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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第6章  研究開発の戦略的重点化
第3節  宇宙・航空分野の研究・開発及び利用の推進
2  衛星開発の推進



(1) 宇宙科学

 宇宙科学分野の衛星開発は宇宙科学研究所を中心に進められ,これまでに25機の科学衛星が打ち上げられています。これらの衛星により,太陽活動,地球周辺の宇宙環境や銀河をはじめとした太陽系外の天体などを観測し,世界的に評価の高い成果を上げています。

{1}惑星探査分野

 工学実験として今後の小惑星探査に必要不可欠な探査技術の修得を目指して,小惑星探査を行う探査機(MUSES─C)を,平成15年度の打上げを目指して開発を進めています。

{2}月探査分野

 月内部の地殻構造及び熱的構造の解明,月周回軌道から月面の光学撮影を目的とする月内部構造探査機(LUNAR─A)の平成16年度以降の打上げを目指して開発を進めています。

 また,月の起源と進化についての科学データの取得と,将来の月探査のための技術開発が目的である月周回衛星(SELENE)の平成17年度の打上げを目指し,宇宙開発事業団と共同で開発を進めています。

{3}天文観測分野

 銀河の形成・進化,星生成と星間物質,褐色矮星(わいせい)やダークマター(暗黒動物質)などの謎を探る赤外線天文衛星(ASTRO─F)を平成15年度に打ち上げることを目標に開発を進めています。

 また,軟X線から硬X線,ガンマ線にまたがる広いエネルギー領域にわたって,活動銀河核や銀河団などを観測することを目的に,X線天文衛星(ASTRO─E2)の平成16年度の打上げを目指して開発を進めています。さらに,太陽表面磁場・速度場の連続測定と高分解能のX線コロナ観測を行う太陽衛星(SOLAR─B)の平成17年度の打上げを目指して開発を進めています。



(2) 地球観測

 人工衛星を利用した地球観測では,地上からの観測と異なり,安全に広範囲のデータを短時間に集めることができ,また,長期にわたる観測が可能です。台風や火山活動などの自然界の現象を観測して得られるデータは災害情報監視等に利用され国民の安全確保に大きく貢献しています。また,地球環境問題は人類全体の生存に係る問題であり,気候変動に関する政府間会合等国際的取組みへの日本の貢献が求められています。

 日本からもこれまで様々な地球観測衛星が打ち上げられ,環境問題の把握,災害モニタや資源探査など,様々な場面において世界各国で利用されています。

{1}熱帯降雨観測衛星(TRMM)

 TRMMは,地球規模,特に熱帯地域の降雨現象を観測することにより,地球の水収支・エネルギー収支のメカニズムを解明することを目的として,平成9年11月に打ち上げられ,現在運用中です。これまでに,台風の立体構造やエルニーニョ現象等の把握に貢献しています。

{2}環境観測技術衛星(みどり-II)

 みどり-IIは,地球観測プラットフォーム技術衛星(ADEOS)による広域観測技術を更に高度化し,人類共通の緊急課題である地球環境問題に関する全地球的規模の水・エネルギー循環のメカニズム解明に不可欠な地球科学を取得することを目的とし,平成14年12月14日にH-2Aロケット4号機で打上げました。


{3}陸域観測技術衛星(ALOS)

 ALOSは,地球資源衛星1号(JERS-1)及びADEOSによる陸域観測を継承・発展させ,地図作成,地球観測,災害状況把握,資源探査等において有効なデータを提供し,社会に貢献することを目的とし,平成16年度打上げを目指して現在開発が進められています。

{4}極軌道プラットフォーム衛星(EOS-PM1:Aqua)

 Aquaは,極軌道プラットフォーム衛星(EOS-AM1:Terra)などと併せて,地球環境を一つの体系として解明することを目的としています。我が国では,Aquaに搭載する改良型高性能マイクロ波放射計(AMSR-E)の開発を担当し,平成14年5月に米国から打ち上げられました。AMSR-E及びみどり-II搭載の高性能マイクロ波放射計(AMSR)による観測データを併せて,地球環境の変化をとらえることが可能となります。


(3) 通信・放送・測位等

 通信・放送などに人工衛星を利用することは,広域性,同報性,対災害性など多くの利点があります。我が国では既に民間において,衛星放送をはじめとした通信・放送分野での衛星を利用したネットワークの構築が進んでおり,また,米国の測位衛星GPS(Grobal Positioning System)を利用した自動車経路誘導システムなどの位置情報サービスが提供されるなど,人工衛星を幅広く利用して,国民生活の向上が図られています。

 文部科学省においては,このような民間での取組みを促進するため,民間では対応できない不確定性の高い先端的・基盤的技術や将来の宇宙利用を見据えた先導的技術の開発・宇宙実証を行っています。

{1}光衛星間通信実証試験衛星(OICETS)

 衛星間通信システムに有効な光通信技術について,欧州宇宙機関(ESA)との国際協力により,同機関の静止衛星ARTEMISとの間で捕捉追尾を中心とした要素技術の軌道上実験を行うことを目的とする光衛星間通信実験衛星(OICETS)の開発を進めています。

{2}データ中継技術衛星(こだま)

 地球観測衛星や国際宇宙ステーションの日本の実験棟(JEM「きぼう」)等を用いたデータ中継実験を行うことにより,通信放送技術衛星(COMETS)のデータ中継機能を発展させ,より高度な衛星間通信技術の蓄積を図ることなどを目的とするデータ中継技術衛星(こだま)を平成14年9月10日にH-2Aロケット3号機で打ち上げました。

{3}超高速インターネット衛星(WINDS)

 超高速インターネット・大容量データ通信を可能とする衛星通信の技術を確立するとともに,これを利用した新たな利用実験を官民共同で実施することにより新たな利用需要を喚起し,我が国におけるIT革命の進展を図ることを目的として,総務省と連携し,超高速インターネット衛星(WINDS)の研究開発を平成13年度から進めています。

{4}技術試験衛星8型(ETS-8)

 大型衛星バス技術,大型展開アンテナ技術,移動体衛星通信システム技術,移動体マルチメディア衛星放送システム技術及び高精度時刻基準装置を用いた測位等にかかわる基盤技術の開発並びにそれらの実験・実証を行うことを目的とする技術試験衛星8型(ETS-8)の開発を,総務省と連携して進めています。

{5}ミッション実証衛星(つばさ)

 民生部品の軌道上における機能確認,コンポーネント(衛星搭載用装置)等の小型技術確認及び放射線等の宇宙環境の計測を目的とする民生部品・コンポーネント実証衛星(つばさ)を平成14年2月4日にH-2Aロケット試験機2号機で打ち上げました。


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