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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第6章  研究開発の戦略的重点化
第3節  宇宙・航空分野の研究・開発及び利用の推進
4  国際宇宙ステーションなどによる宇宙環境利用の推進


 国際宇宙ステーションでは,微小重力,超高真空等の地上では容易に得ることのできない特殊な環境を利用することができます。宇宙環境において,広範な分野にわたる研究や実験,観測等を進めることにより社会の発展や生活の向上に寄与する研究開発が一層促進されることが期待されています。

 宇宙開発事業団では,国際宇宙ステーションの日本の実験棟(JEM:愛称「きぼう」)や様々な実験装置の開発を進める一方で,軌道上での「きぼう」利用に向けた準備を行っています。




(1) 宇宙環境利用の推進

 宇宙環境利用の分野では,国際宇宙ステーション利用を目指した研究活動の推進を図るため,各種の公募研究事業を実施しています。平成9年度には,宇宙環境を利用する準備段階として幅広い分野の研究者に研究機会を提供するための「公募地上研究制度」が開始され,5回目となる13年度公募では,合計82テーマが選定されました。11年4月には,民間参加による宇宙環境利用の促進と実験成果の地上における生産活動への応用を目的とし,その有効性を早期に実証するパイロットプロジェクト(先行実験計画)として「先導的応用化研究制度」を開始しています。これまでに5テーマが選定され,宇宙実験実施に向けた準備を進めています。


(2) 国際公募制度による利用推進

 国際的には,国際宇宙ステーション計画に参加する各機関が提供する実験装置等を効果的に相互利用し,最大の科学的効果を得ることを目的とした国際公募制度が展開されており,我が国の研究者も積極的に参加しています。

 平成10年度には,ライフサイエンス及び宇宙医学に関する実験テーマを対象とした「ライフサイエンス国際公募」に参加を開始し,13年度の第4回公募ではフライト候補テーマとして我が国から6テーマが選定されています。また,流体物理,材料科学等5分野の実験テーマを対象とした「微小重力科学国際公募」では,我が国の研究者が主研究者を務める5テーマと海外提案テーマの共同研究者を務める3テーマが選定されています。これらの選定テーマはフライト実験の実施に向けて現在準備作業を行っています。


(3) 早期利用推進

 宇宙環境利用を目指した地上実験の実施や,「きぼう」利用を想定したフライト実験実施の準備を進める一方で,国際宇宙ステーションで既に運用を開始している他機関のモジュール *1 や米国スペースシャトル等を利用した宇宙実験プロジェクトを進めています。平成13年3月には,宇宙開発事業団の開発した中性子監視装置が国際宇宙ステーションの米国実験棟に搭載され,船内中性子環境計測を実施しました。この実験は,国際宇宙ステーションでの有人活動のために必要となる宇宙放射線被ばく管理技術の向上を目的として行われ,実験データは国際パートナー(協力機関)にも提供し活用されることとなっています。また,13年8月には,微小粒子捕獲実験装置,材料曝露実験装置がロシアサービスモジュール *2 に搭載され,微小粒子環境の計測及び材料の経年変化の評価等が行われています。これらの実験結果は,宇宙環境モデルの最新化や宇宙環境にさらされる機能材料や構造材料の対宇宙環境性の向上に資するものとして期待されています。そのほか,高精細度テレビジョンカメラを用いた医学実験や広報応用実験等が実施され所要の成果を上げています。


*1 モジュール

 宇宙飛行士が実験や研究を行ったり,生活をする場所


*2 ロシアサービスモジュール

 宇宙飛行士が生活する場所として,ロシアより提供されたモジュール



(4) 利用の拡大と多様化

 国際宇宙ステーションは,これまでの「軌道上研究所」としての位置付けに加え,広く一般国民の生活に直結した利用の一層の推進を図るため,教育,文化,芸術,メディア,ビジネス,娯楽等,様々な分野での利用が検討されています。宇宙開発事業団では,「「きぼう」利用多様化に向けたフィジビリティスタディ(実現可能性に関する検討)」等を実施し,利用の拡大・多様化に向けた取組みを行っています。平成13年10月には,「きぼう」利用多様化のパイロットプロジェクトとして,ロシアサービスモジュールを利用したテレビコマーシャルの製作を行いました。また,国際宇宙ステーションに滞在中の搭乗員と交信を行う宇宙授業の実施等,国際宇宙ステーションを活用した文化・教育的利用等も開始しています。



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