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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第5章  科学技術・学術政策の総合的推進
第2節  学術の振興
2  学術研究の推進方策


 文部科学省では,学術研究が目指すべき方向として,「世界最高水準の研究の推進」,「21世紀の新しい学問の創造」,及び「社会への貢献」という三つの目標を掲げ,第2期科学技術基本計画及び科学技術・学術審議会における審議などを踏まえて,{1}研究者の自主性の尊重,{2}人文・社会科学から自然科学までのすべての学問分野における発展,{3}教育と研究の一体的な推進という基本方針の下に,幅広い分野の多様な学術研究を推進しています。具体的には,以下の取組を行っています。


(1) 研究費の充実

 研究者の自由な発想に基づく多様な学術研究を推進することは,競争的な研究開発環境の形成過程においても大きな意義を持っています。このため,文部科学省では科学研究費補助金の拡充と改善に努めています。


(2) 若手研究者の養成・確保

 学術研究の推進のためには,その担い手である優秀な研究者が育ち,十分に能力を発揮できる環境を整備することが重要です。文部科学省では,日本学術振興会の特別研究員事業などを推進し,次代を担う創造性に富んだ優れた若手研究者の養成・確保に努めています。


(3) 研究機関等の整備

 我が国の学術研究は,大学の学部,大学院のほか,大学共同利用機関や大学附置研究所等の研究機関を中心に展開されています。文部科学省では,各研究機関の役割や使命に即した多様な研究組織を確保しながら,学術研究の動向や社会の変化に即応した柔軟な研究組織の整備を進めています。


(4) 学術研究基盤の整備

 大学等におけるネットワークの高度化・高速化や情報関係施設の整備を行うほか,学術情報を迅速・的確に入手するためのデータベースを充実するなど,学術研究に不可欠な情報基盤の整備・充実に努めています。

 大学図書館については,近年におけるマルチメディア技術の進展やインターネットの普及などに対応した,多様で高度な情報サービスの充実を図っています。

 また,研究支援体制の充実を図るため,国立大学や大学共同利用機関が行う研究プロジェクト等への大学院博士後期課程在学者のリサーチ・アシスタント(研究支援者)としての参加,特殊な技能や熟練した技術を有する者の研究支援推進員としての参加,大学院博士後期課程修了者の非常勤研究員としての参加を推進しています。


(5) 特色ある世界水準の研究の重点的推進

 文部科学省では,世界的な研究動向や我が国の現状などを考慮しながら,基礎研究のうち,特に組織的・国際的に推進を図る必要がある分野,社会的要請が極めて強い分野,大型の施設・設備を必要とする分野などに重点を置いて,研究の積極的な推進を図っています。例えば,宇宙の果てに挑む天文学研究,ニュートリノ研究,物質の究極的な構造などの解明を目指す加速器科学,地球環境問題の解決を目指す地球環境学などの基礎研究を重点的に推進しています。


(6) 産学連携の推進

 高い研究水準と人材育成機能を持つ大学については,地域社会活性化の中核としての役割に対する期待が高まっています。また,学外からの知的刺激により,学術研究の新たな展開や教育活動の活性化にもつながることから,大学と産業界などとの連携・協力は極めて有意義です。

 このため,文部科学省では,大学と企業等との共同研究や企業からの受託研究など産学連携を推進するための諸制度の整備,共同研究センターの設置など大学における産学連携のための体制整備,技術移転機関(TLO)等を通じた大学の研究成果の特許化や産業界への移転の促進などを図っています。


(7) 学術国際交流の推進

 国境を超えた研究者交流は研究者個人間の信頼関係を築き,将来の共同研究につながるものであり,日本学術振興会などにおいて研究者国際交流事業を推進しています。また,近年の学術研究においては,地球環境問題など各国が共同して取り組む必要がある分野が増加しており,大学をはじめとする国内の学術研究機関が2国間や多国間での国際共同研究にも積極的に取り組んでいます。


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