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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第3章  高等教育の多様な発展のために
第2節  高等教育の質的水準の向上に向けて
1  大学院の改善・充実



(1) 大学院の現状とこれまでの動向

 大学院は,基礎研究を中心として学術研究を推進するとともに,研究者及び高度の専門的能力を有する人材を養成するという役割を担っています。我が国の大学院の状況について見ると,全国国公私立687大学の約7割に当たる509大学(平成14年度現在)に大学院が置かれ,大学院に在籍する学生数は,国公私立全体で約22万3,000人(14年5月現在)に達しています( 図2-3-2 )。

図2-3-2 大学院の整備状況

 大学院に対する社会の期待は,近年の学術研究の進展,急速な技術革新,社会経済の高度化・複雑化などの変化に伴い,ますます大きなものとなっています。これらの時代の要請にこたえつつ,学術研究の新しい流れに対応するためには,大学院の質・量両面にわたる飛躍的な充実を図ることが重要な課題となっています。このため,文部科学省では各大学院においてそれぞれの目的に即し,多様な形で教育研究の一層の高度化・活性化が図られるよう,課程の目的,組織編成,教育方法・形態等について制度の弾力化を図るとともに,先端的・学際的分野を中心とした研究科等の新設を推進しています。


(2) 法科大学院等の専門職大学院制度の創設

 平成11年9月に大学院設置基準の改正を行い,経営管理,法律実務などの分野で高度専門職業人の養成に特化した実践的な教育を行う大学院修士課程(専門大学院)が新たに制度化されました。この改正を受け,12年4月に我が国初の専門大学院として,一橋大学大学院に国際企業戦略研究科経営・金融専攻が,京都大学大学院に医学研究科社会健康医学系専攻がそれぞれ設置され,さらに13年4月には九州大学大学院に医学系教育部医療経営・管理学専攻が,青山学院大学大学院に国際マネジメント研究科国際マネジメント専攻が,14年4月には,神戸大学大学院経済学研究科に現代経営学専攻が,中央大学大学院に国際会計研究科国際会計専攻が設置されました。

 その後,平成14年8月に中央教育審議会は「大学院における高度専門職業人養成について」,「法科大学院の設置基準等について」を答申しました。

 「大学院における高度専門職業人養成について」では,科学技術の高度化,社会・経済・文化のグローバル化が進む中で,高度で専門的な職業能力を有する人材の養成が求められていることを受けて,このような高度専門職業人を養成するために,従来の専門大学院を発展的に解消して,新たに「専門職大学院」制度の創設について提言されています。

 この新たな専門職大学院制度においては,{1}職業分野の特性に応じて適切な標準修業年限や修了要件等を設定できる弾力的な仕組みにすること,{2}事例研究,討論,現地調査など多様な実践的な教育を提供すること,{3}修了者には,修得した高度な専門的な職業能力を証明する学位として専門職学位を授与することなどを制度の基本としています。

 「法科大学院の設置基準等について」では,専門職大学院の一類型である法科大学院を新たな法曹養成制度の中核的機関としてふさわしいものとするため,{1}理論と実務との架橋を強く意識した教育内容,{2}実務家教員の配置,{3}多様性を確保するための入学者選抜,{4}継続的な第三者評価等について提言されています。

 文部科学省では,これらの提言を受け,第155回臨時国会において学校教育法の改正を行うとともに,設置基準の制定作業を進めています。

 また,同臨時国会においては,「法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律」が成立しています。これにより,従来の司法試験という「点」のみによる選抜に代わって,法科大学院・司法試験・司法修習が有機的に連携する新たな法曹養成制度が確立し,一層多様で質の高い法曹の輩出が期待されています。


(3) 大学院及び学生に対する支援

 文部科学省では,大学院に対する支援として,教育研究の高度化を重点的に推進するための大学院教育充実支援経費の予算措置の充実を図っています。また,大学院学生に対する支援については,優れた学生が安心して進学できる環境の整備のため,研究奨励金を支給する日本学術振興会特別研究員制度や,日本育英会の育英奨学事業,ティーチング・アシスタント(TA) *1 経費などの充実に努めています。


*1 ティーチング・アシスタント(TA)

 優秀な大学院学生に対し,教育的配慮の下に,学部学生などに対するチュータリング(助言)や実験,実習,演習などの教育補助業務を行わせ,大学教育の充実と大学院学生への教育トレーニングの機会提供を図るとともに,これに対する手当の支給により,大学院学生の処遇の改善の一助とすることを目的としたもの。


(4) 大学院修了者の進路

 平成13年3月現在の大学院修了者の進路状況を見ると,修士課程の主な就職先では,製造業49.1%,サービス業(教育分野を含む)29.5%,公務5.3%などであり,博士課程の主な就職先は,サービス業72.8%,製造業13.6%,公務4.9%などとなっています。


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