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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第3章  高等教育の多様な発展のために
第4節  高等教育機関の多様な展開
1  高等教育の整備と発展の方向



(1) 高等教育機関の多様な展開

 社会経済の更なる高度化・複雑化や国際化の進展に伴い,大学などの高等教育機関は,教育研究の質の更なる向上と,多様な人材養成を求められています。また,進学率の上昇や生涯学習需要の高まりに伴い,自らの関心や意欲に応じてその能力を伸ばすことができるよう,多様で充実した教育機会を提供することが重要となっています。

 このような高等教育に対する期待にこたえ,長期的視点に立った教育研究の展開によって社会をリードする役割を果たしていくため,各大学等は,それぞれの理念・目標を明確にしつつ,特色を生かして,個性豊かな活動を積極的に推進していく必要があります。

図2-3-5 大学・短期大学の規模等の推移


(2) 大学(学部)・短期大学の規模

 大学・短期大学への進学者の主な母体となる18歳人口は,平成4年度の約205万人をピークとして減少し,この3年間は約150万人で推移しています。今後,平成21年度の約120万人まで減少し続け,その後しばらくは約120万人で推移すると予想されます。

 平成14年5月現在での大学数は686校,短期大学数は541校です。大学・短期大学全体の在学者数は約276万人で,昨年と比べ約9,000人減となっています。また,その内容は大学が約250万人,短期大学が約27万人となっています。大学の入学者数は約61万人,短期大学の入学者数は約12万人で,大学は約5,000人増,短期大学は約9,000人減となっています。進学率は大学が40.5%,短期大学進学率8.1%(大学・短期大学進学率48.6%)となっています。平成5年度には進学率が40.9%であり,その後平成11年度までは約1〜2%の伸びを示していましたが,平成11年度以降は,ほぼ横ばいとなっています。


(3) 大学院の量的拡大

 大学院の在学者数の規模については,平成3年11月の大学審議会答申「大学院の量的整備について」において,12年の大学院の規模は「全体としては,少なくとも現在の規模の2倍程度に拡大することが必要」であると提言されました。この提言を受け,新たな大学院(研究科・専攻)の設置や大学院の入学定員増など各般の施策がとられ,大学院の量的拡大が図られてきました。

 大学院の在学者について見ると,平成13年5月現在で21万6,322人(修士課程15万797人,博士課程6万5,525人)であり,3年の9万8,650人(修士課程6万8,739人,博士課程2万9,911人)に比べ約2倍の規模となっており,3年の大学審議会の答申の提言は達成されました。

 このように我が国の大学院は近年著しく規模を拡大しています。しかし,学部学生に対する大学院学生の比率について見ると,日本の8.7%(2001年)に比して,アメリカの13.6%(パートタイム在学者を含めると16.6%)(1998年),イギリスの16.6%(パートタイム在学者を含めると39.1%)(1999年),フランスの18.9%(1998年)など,諸外国の状況と比較すると,なお隔たりがあります。

 大学院は基礎研究を中心として学術研究を推進するとともに,研究者の養成及び高度の専門的能力を有する人材の養成という役割を担っています。今よりも一層変化が激しく複雑化していく21世紀の社会を迎え,これからの大学院に特に求められることは,{1}学術研究の高度化と優れた研究者の養成機能の強化,{2}高度専門職業人の養成機能・社会人の再学習機能の強化,{3}教育研究を通じた国際貢献の3点であり,いずれの面からも大学院の更なる整備充実が必要です。

 今後の大学院の規模の在り方については,{1}国際社会で活躍するための基本的な要件として大学院レベルの修了が求められている状況や,{2}21世紀に向けて科学技術創造立国を実現していく必要,{3}急速な技術革新や知識の陳腐化に対応し,社会人ブラッシュアップ教育の機会を求める社会人等が増えると考えられること等を踏まえるとともに,{4}今後の産業構造の変化等を考慮する必要があり,新しい産業分野が創出され成長するにつれ,高度な知識・能力を備えた人材への新たな需要が生まれてくることを想定すると,全体としては,25万人以上の規模に拡大していくことが見込まれます。


(4) 短期大学における新たな展開

 短期大学は,学校教育法において4年制大学と目的及び修業年限を異にする大学として位置付けられ,制度創設以来,私立短期大学を中心に量的整備が図られ,特に女子の高等教育の場として大きな役割を果たしてきましたが,近年における科学技術の高度化,国際化・情報化の進展,生涯学習社会への移行などの社会の変化,18歳人口の減少や女子学生の4年制大学指向の高まりなど,短期大学をめぐる状況の変化を踏まえた対応が求められています。

 短期大学が,今後一層,社会において重要な役割を果たしていくためには,その特色を生かしつつ多様化・個性化を図り,{1}教養教育と実務教育が結合した専門的職業教育,{2}より豊かな社会生活の実現を視野に入れた教養教育,{3}地域社会と密着しながら社会人や高齢者などを含む幅広い年齢層に対応した多様な生涯学習機会の提供など,多様な要請等にこたえて教育機能の一層の充実を図ることが必要です。

 このような状況に対する一つの取組として,現在,社会人を含めた地域の需要に,より柔軟に対応していくことを目的とした総合的な学科(地域総合科学科)を設置する動きが始まっています。

 地域総合科学科とは,分野を特定せず,地域の多様な需要に柔軟に応じることを目的とした新しいタイプの学科であり,複数の異なる分野や,既存の学科を改組・転換という形で一つの総合的な学科にして,その中で学生の需要や地域の需要にこたえられるような仕組みにしようというものです。平成14年度からは,短期大学基準協会による地域総合科学科としての特色と教育の質を保証する適格認定も開始され,これらの取組の成果が期待されています。


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