に優れ,経済性も他の電源に比べ遜色なく,また,温暖化防止等の地球環境保全に資する等の特色があります。一方,地球環境保全等の観点から,太陽光発電,風力発電などの自然エネルギーの研究開発についても引き続き推進する必要がありますが,これらは立地条件や自然に左右されることから電力供給は不安定であること等の理由により,現段階では補助的な水準を超える役割を期待するのが難しい状況です。したがって,我が国としては引き続き原子力を国の基幹電源として位置付けています。そして,このような原子力発電の供給安定性を技術的に向上させ,原子力の我が国のエネルギー供給システムに対する貢献を一層確かなものとするため,高速増殖炉サイクル技術などの核燃料サイクル技術の研究開発が重要です。

 また,物質の究極の構成要素や自然の法則を探ったり,ライフサイエンスや物質・材料系科学技術などの様々な科学技術分野の発展を支える加速器や,将来のエネルギーの安定供給の選択肢を与え,経済社会のニーズにこたえる核融合等の原子力科学技術についても,着実に進めていくことが重要です。

 さらに,放射線利用についても,医療,農業,工業,環境保全など広範な分野で,健康で豊かな生活の実現に貢献しており,更なる普及が期待されています。

 文部科学省としては「原子力長期計画」(「原子力の研究,開発及び利用に関する長期計画」(平成12年11月)原子力委員会策定)に沿って,安全確保を大前提に,立地地域をはじめとする国民の理解と協力を得つつ,これらに必要な研究開発に積極的に取り組んでいます。

 また,日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構については,「特殊法人等整理合理化計画」において,廃止し,新たに原子力研究開発を総合的に実施する独立行政法人を設置することとなりました。これを受け,文部科学省では,平成14年2月より,文部科学副大臣を座長とし,各界有識者等で構成される「原子力二法人統合準備会議」を開催し,原子力委員会等から幅広く意見を聴いた結果を踏まえ同年8月に「原子力二法人の統合に関する基本報告」を取りまとめたところです。引き続き,同会議において個別事業ごとの実績及び評価を踏まえた見直しや新法人の組織運営の具体的な姿の明確化などを図り,それを参考に,16年度までに法案を提出することとしています。

図2-6-3 原子力政策


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